悪癖を見せたチェルシーと意地を見せたバーンリー
立ち上がりからロングキックの応酬となった試合。変わった狙いが見えたのはアウェイのバーンリーの方だった。バーンリーのロングボールは左サイド狙い。2トップが左サイドに流れて起点を作り、左のSHをスタートポジションとするオドベールがインサイドに入ってくる。
この試合におけるバーンリーの左サイドの動きは興味深いものだった。サイドに流れる2トップをサポートするのは大外に立つヴィチーニョと後方支援役のカレン。2トップで起点を作り、折り返す動きからフィニッシュを狙っていく。
ただ、10分が過ぎると少しずつチェルシーのペースになっていく。まずはカウンターからジャクソンに当てることでファストブレイクを進行。右サイドのヴィチーニョの背後を取る形から一気にサイドの奥をとる。
定点攻撃でも右サイドは軸になる。カイセドのサリーか、グストを片上げするかのどちらかで3-2-5の形を作ると、やはりグストの抜け出しの形からクロスを上げていく。
だが、決め手になったのは左サイド。セットプレーからのクロスで先制点かと思われたが、これはハンドで取り消し。しかしながら、ムドリクがアシニョンの退場を誘発してPKを奪い取る。珍しく怒りに身を任せて退場するコンパニのリアクションも理解できる微妙な判定だった。このPKをパルマーが仕留めて先制。チェルシーがリードしてハーフタイムを迎える。
後半も3-2-5でポゼッションするチェルシーが4-4-1で構えるバーンリーを押し込んでいくスタート。しかし、バーンリーはすぐに反撃。右サイドに移動したヴィチーニャを起点とした攻撃でムドリク、エンソ、カイセドをまとめて手玉にとると最後はカレンのミドルで同点に。
以降はバーンリーに10人という数的不利を感じるシーンは少なかった。中盤のハードワークにより、サイドのスペースを埋めることがやたらと上手かったし、そこそこボール保持の機会も得ていた。
サイドの数を合わせられたチェルシーは力技で対抗。ムドリクとマドゥエケの両翼からゴリゴリと削るようにしてクロスを上げていく。
ただし、勝ち越しゴールはややテイストが違った。後半は存在感が薄かったパルマーがスターリングのオシャレなフリックを受けてゴールをゲット。サイド攻勢だった後半の中では異質な中央破壊からチェルシーがリードを奪う。
だが、直後にバーンリーはセットプレーから同点。最後までピリッとせずに試合を仕切れなかったチェルシーは45分以上10人だったバーンリーにホームで引き分け。チームの士気に影響しそうな重たい勝ち点ロストとなった。
ひとこと
後半に垂れる悪い時のポチェッティーノのチェルシーが顔を出したなという感じ。
試合結果
2024.3.30
プレミアリーグ 第30節
チェルシー 2-2 バーンリー
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:44′(PK) 78′ パルマー
BUR:47′ カレン, 81′ オシェイ
主審:ダレン・イングランド