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「Catch up Premier League」~Match week 29~ 2024.3.16-3.17 etc

目次

バーンリー【19位】×ブレントフォード【15位】

全てを投げ打った10人相手の防波堤

 立ち上がりにボールを持つ立ち位置になったのはバーンリー。ボールを動かしつつ、受けて跳ね返す構えのブレントフォードに対して、構造的に空きやすいサイドからボールを動かしながら勝負を仕掛けていく。

 ボックス内での跳ね返しのフェーズは得意なはずのバーンリーだが、あっさりとミスをしてしまったのはレギロン。裏を取られたヴィチーニョを後ろから引き倒してしまいPK献上と退場のコンボ。80分以上を残して数的不利に陥ってしまう。

 10人になったことでブレントフォードは高い位置からのプレッシングをスタート。自陣に引きこもるよりもハイプレスという捨て身の手段を取ることを選ぶ。

 このプレッシングはシンプルにバーンリーに効いていた。バックラインの時間を奪われたバーンリーは一気にポゼッションが不安定に。オシェイのバックパスなどあわや!という場面も出るようになり、数的優位に経ってから逆に押し込まれる立ち位置になってしまう。

 それでもなんとか右サイドから奥をとることからのチャンス構築に成功したバーンリー。しかしながら、この決定機をフォファナが決めきれずにリードを広げる決定機を逃してしまう。

 後半の頭は再びペースを握ったのはバーンリー。4-3-2のブレントフォードに対して、サイドからボールを運ぶことで安定したポゼッションから押し込む展開に持ち込むことに成功する。

 追いかけたいブレントフォードはローアスリウとジャネルトが負傷。逆に開き直ってアタッカーを増員するというのはこの試合のトーマス・フランクらしい強気なプランである。

 少しずつ前に出てくるブレントフォードに対して、バーンリーはカウンターからひっくり返す形で追加点をゲット。リベンジのフォファナがゴールを仕留めてさらにリードを広げる。

 しかしながら、ここからはアタッカーを増員したブレントフォードの独壇場。10人であることを忘れる猛攻で左右からのクロス爆撃からガンガン仕掛けていく。圧をかけた一撃で1点差に迫ると勢いはさらに増すことに。

 ネットを揺らしながらもトニーのファウルで取り消しになるなど、ムリッチにとってはギリギリの戦いが続くことに。コンパニもアムドゥニのインアウトを使って中盤を強化するなど、手段を選ばない形で防衛策をとる。

 10人のブレントフォードに意地を見せたバーンリーが紙一重の逃げ切りに成功。悲願の勝ち点3を手にした。

ひとこと

 アムドゥニのインアウト、失敗したら全てを失ってしまいそうな交代策だったので実って良かったという気持ち。

試合結果

2024.3.16
プレミアリーグ 第29節
バーンリー 2-1 ブレントフォード
ターフ・ムーア
【得点者】
BUR:10′(PK) ラーセン, 62′ フォファナ
BRE:83′ アイェル
主審:ダレン・ボンド

ルートン・タウン【18位】×ノッティンガム・フォレスト【17位】

ミラクル属性の再来

 残留争いに食い込みそうな雲行きが怪しいクラブがいくつかある昨今のプレミアリーグだが、ルートンが勝ち点を積み上げないことには戦いの火蓋は切って落とされないという状況。ミッドウィークに3点差をひっくり返された試合からのリバウンドメンタリティも試される一戦だ。

 高い位置からプレスをかけてくるフォレストに対して、ルートンのリアクションは悪くはなかった。サイドから運びつつ、ミドルという流れでチャンスを作るルートン。自身を代表に呼ばなかったサウスゲートに見せつけるかのようなミドルをガンガン打ちまくっていたバークリーが印象的だった。

 一方のフォレストも前節から新しい武器に加わった右のオリギのトランジッションから盛り返していく。だが、どちらのチームもサイドからの攻撃の仕上げが雑でなかなかボックス内にチャンスを供給できてはいなかった。

 少しずつ攻撃で風向きを変えたのはフォレストの方。左サイドからギブス=ホワイトやエランガがルートンのバックラインの裏を完全に取る形からチャンスを作る。カボレのファウルやバークのギリギリのクリアから事なきを得るが、フォレストは明らかにワンランクゴールに迫ったシーンだった。

 流れに乗ったフォレストはそのまま先制点をゲット。右サイドにフローしたイエーツから深さをとると、そのギャップを利用したウッドがゴールを決めて先制。ルートンの守備陣のナイーブな対応にうまくフォレストの攻撃陣が漬け込んだ形となった。試合はフォレストのリードでハーフタイムを迎える。

 後半も大まかな展開は同じ。プレスに出ていくフォレストは攻守に主導権を握りにいく展開。ルートンはトランジッションから反撃を狙っていくが、やはり相手の守備網にクリティカルなダメージを与えることができているのはフォレスト。ギリギリクリアコレクションにメンジが加わり、なんとか追加点を許さずに粘る。

 だが、タクティカルかアクシデンタルかわからない理由でハーフタイムにダウティーがいなくなり、後半にはラドックが負傷で交代するなどで選手を入れ替えたルートンは入れ替えるたびにパワーダウン。タウンゼントのクロスの精度を見ていると、残念ながら序列が下がったのも納得の出来であった。

 フォレストはウッドの負傷に伴い、5バックに移行してきっちりと自陣を固める。慣れない5バック崩しを強いられるルートンは攻略の突破口を見出せない状況が続く。

 このまま試合は終わるかと思われたが、得点の気配がなかったルートンはセットプレーから追いつく。パレス戦のウッドローに続くミラクル属性を発揮したのはベリー。投入後、即仕事をしたベリーの活躍により、今節もルートンは1ポイントをゲット。なんとか痛み分けに持ち込んだ。

ひとこと

 フォレスト、2点目を入れて試合を終わらせたかったところだが。

試合結果

2024.3.16
プレミアリーグ 第29節
ルートン・タウン 1-1 ノッティンガム・フォレスト
ケニルワース・ロード
【得点者】
LUT:90′ ベリー
NFO:34‘ ウッド
主審:ダレン・イングランド

フラム【12位】×トッテナム【5位】

出足で先をいったフラムがトッテナムに完勝

 アストンビラとの4位争いを制したトッテナム。ようやく成し遂げた連勝をさらに伸ばし、ここからなんとか上位を追走していきたいところである。

 ポゼッションを行っていたのはトッテナム。フラムの2トップの脇からボールを運ぶトライをしていく。高い位置からのプレッシングにも積極的。フラムのCBやGKへも前線は捕まえにいくアクションを欠かさず、支配的なチームの振る舞いを狙う立ち上がりとなった。

 だが、この振る舞いはあまりハマっていなかったように思えた。フラムのコンパクトな4-4-2はトッテナムの縦パスを寸断し続けた。バッシー、パリーニャあたりが大暴れするのは平常運転だとしても、ルキッチあたりも潰し屋として機能していたのは大きい。

 ならばトッテナムは裏を狙えば?と思うのだが、こちらもフラムの守備陣を前に苦戦。SBのロビンソンは背後のケアとクルゼフスキに反転をさせないように高い位置からのプレッシャーを両立。表でも裏でもトッテナムに自由を与えなかった。

 トッテナムのプレッシングに対してもフラムは難なく対応。左右に動かしながらトッテナムのプレスをいなす。前線ではパスの預けどころにボールを収めて、後方からの攻め上がりで厚みを出す。最も印象的な働きをしていたのはイウォビ。ためを効かせてSBの攻め上がりを生かす場面と、縦に急いで攻撃を加速させる場面の使い分けが見事。ウィリアン、ムニスなど前線にはあらゆるターゲットがボールを収めて、トッテナムのプレスを無効化する。

 割と一方的にやられていたトッテナムだが、30分手前に少しずつ押し返すことに成功。左サイドの奥を取ることでソンとマディソンは決定的なシュート機会を作る。しかしながら、フラムもその間はカウンターで応酬。試合は撃ち合いとなる。

 どちらにも決定機が生まれた中で先行したのはフラム。左サイドからのクロスをムニスが仕留めてようやくスコアを動かしたところでハーフタイムを迎える。

 後半も左右からのクロスの乱れ打ちで主導権を握るフラム。開始早々にピンチを迎えたトッテナムはハイプレスで高い位置から捕まえにいくが、イウォビへの展開からプレスを脱出したフラムはニアに飛び込んだルキッチのゴールで追加点。リードを広げる。

 トッテナムは保持から巻き返しを図りたいところだが、ミドルゾーンでボールを詰まらせてしまい苦戦。この辺りはフラムが明らかに出足で上回っていた部分。中盤でのボールダッシュから前線への飛び込みまであらゆる局面でトッテナムの先をいく。

 その優劣は追加点にも反映。フラムのセットプレーからのチャンスはこぼれ球となったが、これをムニスが仕留めてリードは3点となる。

 3点のビハインドとなったものの、トッテナムは以降にハーフスペース突撃からの速いクロスでチャンスを手にする場面も。時間帯的にもこのタイミングで追撃弾を手にしていればトッテナムにはまだ勝ち点を奪うチャンスがあったように思える。

 だが、この時間帯を凌がれたトッテナムは以降もチャンスを決めることができず結局無得点のままでクローズ。連勝を3に伸ばすことは叶わなかった。

ひとこと

 ムニスとかパリーニャは当然としてルキッチとかロビンソンの出来がとてもいい日だった。

試合結果

2024.3.16
プレミアリーグ 第29節
フラム 3-0 トッテナム
クレイブン・コテージ
【得点者】
FUL:42′ 61′ ムニス, 49′ ルキッチ
主審:ロベルト・ジョーンズ

ウェストハム【7位】×アストンビラ【4位】

サイドの抉り合いを経ての痛み分け

 高い位置からプレスをかける立ち上がりとなったのはウェストハム。ややメンバーを代えた中盤で前からのプレッシングを積極的に行っていく。

 アストンビラは高いラインを保つウェストハムの中盤の背後を狙っていく。ワトキンスやデュランといった起点となる選手に縦パスを入れようと左右に動かしながら縦パスのルートを探す。しかしながら、ウェストハムのハイプレスが序盤は優勢。高い位置からのショートカウンターでアストンビラのゴールに迫る。

 10分が過ぎたところから少しずつ形勢は変化。パウ・トーレスを先導役として、縦パスのコースが見つかるようになり、ウェストハムのプレスのラインをどんどん押し下げていく。

 ただ、押し込まれてもこの試合のウェストハムは反撃の手段を持っていた。ボーウェン、クドゥスといったWGからSBの背後を取る形から陣地回復に成功。サイド攻撃から押し返していく。先制ゴールはシンプルなクロスをダイナミックにネットに叩き込んだアントニオ。半年以上空いたリーグ戦のゴールをついに決める。

 それ以降も保持ベースで解決策を探るアストンビラ。だが、ウェストハムもサイドから押し下げる形とGK付近にボールを集めるセットプレーからチャンスを作っていく。前半は1-0のスコアを維持したままでハーフタイムを迎える。

 迎えた後半、先に攻め手を見つけたのはウェストハム。サイドを抉るようなWGの縦方向の突破からセットプレーを奪うと、前半から行っていたGKに詰めるCKからネットを揺らす。だが、これはハンドの判定。リードを広げることができない。

 優勢だったウェストハムに対して、アストンビラは押し込みながらも苦戦。サイドの背後を取られるカウンターに苦しむ展開となる。左サイドの縦のユニットを入れ替えもしたが、中心になったのは右サイド。ベイリーとキャッシュというコンビに加えて、HTに投入されたディアビもここに絡み、打開を狙う。

 事態が好転しつつあったのは縦方向への突破からの鋭いクロスを使うようになってから。追い越すキャッシュはもちろん、ベイリーやディアビも縦に抜ける動きを行うことで徐々にウェストハムのサイドを破ることができるように。同点弾に飛び込んだのは左のSHのザニオーロ。右で壊すという設計に忠実にボックス内で仕事を果たした。

 終盤はカウンターからチャンスを迎えたウェストハム。ウォード=プラウズは決定機を仕留めることができず。さらには最終盤に強引に押し込んだソーチェクも再びハンドでゴールは認められず。

 後半は主導権が目まぐるしく入れ替わる展開となったこの試合。最終的には引き分けで勝ち点1を分け合う結果となった。

ひとこと

 サイドを縦に進むことのしばき合いが続いた後半だった。

試合結果

2024.3.17
プレミアリーグ 第29節
ウェストハム 1-1 アストンビラ
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:29′ アントニオ
AVL:79′ ザニオーロ
主審:ジャレット・ジレット

アーセナル【1位】×チェルシー【9位】

青写真通りのギアアップで大量得点

 レビューはこちら。

 中2日での試合が続くアーセナル。10日間で4連戦のトリを飾るのはチェルシーとのビッグロンドンダービーである。

 体力面で不安のあるアーセナルに対して、チェルシーはハイプレスでスタート。冨安がインサイドに絞る3-2型のアーセナルには陣形的にはチェルシーはハメ込めるようになっている。しかしながら、実際にはアーセナルのビルドアップにはハヴァーツ、トロサール、ウーデゴールといった面々も顔をだす。それによりチェルシーのプレスには足りない部分が出てくるように。

 そういう意味でチェルシーのプレスはハマりきらず。アーセナルはショートパスからスムーズに前進することで先制点をゲット。相手を右サイドに引きつけつつ横断することでチェルシーの引き剥がしに成功。アイソレーションの機会を得ることができたトロサールが角度のないところから先制点を決める。

 チェルシーの保持に対してはアーセナルは右サイドを軸としたプレスで対抗。いつもほどの強度はないが、相手をきっちり押し下げる役割は果たしていた。しかしながら、チェルシーも左右に流れるジャクソンや右の大外から仕掛けるマドゥエケからアーセナルのゴール前に進んでいく。

 速攻はもちろん、自陣からのビルドアップでも全く手応えがないわけではなかったチェルシー。だが、ボールの奪いどころを定められない状況は変わらず。試合はアーセナルのリードでハーフタイムを迎える。

 後半はギアアップしたアーセナルがチェルシーをあっという間に飲み込む展開に。プレッシングから一方的に押し込む状況を作ったアーセナルはセットプレーからホワイトが追加点を決める。

 このゴールでチェルシーは中盤のプレスが後手に。降りるアクションを見せたウーデゴールから一発で抜け出したハヴァーツがゴールを決めてさらにリードは広がる。

 終盤はククレジャとの優位をとったサカを軸に右サイドから攻めるアクションを見せたアーセナル。周りの動きだしを見逃さなかったアーセナルはさらにこちらのサイドからの侵入でハヴァーツが追加点を奪う。

 最後はホワイトが角度のないところからクロス性のシュートを決めて5点目をゲット。大量5得点を挙げたアーセナルがチェルシーに順位の差を見せつけた90分となった。

ひとこと

 後半頭のギアアップからの畳み掛けは体力的に不安があるアーセナルが描いた青写真通りの展開だろう。

試合結果

2024.4.23
プレミアリーグ 第29節
アーセナル 5-0 チェルシー
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:4′ トロサール, 52′ 70′ ホワイト, 57′ 65′ ハヴァーツ
主審:サイモン・フーパー

ウォルバーハンプトン【12位】×ボーンマス【10位】

アタッカーの勢いの差が勝ち取った先制点を10人で守り抜く

 苦しいスカッドのやりくりが続いているウルブスとシーズン終盤に状態を上げているボーンマス。中位にいる両チームは非常に対照的な状態となっている。

 序盤はハードなデュエルでスタートした両チーム。相手のプレスを外していく手応えを感じたのはボーンマス。低い位置から相手のハイプレスを壊すアクションを見せる。ウルブスの前線のプレス隊を左右に揺さぶるところを初手として、狙いとしていたのは左サイドの奥のところ。セネシが持ち上がっていきながらセメドの奥を狙う形を作り、ここから押し下げていく。

 ハイプレスにも手応えがあるスタートとなったボーンマス。ウルブスは試合が落ち着くまでにスコアを動かされなくてホッとしたことだろう。ただし、試合が落ち着いてもペースを握ったのはウルブス。右サイドではセメンヨに加えて、前線に飛び出すスコットが奥行きを作るアクションを作る。左のセメド狙いは引き続き健在である。

 ウルブスもラインを押し上げて中央へのパスをカットすることで高い位置から止めることも徐々に出てくるように。敵陣ではワイドに流れるヒチャンからチャンスを作っていく。

 しかしながら、先制点を手にしたのはボーンマス。左の大外からの裏抜けが奏功。劣勢のセメドを追い越す形で出し抜いたケルケズが折り返すと、これをセメンヨが沈めて先行する。

 得点以降もペースはボーンマス。左右の攻撃の他にクリスティのドリブルも効いており、前線の攻撃ユニットの機能性に差がある前半となった。

 追いかけるウルブスは後半保持ベースで反撃に。ボーンマスは前に出てくるスタンスを有していたため、裏を取ることもできたが、やはりいい時のロングカウンターは不発。ゴール前で落ち着いてもう一度ブロック守備を崩していく必要ができていく展開だった。

 それでもウルブスはネットを揺らすことに成功。前半は酷い目にあっていたセメドから乾坤一擲のクロスが上がり、これをヒチャンが沈める。しかしながら、これはクーニャのファウルで取り消しに。不運な判定となったら、これ以降ウルブスはペースを握って積極的に攻めていく。

 さらにボーンマスはケルケズが退場。これで10人になる。だが、ボーンマスはこれで割り切って守る方向にシフト。ウルブスにとってはあまり有り難くない展開になったかもしれない。

 長い追加タイムもボックス内で根性で凌いだボーンマス。最後のキルマンのシュートはギリギリのところでケリーがラインを押し上げてなんとか事なきを得た。

 10人のボーンマスを崩しきれなかったウルブス。前半にアタッカーのキレの差で生んだ先制点をボーンマスは守りきって見せた。

ひとこと

 ケルケズ、好調なだけに一発退場はもったいなかった。

試合結果

2024.4.24
プレミアリーグ 第29節
ウォルバーハンプトン 0-1 ボーンマス
モリニュー・スタジアム
【得点者】
BOU:37′ セメンヨ
主審:スチュアート・アットウェル

クリスタル・パレス【14位】×ニューカッスル【7位】

勢い持続で強敵相手の3連勝を達成

 アンフィールドを征服し、ウェストハムには5得点。結果も去ることながら内容の良化も止まらないクリスタル・パレス。今節はニューカッスルを迎えての一戦である。

 立ち上がりからパレスは勢いに乗った支配的なスタート。バックラインから広く幅を使ったポゼッションを行いつつ、ニューカッスルにハイプレスを諦めさせる。

 ボールを奪われた後はハイプレスにシフト。バックライン、CHの押し上げはもちろんのこと、WBのSBに対しての出足も抜群で、中央だけでなくサイドの逃げ道も防いでいた。

 ニューカッスルはこれに対して一発のひっくり返しを狙うアプローチ。サイドから抜け出すバーンズや、バックラインの背後に走ったイサクなどがいきなり決定機に手をかける流れまで持ち込むことで、一発逆転を狙っていく。

 機会には明らかに劣るニューカッスルは前半の中盤からプレスを巻き直す形で試合の構図を変えにかかる。しかしながら、パレスはしつこいくらいのやり直しを繰り返すことでこれを回避。中盤より前で奪うというボール奪取の構図も効いておりなかなか主導権を渡さない。

 それでもようやく35分付近からニューカッスルも巻き返し。ゴードンがリチャーズに警告を受けさせるなど、少しずつ押し返していく。

 主導権をめぐる鍔迫り合いは後半も継続。パレスは奪った後のWBの大外抜け出しアクション、ニューカッスルはより直線的なDFラインの背後を狙う形からチャンスを作っていく。

 この綱引きを制したのはパレス。トランジッションからフリーになったエゼが差し込んだ縦パスから中央攻略が発動。エゼを起点としてマテタとアイェウのコンビネーションからゴールを奪う。

 このゴールからエゼが前節の流れを引く形で猛威を振るうように。これでこの試合の主導権は完全にパレスで決着した感があった。ニューカッスルも無抵抗だったわけではなく、選手交代でオープンさを増して、リチャーズの背後を前線が狙い撃ちするなど、アプローチを整理しながらゴールに向かっていくが、なかなかシュート数は増えていかない。

 そんなニューカッスルを尻目にパレスは追加点をゲット。左サイドをシュラップとヒューズが崩し切ってマテタがこの試合2点目。完全に試合を決める。

 勢いは今節も継続したパレス。強敵相手の3連勝で完全にグラスナー体制は軌道に乗ったと言えるだろう。

ひとこと

 エゼとかウォートンがすごいのはそうなんだけど、ヒューズとかがよく見えているのがいいサッカーをしている証拠だと思う。

試合結果

2024.4.24
プレミアリーグ 第29節
クリスタル・パレス 2-0 ニューカッスル
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:55′ 88′ マテタ
主審:トーマス・ブラモール

マンチェスター・ユナイテッド【6位】×シェフィールド・ユナイテッド【20位】

キャプテンが導く逆転劇

 ボール保持がベースになるのはマンチェスター・ユナイテッド。ブレイズの5-3-2に対して構造的に空きやすい2トップの脇からの前進を狙う。純粋にSBがここを使うこともあったし、マグワイアが少し開いてここに立つこともあった。

 ここから左右に大きく相手を動かしながら、サイドから突っついていく形を狙っていくマンチェスター・ユナイテッド。攻めの軸となっているのはガルナチョとアントニーの両WGである。ここからの侵入は少し手間取った印象。ガルナチョがインサイドに入り込んでの決定機を作るまでに22分かかった。

 ブレイズは序盤こそマンチェスター・ユナイテッドとの構造のずれを使ったショートパスの前進が見られていたが、時間の経過とともにブレアトンのロングボールを軸としたビルドアップにシフト。押し込まれる時間が長いので、相棒のアーチャーは自陣側のブロックに吸収されて、前線にはブレアトンを残す形になっていく。

 苦しい状況と見られたブレイズだが、機を見たハイプレスから先制。オナナのパスミスを見逃さなかったボーグルが1人速攻を完結。貴重な先制ゴールを奪う。

 ビハインドとなったマンチェスター・ユナイテッドだが、前半のうちに同点に追いつく。困った時のマグワイアのセットプレーは今日も健在だった。

 後半もボール保持でベースを握ろうとするマンチェスター・ユナイテッドに対して、ブレイズが高い位置からの阻害で得点をゲット。ボールを奪い取ると左サイドから素早くクロスを上げて、これをブレアトンが仕留めて再びリードを奪う。

 だが、再びこれをセットプレーでひっくり返すマンチェスター・ユナイテッド。安易なトラスティのファウルでPKを献上してしまい、ブルーノの一撃によって同点に追いつかれてしまう。

 以降は主導権の握り合いとなった一戦だったが、終盤は流石に地力の差が出た印象。キーマンになったのはブルーノである。ブロックの外から全てを壊す一撃でリードを奪うと、裏への抜け出しからホイルンドのゴールを導き出して4点目をアシスト。頼れるキャプテンの活躍でブレイズを引き離す。

 フォデリンガムは最後まで頑張っていたが、それでも終盤に垂れてしまって4失点というのは今のブレイズの課題だろう。苦しみながらもブレイズを退けたマンチェスター・ユナイテッドが欧州カップ戦出場権獲得に前進した。

ひとこと

 キャプテン、さすがでございました。フォデリンガムも報われて欲しかったけども。

試合結果

2024.4.24
プレミアリーグ 第29節
マンチェスター・ユナイテッド 4-2 シェフィールド・ユナイテッド
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:42′ マグワイア, 61′(PK) 81′ ブルーノ・フェルナンデス, 85′ ホイルンド
SHU:35′ ボーグル, 50′ ブレアトン
主審:マイケル・サリスベリー

エバートン【16位】×リバプール【2位】

立ちはだかる青き隣人がタイトルレースの大きな障害に

 アーセナルが前日にロンドン・ダービーを制し、プレッシャーがかかった状態で試合に臨むリバプール。迎えるはこちらもダービー。グディソン・パークでのエバートン戦を迎える。

 いつも通り、保持でペースを握ったのはリバプール。右SBのアレクサンダー=アーノルドのインサイドに絞るアクションから対角、裏などピッチを縦横に広く使うアプローチで敵陣に迫っていく。前線3枚のレーン入れ替えがいつもより積極的だったのは少しいつもと違うところだったかもしれない。

 一方のエバートンは右サイドを縦に進む形から素早くカウンターで対抗。手前のゾーンでのギリギリの跳ね返しやオフサイドでなんとかことなきを得るが、リバプールの右サイドのユニットはエバートンから少ない手数で放たれるクロスに少し手を焼いていた印象だった。

 先制したのは手数的には劣っていたエバートン。セットプレーからの処理を誤ったマック=アリスターのミスを咎めたのはブランスウェイト。不安定なリバプールのボックス対応をついてスコアを動かしてみせた。

 追いかけるリバプールは少し焦って早めにクロスを入れるようになっていたが、これはエバートンの得意分野。それにリバプールもすぐに気づき、手数をかけたプレーからのチャンスメイクが増えるように。特に右に流れるディアスのアクションは特徴的であり、効果的でもあった。ヌニェスの決定機をはじめとして少なからず決定的なチャンスがあったリバプールだが、ピックフォードのセーブが立ちはたがり同点には至らず。ハーフタイムはエバートンのリードで迎えることとなった。

 後半も保持はリバプールの手の中に。前半に比べると左サイドもバランスよく使う形でボックスに迫っていく。エバートンはマイコレンコが負傷でHTにヤングにチェンジ。順調な出来のバックラインに変更があったのは気になるところである。

 押し込まれて前半以上に危険な場面が増えるエバートン。しかしながら、ドゥクレの推進力を活かしたドリブル、キャルバート=ルーウィンの空中戦の優位など反撃の手段はいくつかある状況。そうした中でセットプレーから再び追加点。ファーサイドを狙うエバートンのセットプレーでお馴染みの形から決めたのはキャルバート=ルーウィン。今季はフィニッシュワークで極度の不振に陥った9番がリバプールを追い詰める。

 流れを変えたいリバプールは選手交代で工夫を凝らすが、交代直後の遠藤が守備で危うい場面を見せるなどリズムとしてはイマイチ。それでも左サイドのディアスを軸にエバートンゴールをこじ開けにかかるリバプール。しかしながら、枠を捉えることができないシュートとピックフォードの安定したハイボール処理により、なかなか試合を動かすことできない。締めとなったのはサラーにボレーに対するピックフォードのスーパーセーブ。ゴールに鍵をかけ続けてきた守護神はリバプールに追撃弾を与えることさえ許さなかった。

 ラストシーズンでのリーグ制覇を目指すリバプールに立ちはだかったのは青い隣人。ソリッドなエバートンに絡め取られたリバプールは重たすぎる一敗を喫することとなった。

ひとこと

 キャルバート=ルーウィンとピックフォードのあたりを引いてしまった部分は不運だったリバプールだったが、それを差し引いても疲労の色はかなり濃く、得意の逆転劇が起きる前兆が見えなかった。

試合結果

2024.4.24
プレミアリーグ 第29節
エバートン 2-0 リバプール
グディソン・パーク
【得点者】
EVE:27′ ブランスウェイト, 58′ キャルバート=ルーウィン
主審:アンディ・マドレー

ブライトン【10位】×マンチェスター・シティ【3位】

亜流のマンツーベースを問題なく破壊

 ブライトンの対シティ戦といえばマンツー殺法である。ブライトンのシティ相手のマンツー殺法として天敵になるのはエデルソン→ハーランドのライン。だが、この日はハーランドが不在。ブライトンからすれば絶好のマンツー日和という感じである。

 しかしながら、ブライトンは少しオーソドックスから外したハイプレスを敢行した。人基準で受け渡しをしているのは確かなのだけども、どこまでもついていく!といういつもの風情とは異なる感じ。マーカーが極端に降りるアクションを見せるとあっさりと離して前線に受け渡してしまう。特にブライトンの中盤と前線でこのマーカーの交換は行われがちであった。

 これによってブライトンの陣形はコンパクトに保たれる。例えば、マンツー外しのシティの一手目はベルナルドが最終ラインまで落ちる動きなのが王道だが、ブライトンのこの日の動きを基準に考えるのならば、ベルナルドが動こうと陣形には影響がない。

 しかしながら、シティはこれに解決策を早々に見出す。ブライトンからすれば降りて受ける動きは無視しやすいけども、逆に一回ブロックの手前に降りてから中盤に入り込む形は解決策が作りにくいのがこのやり方の欠点である。ブライトンの前線はこの日の基準通り、上がる選手に対してはマークを後方に受け渡すのだけども、後方の選手はすでにマークを持っている場合があると当然受け取ることができない。

 この構造に気付いたコバチッチが列上げのアクションを始めると、シティの選手はこぞってこの形を作り出すように。これでシティはブライトンの攻略法に気付いた感があった。デ・ブライネの先制点に繋がったモデルの外し方は単なるミスの感じもあったが、これ以降は構造的に殴られている感が満載となったブライトン。シティはフォーデンの直接FKで早くも2点目を決める。

 ブライトンにとってきつかったのは保持での前進ができなかったこと。自陣からのつなぐアクションを行っていくのだが、後ろの陣形が重たい影響でなかなか前に進むことができず。シティのプレスの呼水になった。

 シティはこのハイプレスから3点目をゲット。試合をほとんど前半のうちに決めてしまう。

 後半も構造は同じ。ブライトンはプレスを強めて強気のスタンスを見せるが、なかなか試合の流れを変えることができない。前線への長いパスを増やすアプローチは行っていたものの、なかなか際どい接触でPKをとってもらえず苦戦が続く。

 シティはそうこうしているうちにアルバレスがダメおしの4点目をゲット。少し苦しんでいた本人にとっては大きなゴールになるだろう。

 難所と見られたアウェイも難なく攻略したシティ。またしても大量得点で潜在的首位をキープとなった。

ひとこと

 ブライトン、ハーランドいないならもっとマンツー殺法よりでも良かった感。

試合結果

2024.4.25
プレミアリーグ 第29節
ブライトン 0-4 マンチェスター・シティ
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
Man City:17′ デ・ブライネ, 26′ 34′ フォーデン, 62′ アルバレス
主審:ジャレット・ジレット

今節のベストイレブン

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