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「Catch up Premier League」~Match week 29~ 2024.3.16-3.17 etc

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バーンリー【19位】×ブレントフォード【15位】

全てを投げ打った10人相手の防波堤

 立ち上がりにボールを持つ立ち位置になったのはバーンリー。ボールを動かしつつ、受けて跳ね返す構えのブレントフォードに対して、構造的に空きやすいサイドからボールを動かしながら勝負を仕掛けていく。

 ボックス内での跳ね返しのフェーズは得意なはずのバーンリーだが、あっさりとミスをしてしまったのはレギロン。裏を取られたヴィチーニョを後ろから引き倒してしまいPK献上と退場のコンボ。80分以上を残して数的不利に陥ってしまう。

 10人になったことでブレントフォードは高い位置からのプレッシングをスタート。自陣に引きこもるよりもハイプレスという捨て身の手段を取ることを選ぶ。

 このプレッシングはシンプルにバーンリーに効いていた。バックラインの時間を奪われたバーンリーは一気にポゼッションが不安定に。オシェイのバックパスなどあわや!という場面も出るようになり、数的優位に経ってから逆に押し込まれる立ち位置になってしまう。

 それでもなんとか右サイドから奥をとることからのチャンス構築に成功したバーンリー。しかしながら、この決定機をフォファナが決めきれずにリードを広げる決定機を逃してしまう。

 後半の頭は再びペースを握ったのはバーンリー。4-3-2のブレントフォードに対して、サイドからボールを運ぶことで安定したポゼッションから押し込む展開に持ち込むことに成功する。

 追いかけたいブレントフォードはローアスリウとジャネルトが負傷。逆に開き直ってアタッカーを増員するというのはこの試合のトーマス・フランクらしい強気なプランである。

 少しずつ前に出てくるブレントフォードに対して、バーンリーはカウンターからひっくり返す形で追加点をゲット。リベンジのフォファナがゴールを仕留めてさらにリードを広げる。

 しかしながら、ここからはアタッカーを増員したブレントフォードの独壇場。10人であることを忘れる猛攻で左右からのクロス爆撃からガンガン仕掛けていく。圧をかけた一撃で1点差に迫ると勢いはさらに増すことに。

 ネットを揺らしながらもトニーのファウルで取り消しになるなど、ムリッチにとってはギリギリの戦いが続くことに。コンパニもアムドゥニのインアウトを使って中盤を強化するなど、手段を選ばない形で防衛策をとる。

 10人のブレントフォードに意地を見せたバーンリーが紙一重の逃げ切りに成功。悲願の勝ち点3を手にした。

ひとこと

 アムドゥニのインアウト、失敗したら全てを失ってしまいそうな交代策だったので実って良かったという気持ち。

試合結果

2024.3.16
プレミアリーグ 第29節
バーンリー 2-1 ブレントフォード
ターフ・ムーア
【得点者】
BUR:10′(PK) ラーセン, 62′ フォファナ
BRE:83′ アイェル
主審:ダレン・ボンド

ルートン・タウン【18位】×ノッティンガム・フォレスト【17位】

ミラクル属性の再来

 残留争いに食い込みそうな雲行きが怪しいクラブがいくつかある昨今のプレミアリーグだが、ルートンが勝ち点を積み上げないことには戦いの火蓋は切って落とされないという状況。ミッドウィークに3点差をひっくり返された試合からのリバウンドメンタリティも試される一戦だ。

 高い位置からプレスをかけてくるフォレストに対して、ルートンのリアクションは悪くはなかった。サイドから運びつつ、ミドルという流れでチャンスを作るルートン。自身を代表に呼ばなかったサウスゲートに見せつけるかのようなミドルをガンガン打ちまくっていたバークリーが印象的だった。

 一方のフォレストも前節から新しい武器に加わった右のオリギのトランジッションから盛り返していく。だが、どちらのチームもサイドからの攻撃の仕上げが雑でなかなかボックス内にチャンスを供給できてはいなかった。

 少しずつ攻撃で風向きを変えたのはフォレストの方。左サイドからギブス=ホワイトやエランガがルートンのバックラインの裏を完全に取る形からチャンスを作る。カボレのファウルやバークのギリギリのクリアから事なきを得るが、フォレストは明らかにワンランクゴールに迫ったシーンだった。

 流れに乗ったフォレストはそのまま先制点をゲット。右サイドにフローしたイエーツから深さをとると、そのギャップを利用したウッドがゴールを決めて先制。ルートンの守備陣のナイーブな対応にうまくフォレストの攻撃陣が漬け込んだ形となった。試合はフォレストのリードでハーフタイムを迎える。

 後半も大まかな展開は同じ。プレスに出ていくフォレストは攻守に主導権を握りにいく展開。ルートンはトランジッションから反撃を狙っていくが、やはり相手の守備網にクリティカルなダメージを与えることができているのはフォレスト。ギリギリクリアコレクションにメンジが加わり、なんとか追加点を許さずに粘る。

 だが、タクティカルかアクシデンタルかわからない理由でハーフタイムにダウティーがいなくなり、後半にはラドックが負傷で交代するなどで選手を入れ替えたルートンは入れ替えるたびにパワーダウン。タウンゼントのクロスの精度を見ていると、残念ながら序列が下がったのも納得の出来であった。

 フォレストはウッドの負傷に伴い、5バックに移行してきっちりと自陣を固める。慣れない5バック崩しを強いられるルートンは攻略の突破口を見出せない状況が続く。

 このまま試合は終わるかと思われたが、得点の気配がなかったルートンはセットプレーから追いつく。パレス戦のウッドローに続くミラクル属性を発揮したのはベリー。投入後、即仕事をしたベリーの活躍により、今節もルートンは1ポイントをゲット。なんとか痛み分けに持ち込んだ。

ひとこと

 フォレスト、2点目を入れて試合を終わらせたかったところだが。

試合結果

2024.3.16
プレミアリーグ 第29節
ルートン・タウン 1-1 ノッティンガム・フォレスト
ケニルワース・ロード
【得点者】
LUT:90′ ベリー
NFO:34‘ ウッド
主審:ダレン・イングランド

フラム【12位】×トッテナム【5位】

出足で先をいったフラムがトッテナムに完勝

 アストンビラとの4位争いを制したトッテナム。ようやく成し遂げた連勝をさらに伸ばし、ここからなんとか上位を追走していきたいところである。

 ポゼッションを行っていたのはトッテナム。フラムの2トップの脇からボールを運ぶトライをしていく。高い位置からのプレッシングにも積極的。フラムのCBやGKへも前線は捕まえにいくアクションを欠かさず、支配的なチームの振る舞いを狙う立ち上がりとなった。

 だが、この振る舞いはあまりハマっていなかったように思えた。フラムのコンパクトな4-4-2はトッテナムの縦パスを寸断し続けた。バッシー、パリーニャあたりが大暴れするのは平常運転だとしても、ルキッチあたりも潰し屋として機能していたのは大きい。

 ならばトッテナムは裏を狙えば?と思うのだが、こちらもフラムの守備陣を前に苦戦。SBのロビンソンは背後のケアとクルゼフスキに反転をさせないように高い位置からのプレッシャーを両立。表でも裏でもトッテナムに自由を与えなかった。

 トッテナムのプレッシングに対してもフラムは難なく対応。左右に動かしながらトッテナムのプレスをいなす。前線ではパスの預けどころにボールを収めて、後方からの攻め上がりで厚みを出す。最も印象的な働きをしていたのはイウォビ。ためを効かせてSBの攻め上がりを生かす場面と、縦に急いで攻撃を加速させる場面の使い分けが見事。ウィリアン、ムニスなど前線にはあらゆるターゲットがボールを収めて、トッテナムのプレスを無効化する。

 割と一方的にやられていたトッテナムだが、30分手前に少しずつ押し返すことに成功。左サイドの奥を取ることでソンとマディソンは決定的なシュート機会を作る。しかしながら、フラムもその間はカウンターで応酬。試合は撃ち合いとなる。

 どちらにも決定機が生まれた中で先行したのはフラム。左サイドからのクロスをムニスが仕留めてようやくスコアを動かしたところでハーフタイムを迎える。

 後半も左右からのクロスの乱れ打ちで主導権を握るフラム。開始早々にピンチを迎えたトッテナムはハイプレスで高い位置から捕まえにいくが、イウォビへの展開からプレスを脱出したフラムはニアに飛び込んだルキッチのゴールで追加点。リードを広げる。

 トッテナムは保持から巻き返しを図りたいところだが、ミドルゾーンでボールを詰まらせてしまい苦戦。この辺りはフラムが明らかに出足で上回っていた部分。中盤でのボールダッシュから前線への飛び込みまであらゆる局面でトッテナムの先をいく。

 その優劣は追加点にも反映。フラムのセットプレーからのチャンスはこぼれ球となったが、これをムニスが仕留めてリードは3点となる。

 3点のビハインドとなったものの、トッテナムは以降にハーフスペース突撃からの速いクロスでチャンスを手にする場面も。時間帯的にもこのタイミングで追撃弾を手にしていればトッテナムにはまだ勝ち点を奪うチャンスがあったように思える。

 だが、この時間帯を凌がれたトッテナムは以降もチャンスを決めることができず結局無得点のままでクローズ。連勝を3に伸ばすことは叶わなかった。

ひとこと

 ムニスとかパリーニャは当然としてルキッチとかロビンソンの出来がとてもいい日だった。

試合結果

2024.3.16
プレミアリーグ 第29節
フラム 3-0 トッテナム
クレイブン・コテージ
【得点者】
FUL:42′ 61′ ムニス, 49′ ルキッチ
主審:ロベルト・ジョーンズ

ウェストハム【7位】×アストンビラ【4位】

サイドの抉り合いを経ての痛み分け

 高い位置からプレスをかける立ち上がりとなったのはウェストハム。ややメンバーを代えた中盤で前からのプレッシングを積極的に行っていく。

 アストンビラは高いラインを保つウェストハムの中盤の背後を狙っていく。ワトキンスやデュランといった起点となる選手に縦パスを入れようと左右に動かしながら縦パスのルートを探す。しかしながら、ウェストハムのハイプレスが序盤は優勢。高い位置からのショートカウンターでアストンビラのゴールに迫る。

 10分が過ぎたところから少しずつ形勢は変化。パウ・トーレスを先導役として、縦パスのコースが見つかるようになり、ウェストハムのプレスのラインをどんどん押し下げていく。

 ただ、押し込まれてもこの試合のウェストハムは反撃の手段を持っていた。ボーウェン、クドゥスといったWGからSBの背後を取る形から陣地回復に成功。サイド攻撃から押し返していく。先制ゴールはシンプルなクロスをダイナミックにネットに叩き込んだアントニオ。半年以上空いたリーグ戦のゴールをついに決める。

 それ以降も保持ベースで解決策を探るアストンビラ。だが、ウェストハムもサイドから押し下げる形とGK付近にボールを集めるセットプレーからチャンスを作っていく。前半は1-0のスコアを維持したままでハーフタイムを迎える。

 迎えた後半、先に攻め手を見つけたのはウェストハム。サイドを抉るようなWGの縦方向の突破からセットプレーを奪うと、前半から行っていたGKに詰めるCKからネットを揺らす。だが、これはハンドの判定。リードを広げることができない。

 優勢だったウェストハムに対して、アストンビラは押し込みながらも苦戦。サイドの背後を取られるカウンターに苦しむ展開となる。左サイドの縦のユニットを入れ替えもしたが、中心になったのは右サイド。ベイリーとキャッシュというコンビに加えて、HTに投入されたディアビもここに絡み、打開を狙う。

 事態が好転しつつあったのは縦方向への突破からの鋭いクロスを使うようになってから。追い越すキャッシュはもちろん、ベイリーやディアビも縦に抜ける動きを行うことで徐々にウェストハムのサイドを破ることができるように。同点弾に飛び込んだのは左のSHのザニオーロ。右で壊すという設計に忠実にボックス内で仕事を果たした。

 終盤はカウンターからチャンスを迎えたウェストハム。ウォード=プラウズは決定機を仕留めることができず。さらには最終盤に強引に押し込んだソーチェクも再びハンドでゴールは認められず。

 後半は主導権が目まぐるしく入れ替わる展開となったこの試合。最終的には引き分けで勝ち点1を分け合う結果となった。

ひとこと

 サイドを縦に進むことのしばき合いが続いた後半だった「。

試合結果

2024.3.17
プレミアリーグ 第29節
ウェストハム 1-1 アストンビラ
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:29′ アントニオ
AVL:79′ ザニオーロ
主審:ジャレット・ジレット

アーセナル【1位】×チェルシー【9位】

ひとこと

試合結果

2024.4.23
プレミアリーグ 第29節
アーセナル – チェルシー
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:
CHE:
主審:

ウォルバーハンプトン【位】×ボーンマス【位】

ひとこと

試合結果

2024.4.24
プレミアリーグ 第29節
ウォルバーハンプトン – ボーンマス
モリニュー・スタジアム
【得点者】
WOL:
BOU:
主審:

クリスタル・パレス【位】×ニューカッスル【位】

ひとこと

試合結果

2024.4.24
プレミアリーグ 第29節
クリスタル・パレス – ニューカッスル
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:
NEW:
主審:

マンチェスター・ユナイテッド【位】×シェフィールド・ユナイテッド【位】

ひとこと

試合結果

2024.4.24
プレミアリーグ 第29節
マンチェスター・ユナイテッド – シェフィールド・ユナイテッド
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:
SHU:
主審:

エバートン【16位】×リバプール【2位】

立ちはだかる青き隣人がタイトルレースの大きな障害に

 アーセナルが前日にロンドン・ダービーを制し、プレッシャーがかかった状態で試合に臨むリバプール。迎えるはこちらもダービー。グディソン・パークでのエバートン戦を迎える。

 いつも通り、保持でペースを握ったのはリバプール。右SBのアレクサンダー=アーノルドのインサイドに絞るアクションから対角、裏などピッチを縦横に広く使うアプローチで敵陣に迫っていく。前線3枚のレーン入れ替えがいつもより積極的だったのは少しいつもと違うところだったかもしれない。

 一方のエバートンは右サイドを縦に進む形から素早くカウンターで対抗。手前のゾーンでのギリギリの跳ね返しやオフサイドでなんとかことなきを得るが、リバプールの右サイドのユニットはエバートンから少ない手数で放たれるクロスに少し手を焼いていた印象だった。

 先制したのは手数的には劣っていたエバートン。セットプレーからの処理を誤ったマック=アリスターのミスを咎めたのはブランスウェイト。不安定なリバプールのボックス対応をついてスコアを動かしてみせた。

 追いかけるリバプールは少し焦って早めにクロスを入れるようになっていたが、これはエバートンの得意分野。それにリバプールもすぐに気づき、手数をかけたプレーからのチャンスメイクが増えるように。特に右に流れるディアスのアクションは特徴的であり、効果的でもあった。ヌニェスの決定機をはじめとして少なからず決定的なチャンスがあったリバプールだが、ピックフォードのセーブが立ちはたがり同点には至らず。ハーフタイムはエバートンのリードで迎えることとなった。

 後半も保持はリバプールの手の中に。前半に比べると左サイドもバランスよく使う形でボックスに迫っていく。エバートンはマイコレンコが負傷でHTにヤングにチェンジ。順調な出来のバックラインに変更があったのは気になるところである。

 押し込まれて前半以上に危険な場面が増えるエバートン。しかしながら、ドゥクレの推進力を活かしたドリブル、キャルバート=ルーウィンの空中戦の優位など反撃の手段はいくつかある状況。そうした中でセットプレーから再び追加点。ファーサイドを狙うエバートンのセットプレーでお馴染みの形から決めたのはキャルバート=ルーウィン。今季はフィニッシュワークで極度の不振に陥った9番がリバプールを追い詰める。

 流れを変えたいリバプールは選手交代で工夫を凝らすが、交代直後の遠藤が守備で危うい場面を見せるなどリズムとしてはイマイチ。それでも左サイドのディアスを軸にエバートンゴールをこじ開けにかかるリバプール。しかしながら、枠を捉えることができないシュートとピックフォードの安定したハイボール処理により、なかなか試合を動かすことできない。締めとなったのはサラーにボレーに対するピックフォードのスーパーセーブ。ゴールに鍵をかけ続けてきた守護神はリバプールに追撃弾を与えることさえ許さなかった。

 ラストシーズンでのリーグ制覇を目指すリバプールに立ちはだかったのは青い隣人。ソリッドなエバートンに絡め取られたリバプールは重たすぎる一敗を喫することとなった。

ひとこと

 キャルバート=ルーウィンとピックフォードのあたりを引いてしまった部分は不運だったリバプールだったが、それを差し引いても疲労の色はかなり濃く、得意の逆転劇が起きる前兆が見えなかった。

試合結果

2024.4.24
プレミアリーグ 第29節
エバートン 2-0 リバプール
グディソン・パーク
【得点者】
EVE:27′ ブランスウェイト, 58′ キャルバート=ルーウィン
主審:アンディ・マドレー

ブライトン【位】×マンチェスター・シティ【位】

ひとこと

試合結果

2024.4.25
プレミアリーグ 第29節
ブライトン – マンチェスター・シティ
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BHA:
Man City:
主審:

今節のベストイレブン

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