主力温存のソシエダがパワーに屈する
CLのパリ・サンジェルマン戦を目前に控えるソシエダはターンオーバーを敢行。久保を始めとして主力の数人をベンチからのスタートとした。
それでもセビージャ相手にはボールを持つことは可能。5-3-2で受けるセビージャに対してはサイドからのキャリーは容易であり、押し込むだけであれば特に問題はなさそうだった。
ただ、この日は3トップがいつもと異なる面々。久保のように大外を取って仕掛けるようなキャラクターは皆無。ということでとっとと前線に放り込むというソシエダらしくないソリューションから解決策を探っていくスタンスだった。サディクはいつもであればボックス内でターゲットをやっているのだが、前進の役割も担うということでテンションが上がっていたのか、動き回ってはよくわからないロストでピンチを招くなど大暴れしていた。
そもそも、セビージャのバックスはいずれも屈強なので単純な放り込みが効果的かどうかも怪しいところ。押し込むソシエダよりも跳ね返してカウンターに移行するセビージャの方が有効打を打てていたように思う。
基本的にはシンプルな2トップを目がけてのカウンター。だが、ナバスの横ドリブルからの2トップの裏抜けを見せるなど、定点攻撃の中からでもチャンスメイクを見せていた。
セットプレーで先制したのはセビージャ。2次攻撃からの放り込みをエン=ネシリが押し込んで先行する。すると、2分後にはカウンターから再びエン=ネシリ。あっという間に2点のリードを奪う。
それでも前半の内にソシエダも反撃。シルバへのロングボールからPKを獲得し、点差を1点に縮める。
後半も大きく展開は変わらず。ソシエダのベンチには放り込みに傾倒する状況を変えられるカードが揃っていたのだが、あくまで優先度が高いのは次の試合ということだろう。ということで後半も引き続き苦手な放り込み合戦に傾倒したらしくない展開を続けることに。前半よりは横幅を使ったパスワークも見られたが、セビージャの2トップと3センターを上回るスライドを見せることができないまま攻撃は停滞する。
するとセビージャはまたしてもセットプレーからゴールをゲット。セルヒオ・ラモスがゴールを仕留めて再びリードは2点に広がる。ソシエダとしては競り合いの弱さが響く失点となってしまった。
後半追加タイムにメンデスが意地の一撃を見せるが、反撃はここまで。主力温存のソシエダはセビージャのパワーの前に屈してしまった。
ひとこと
正直、この試合に限らず全然状態は上がっていないように見えるのだが、大一番を前にどこまでパフォーマンスを引き出すことができるのだろうか。
試合結果
2024.3.2
ラ・リーガ
第27節
セビージャ 3-2 レアル・ソシエダ
エスタディオ・ラモン・サンチェス・ピスファン
【得点者】
SEV:11‘ 13‘ エン=ネシリ, 65′ ラモス
RSO:45+5‘(PK) シルバ, 90+2′ メンデス
主審:ブスケッツ・フェレル