両守護神の活躍が導くスコアレスドロー
すでに今季のリーグアンの優勝争いは終戦ムード。2位のブレストにこの前節終了時点で2桁の勝ち点差をつけているパリにとってみれば、3位のモナコ相手のアウェイゲームとは言え、意識が週末に向くのは当然のことだろう。
モナコは非常に精力的なスタートだった。前から捕まえに行くプレッシングと4-4-2で構える形を併用。バログンがスイッチを入れた時には前線がきっちり連動して相手を捕まえにいっていた。
プレッシングがハマると素早く攻撃に出ていくモナコ。2人のFWと2人のSHが絡む形で少ない手数で攻撃を完結させる。南野は左サイドで存在感。得意のファストブレイクはもちろん、左サイドにおける裏を取るアクションからより静的なフェーズでギャップを作る動きを見せていた。
左サイドではバログンも躍動。対面するムキエレ相手であればロングボールは勝てる情勢であり、収めるだけでなく抜け出し切る形を作ってのチャンスメイクに貢献した。パリとしてはカウンターも含めて同数で受けるとこのバックスの強度は怪しいという感じだった。その後方に構えていたドンナルンマは鬼だったけども。
モナコのいい場面ばかり述べてきたが、試合がモナコのワンサイドゲームだったかといわれるとそうでもない。モナコのプレスはMFまでは前線に追従できていた感じがあったが、その後方のキャッチアップは怪しくMF-DF間に穴が開いていた。
よって、このスペースまで運べばパリは自在に攻撃を仕掛けることができる。プレスをかいくぐるフェーズはパリが得意な部分。モナコのプレスを裏返しての前進も充分に可能であった。特にハキミはビルドアップ関与から列移動でアタッキングサードに加わるのがうまい。サイドを変える横断だけでなく、右サイドの奥行きを取るような攻撃が成立していたのはハキミのフォローによるところが大きいのだろう。
ムバッペがおそらく予定通りの早退を敢行する中で迎えた後半、パリは保持から少しずつギャップを作り出していく。モナコの右のSHを釣りだしてそこからのギャップを生かして侵入をするパリ。前半途中から投入されたバルコラを軸に左サイドから攻め筋を探していく。
中央ではヴィチーニャが見事。受けに回るとまずいと感じ、プレスに出てきたモナコの背後に忍び、縦パスを引き出すところからのチャンスメイクに成功。モナコのプレスが前半以上に刺さることがなかったのは彼の貢献が大きい。
それでも後半はマイェッキがファインセーブで無失点を死守。前後半ともに守護神の活躍が光った試合はドローで決着することとなった。
ひとこと
モナコの前線のユニットは結構好き。
試合結果
2024.3.1
リーグアン
第24節
モナコ 0-0 パリ・サンジェルマン
スタッド・ルイ・ドゥ
主審:ルディ・プケ