■後半は思いがけない大差に
ホームということもあり、レンジャーズは積極的なプレッシングでスタートを切ったと言えるだろう。高い位置から人を捕まえにいく形でリバプールのバックラインに圧力をかける。
唯一、レンジャーズが放置していたのはボールサイドと逆側のSBである。SHがCBにプレスに行った際にはSBが高い位置にスライドして、出ていく時間を稼げれば相手を捕まえにいけるといった感じである。
このレンジャーズのプレスはリバプール相手にうまくはまっていたと言えるだろう。ショートパスを使ってはいるが、なかなか脱出することができずに苦戦。SHのエリオット、カルバーリョがインサイドに入り込むことで、中央にポイントを増やす形で前進のルートを確保できてはいたが、アタッキングサードにおいて狭い幅になってしまう問題を助長してしまうという部分もあった。
レンジャーズの保持に対してはリバプールは前からプレスにいくが、ホルダーとの物理的な距離の遠さをやや感じる。そのため、レンジャーズに前線への長いボールで前進しての陣地回復を成功されるケースもしばしば。横にボールを振りながら狙い所を探っていたレンジャーズはツィミカスのサイドを狙い撃ちにしながら敵陣方向に一気に押し下げていく。
先制点を得たのはレンジャーズ。見事なショートカウンターからアーフィールドが決めてホームスタジアムを熱狂の渦に陥れる。しかし、リバプールはすぐさま同点。セットプレーからフィルミーノが同点弾を決める。
だが、先制点の勢いを持続できたレンジャーズの方が前半は優勢。それだけに後半の展開は少々意外なものだったと言えるだろう。
後半早々にカウンターからゴメスのサポートを受けたフィルミーノが勝ち越しゴールをゲットする。さらにファビーニョが奪ったところからヌニェスが追加点。得点で勢いが出たリバプールはここからさらにプレスを増してレンジャーズに一気に圧力をかけていく。
レンジャーズに過剰と言えるほどのとどめを刺したのは交代で入ったサラー。途中交代で入ってきたサラーは75分から81分の6分間であっという間にハットトリックを決めてみせる。手早い攻撃が冴え渡ったリバプールがボーンマス戦以来の今季の憂さ晴らし大量得点ゲームに持ち込んでいく。
仕上げの7点目を決めたのはエリオット。均衡、やや劣勢気味だった前半はどこ吹く風。後半は手早い攻撃とプレスでレンジャーズを飲み込んだ7得点で久しぶりの大勝を飾った。
試合結果
2022.10.12
UEFAチャンピオンズリーグ
Group A 第4節
レンジャーズ 1-7 リバプール
アイブロックス・スタジアム
【得点者】
RAN:17′ アーフィールド
LIV:24′ 55′ フィルミーノ, 66′ ヌニェス, 75′ 80′ 81′ サラー, 87′ エリオット
主審:スラブコ・ビンチッチ