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「Catch up AFC Champions League」~2024.3.13 AFC Champions League Quarter-final 2nd leg 横浜F・マリノス×山東泰山 ハイライトレビュー

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一瞬の緩みでスタイルに立ち返った横浜FMが史上初のベスト4に

 山東のホームでは1点差での勝利を手にした横浜FM。ここまでの状況は前のラウンドにおける川崎と全く同じ。ホームできっちりと逃げ切りクラブ史上初のベスト4進出を決めたいところである。

 立ち上がりから勢いよく入ったのはホームの横浜FM。前線への縦パスからのポストに対して、後方からIHとSBがガンガン突撃していき、一気にフィニッシュまで持っていく。保持の頻度は多く、1回の攻撃における厚みも十分。さらにはかなり前傾姿勢にも関わらず、やばいひっくり返され方をしていないという点を考えると順調な入りだったと言えるだろう。

 一方の山東はスタメン復帰した前線のクリサンへのロングボールをベースにスタート。それだけだと少し単調になるので、横浜FMのWGの背後、アンカーの両脇など相手の布陣の穴が空いているところを目掛けて繋いでいる形も織り交ぜているのが印象的だった。

 勝負できるポイントとしてはクリサン以外では右サイド。対角のフィードから右のフェルナンジーニョを活用する1on1からボックス内に勝負を仕掛けていく。30分過ぎからはこのサイドからの押し下げで徐々に山東が横浜FMを追い詰めていく。両サイドからのドリブルとファーサイドへのクロスの掛け合わせに対して、横浜FMはなんとか跳ね返しができる状況に追い込まれる。

 横浜FMは反撃のロングカウンターを打つが、3トップで完結する序盤に比べると厚みのない攻撃が続く。それでも敵陣まで運べるのはさすがなのだけども、3トップのプレーセレクションも含めてこのロングカウンターだけで山東のゴールを脅かせているかは微妙だった。さらにはヤン・マテウスの負傷で前半から横浜FMは宮市を投入することに。スコアレスながらなかなか難しい戦いを強いられている前半だったと言えるだろう。

 後半も横浜FMは一筋縄では行かない展開に。立ち上がりにアクシデンタルな接触から永戸が一発退場。いきなり横浜FMは10人の戦いを強いられることになる。宮市をSBにおく4-4-1を経由し、最終的には山根と渡邊を投入し、アンデルソン・ロペスを頂点におく5-3-1(4-3-2とのハーフっぽくも見える)に。ロングカウンターを軸として押し込まれる戦いを覚悟する布陣に移行する。

 山東は一気に攻撃を仕掛けていく。特に効いていたのはポスト役の人に当てて、追い越す選手に落とすもしくは逆サイドに展開する形。後ろに重い横浜FMの布陣ではあったが、追い越す選手をチェックするところや逆サイドまでは手が回らなかった。ミドルシュートが時折見られたのもイタズラにラインを下げることにブレーキをかける要素だったはずである。

 しかしながら、決定機を決めきれない山東。フェルナンジーニョの交代のタイミングで一瞬攻勢が緩んだところを横浜FMは見逃さなかった。人数をかけたラインアップで少しずつ重心を押し返して展開をフラットに戻していくと、ついにアンデルソン・ロペスが貴重な一発をお見舞い。宮市、山根という途中交代組の力を借りてのゴールを決めて、トータルスコアを2点差に広げる。

 さらには宮市は高准翼の一発退場を誘発。山東との数的不利をチャラにする大仕事を果たす。これで試合は決着。お馴染みの追加タイムのジャジソンを使ったパワープレーもしのぎきり、横浜FMは逃げ切りに成功。ホームで準決勝進出を果たし、クラブ記録の更新に成功した。

ひとこと

 一瞬の緩みに対してアグレッシブに仕掛けていくスタンスはまさしく近年の横浜FMらしさを体現したもの。ACL準々決勝という未知のフィールドで10人という苦境でもそのスタイルに立ち返って勝利を手にしたことは間違いなくクラブにとって大きな一歩となるだろう。

試合結果

2023.12.13
AFCチャンピオンズリーグ
Quarter final 2nd leg
横浜F・マリノス 1-0(AGG:3-1) 山東泰山
横浜国際総合競技場
【得点者】
横浜FM:75′ アンデルソン・ロペス
主審:ナズミ・ナサルディン

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