テンポを上げさせないローマ
1st legで試合の大勢は決着。ブライトンは諦めてこそいないだろうが、現状の台所事情ではなかなか奇跡に向けたエネルギーを出すことができない。
ローマも大幅にメンバーを入れ替えた形になったが、座組としては同じ。右のバルダンツィが前に残り2トップ化。左のザレフスキはエル・シャーラウィのタスクを引き継ぐ形でWBのように自陣のスペースを埋めていた。ただし、プレッシングという点では強度は控えめ。この辺りは点差がついたからという部分があるだろう。
ブライトンの非保持は4-4-2。4-3-3ベースのローマはアンカーを2トップで管理するブライトンの守備に対して、CBがボールを前に進めていくなど、オーソドックスな形で前進していく。
ただ、チャンス自体はトランジッション重視。チェリクが一瞬でボールを奪った流れからアズムンがアクロバティックにネットを揺らす形を作るが、これは取り消し。惜しくもゴールにはならなかった。
ブライトンのなかなか活性化できない流れを動かしたのはウェルベック。ペナ角付近からのマイナスのパスに合わせる形を作り、ミドルでシュートを撃ち抜いた。ローマはマンツーで前から捕まえる意識が薄く、後ろに余らせる形を作ることもしばしば。そのため、マイナスのパスは構造的に薄めになりやすい。ウェルベックのゴールはこの形を利用したものだろう。なんとか前半のうちに1点を返す。
後半もペースは同じ。バックラインから動かしながらブライトンが解決策を図っていく流れが続いていく。しかしながら、プレッシングに出ていけないことがブライトンの足枷に。なかなか支配的に攻め立てることができない。
ということでブライトンは早々に交代選手でギアアップを図る。アディングラとファティの投入でプレスを強めて試合のテンポを上げていく。
ブライトンはさらにシステム的な噛み合わせを外すことで攻め手作りに奔走。3-2-5に変更し、大外にポイントを作りにいく。ローマはこれに対応するように5バックにシフト。こういった手打ちのようにローマは常に後半に試合のテンポを上げないようにコントロールしていた。
結局、ブライトンの反撃は限定的なものに。1st legの大幅なリードを活かしたローマが逃げ切りを果たした。
ひとこと
勝負は1st legにあり!であった。
試合結果
2024.3.14
UEFAヨーロッパリーグ
Round 16 2nd leg
ブライトン 1-0 ローマ
ファルマー・スタジアム
【得点者】
BHA:37‘ ウェルベック
主審:フェリックス・ツバイヤー