流れに逆らう9番が荒稼ぎ
Round 16の一戦はハイプレス合戦でスタート。高い位置からプレスに出ていく両軍が積極的にボールを奪い合う一戦となった。
どちらかといえばプレスに遊びがあったのはスパルタ・プラハだろう。WGがSBにプレスに行き、CFがCBに寄せていたため、1枚はフリーの選手ができる。リバプールのプレスは枚数を合わせてプレスに行くことでスパルタ・プラハのバックラインにはより時間が奪われる状況となる。
このプレスからリバプールは先制点をゲット。ソーレンセンのコントロールが大きくなったところに突撃したマック=アリスターが引っ掛けられてPKを獲得。これを自ら決めて先制する。
しかしながら、先制ゴール以降のリバプールはなかなか苦戦。バックラインにまで枚数を合わせてプレスに行くということは、後方は同数で受けるということ。この点でスパルタ・プラハの攻撃を牽引していたのはハラスリン。遠藤、コナテ相手にも一歩も引かずにターンで前を向くと、ここから縦に早い動きで攻撃に出ていく。
何回か決定機を迎えたスパルタ・プラハだったが、このチャンスを食い止めたのがケレハー。アリソンの不在をプレミアで埋めている守護神はELでも獅子奮迅。決定的なピンチをセーブで凌ぐ。
しかし、守護神が後ろを防いでも攻撃でもなかなかリズムをつかめないリバプール。中盤で相手に捕まってはロストしてカウンターを食らったり、プレスに屈してあっさり背後に蹴ってボールを捨ててしまうこともしばしばだった。
だが、そうした流れに逆らう男が1人。ダルウィン・ヌニェスはスパルタ・プラハに優勢なペースに反するようにゴールを立て続けにゴール。25分にミドルを決めると、前半追加タイムには3点目をゲット。内容とは裏腹に余裕のあるリードを奪い、前半を終えることとなった。
後半もペースは変わらず。スコア的に劣勢なスパルタ・プラハが主導権。右サイドのビルマンチェヴィッチからのカウンターからの早々の決定機でブラッドリーのオウンゴールを誘発。このゴールと全く同じ形の直後の決定機でコナテが負傷してしまうなど、リバプールとしては悪い流れが続く。
しかしながら、リバプールは右サイドの大外に侵入したブラッドリーから各駅停車でインサイドに繋ぎ、最後はディアスがゲット。後半頭に奪われたオウンゴールを帳消しにする。
少しでもホームで追撃したいスパルタ・プラハ。だが、前線のスピード感は徐々に失われていくことに。サイドから抜け出しきれない状況で決定機の色は薄くなってしまう。
交代選手でテコ入れを図るスパルタ・プラハだが、ショボスライやサラーが出てくるリバプールの方がむしろ交代選手によって恩恵を受けたと言えるだろう。右サイドの定点攻撃を行いながら、週末の試運転をこなすことでリバプールにリズムをもたらしていた。
最後はむしろ押し返したリバプール。終了間際にショボスライがゴールを仕留めてさらに1点を上乗せ。スパルタ・プラハの反撃を最小限で食い止め、リバプールはがっぽりとホームにアドバンテージを持ち帰ることとなった。
ひとこと
展開と裏腹にゴールが積み重なる流れはいかにも今季のリバプールらしい。ただし、コナテの負傷は誤算だろう。中2日で迎えるプレミア天王山に向けて懸念が1つ積み上がってしまった。
試合結果
2024.3.7
UEFAヨーロッパリーグ
Round 16 1st leg
スパルタ・プラハ 1-5 リバプール
Epetアレナ
【得点者】
SPP:46′ ブラッドリー(OG)
LIV:7′(PK) マック=アリスター, 25′ 45+3′ ヌニェス, 53′ ディアス, 90+4′ ショボスライ
主審:サンチェス・マルティネス