自在な横断を見せたポルトがベンフィカを首位から引きずり下ろす
DAZNが久しぶりにポルトの試合の配信をやってくれました!第16節のボアヴィスタ戦以来2か月ぶりのこと。いや、長いよ。毎週やってくれよ。
久しぶりに配信がある理由はおそらく3強による直接対決だからだろう。ポルトとベンフィカの一戦は「オ・クラシコ」と称されているナショナル・ダービーのようである。
順位的には上位に位置するのはアウェイのベンフィカ。現状は首位でスポルティングを2ポイント上回っている状態。ポルトはベンフィカから10ポイント後ろの3位である。というわけでベンフィカとしてはポルトというよりもスポルティングを意識して負けたくない一戦。ポルトとしては上位に一泡吹かせるための一戦ということになるだろう。
高い位置からプレスに出ていったのはベンフィカ。マンツーで枚数をがっちり合わせるといったことはしなかったが、2トップで狭いサイドに誘導しつつ、そこで一気にサイドの圧力を上げる形でプレスをかけていく。
試合の立ち上がりとしては十分な奇襲かなと思える精度ではあったが、ポルトはこれを難なく回避。アンカーのヴァレラとGKのコスタが相手のプレスの逆を取るという点で非常に効果が高かった。コスタはプレス回避だけでなく、GKからのトランジッションの意識の高さも見事である。
敵陣まで運べばスムーズな攻略が期待できるポルト。右のコンセイソンからペペにいきなり決定機が生まれるなど、ポルトはゴールの可能性を早々に感じる。ベンフィカは逆にハイプレスの空転とボックス内の緩さを突き付けられる立ち上がりとなった。
ポルトのビルドアップはSBが左右非対称。右のマリオは低い位置でボールを受けながら、ボールと共に高い位置に出ていくが、左のヴェンデウは高い位置に常駐し、前のガレーノとハーフスペースと大外を分け合っている。対面のWGディ・マリアがバックラインに常駐しているあたりはポルトの左サイドの上がりっぷりを反映している部分だといえるだろう。
ベンフィカの保持は2CHと2CBをベースとする形。ポルトの守備は4-3-3でWGの外切り+インサイドへのパス誘導が中心になるコンパクトなものだった。アーセナル戦とコンセプトは酷似。おい、DAZNよ。ポルトを毎週配信してくれれば、俺は1st legであんなアホなプレビューを書くことはなかったのではないかと思ったのはここだけの話である。
そうした中で先制したのはポルト。セットプレーかのニアすらしをファーで構えていたガレーノが仕留めて先制する。
さらには流れの中から追加点をゲット。右サイドのマリオが横断から時間を貰ってプレスを回避した攻め上がりを敢行。コンセイソンが仕掛けた1on1からのクロスを再びガレーノが仕留めて追加点を奪う。
2点のビハインドとなった後半も盤面は同じ。強気でプレスをかけて主導権を取り戻そうとするベンフィカとそれをいなすポルトという構図である。
上回ったのはまたしてもポルト。ピッチの横幅を使う展開からスペースを享受したガレーノとヴェンデウの左サイドコンビがサイドを攻略。最後はインサイドに入り込んだヴェンデウが仕留めてリードをさらに広げる。
5分後にはオタメンディの退場で試合は完全に決着。以降はポルトがガレーノとコンセイソンの両翼を軸に一方的にポルトを押し込む流れに。
ペペのミドルとナマソのクロスに合わせてのゴールで終わってみれば大量5得点を決めたポルト。首位陥落したベンフィカにとっては心身ともに大きなダメージの残る夜となった。
ひとこと
ポルト、つよい。普通にCLのグループステージはこんなんじゃなかった気がするので仕上がっているのだろう。その割にはリーグ戦勝ち切れていないけども。
試合結果
2024.3.3
プリメイラ・リーガ
第24節
ポルト 5-0 ベンフィカ
エスタディオ・ドラゴン
【得点者】
POR:20‘ 44’ ガレーノ, 55‘ ヴェンデウ, 75‘ ぺぺ, 90’ ナマソ
主審:ジョアン・ピニェイロ