ベスト16突破に準備万端
前節ベンフィカを撃破し、首位陥落という屈辱を味わせた3位のポルト。4日後にはロンドンでのアーセナルとのリマッチを控えているということで今節は金曜開催でポルティモネンセのホームに乗り込む。
ポルティモネンセのスタンスはバックラインにボールを持たせてOKというもの。2トップ的にはならず、中盤に枚数を合わせる形で自陣で迎え撃つ格好である。
ポルトはいつも通りの2-3-5で対抗。5トップには枚数を合わせるようにSHのコスタがコンセイソンについていく形で自陣まで下がっての5バックを形成する。
一方のポルトも基本的には非保持に回れば中盤の噛み合わせを優先。ポルティモネンセはGKの中村から左のSBのセックを目掛けてのキックで左サイドに起点を作る方向性だった。ロングキックであれば特に問題はないのだけども、時折ショートパスを繋ぐのに色気を見せていたポルティモネンセ。だが、このスタンスは素直に裏目に出たといっていいだろう。
ポルトはサイドの狭いスペースにボールを追い込んでから圧力を上げると、そこから一気にプレス。慌てたコスタは自陣PA内によくわからない球を蹴り込み、これをポルトに掻っ攫われて先制されてしまう。
このシーンのようにポルティモネンセのビルドアップは怪しいところだらけ。低い位置で距離は取るものの、プレスが来ると慌てるし、そもそもパスが遅く出てからでも非保持側のアプローチが間に合ってしまうという有様だった。
ポルティモネンセもポルトもマークの配置的にはどっちも相手のCB余らせて、後方1枚の余裕を持って、中盤とサイドは噛み合わせる感じだけど、時間を作って渡す意識とボールを受けた選手の引き出しが全く異なる。ヴェンデウあたりは自陣で引きつけながら横ドリブルを入れ込むことで他の選手のマーカーにも影響を与えているし、前線も相手の陣形の乱れによって呼応する。
ポルティモネンセの保持にはこうした揺さぶりのフェーズがない。初めは効いていた左サイドへのロングボールも本来の持ち場ではないヴァレラにカットされるようになってしまうのはボールの雲行きが読めるからである。
後半、ポルティモネンセはプレスを強めて勝負に出るが、ポルトは特に気にする様子もなし。右サイドをかき乱すことができていたジャスパーが少しアクセントになっていたくらいでポルトの守備ブロックを揺さぶることはできない。
順調なポルトは左サイドから追加点。ガレーノが豪快なミドルシュートを仕留めてさらに点差を広げる。さらに右サイドはサンチェスが深さをとってマイナスのペペがボックス内を攻略。サイドから押し下げられたのはわかるが、ポルティモネンセはいくらなんでも慌てすぎ感がある。
先制点からずっと余裕を崩さなかったポルト。安定した試合運びでエミレーツでのリマッチは視界良好だ。
ひとこと
ポルト、普通に昨年末より強くなったと思います。
試合結果
2024.3.8
プリメイラ・リーガ
第25節
ポルティモネンセ 0-3 ポルト
エスタディオ・ムニシパル・デ・ポルティマン
【得点者】
FCP:7‘ ゴンサレス, 59‘ ガレーノ, 79‘ ぺぺ
主審:アルトゥール・ディアス
