ツーチャンスを仕留めて逆転突破のアタランタ
1st legは1-1でのドロー。2nd legは共に勝利=突破というわかりやすい図式で挑むことになる。
フォーメーションはいずれも3-4-3。ガスペリーニのアタランタはただでさえ高い位置からマンツーで捕まえにいく傾向があるチームだが、フォーメーションが噛み合っていればなおさら。強気でプレスに出ていくことになる。スポルティングもこれに応戦する形でハイプレスで出ていくことを重視しての展開となった。
明確な解決策を見つけたのはスポルティング。後方ではGKがビルドアップに参加しつつ、ディオマンデが列をあげてヒュルマンドと2人で中盤に君臨してズレを作る。前線では1on1であればきっちりと収めることができるギェケレシュの存在感が圧巻。左右に動きつつ縦パスの起点になり、味方と繋がるもしくは横ドリブルからの加速でマッチアップの相手を置き去りにする。ギェケレシュほどの存在感はないが、トリンコンも似たように自らの反転から存在感を見せることができていた。
ポスト役の恩恵を受けていたのはヒュルマンド。サイドへの軽い展開からプレスの強い中央での脱出口となり、エドワーズとエスガイオの右サイドからボックス内の仕掛けに行く。
先制点は前線の起点と中盤のオフザボールの動き直しのコンボから。ギェケレシュのポストから前線に飛び出したゴンサウヴェスが抜け出して1on1を制する。完璧な先制点だったがこのプレーでゴンサウヴェスは負傷をしてしまったのはスポルティングは痛かった。
アタランタも奪ったら直線的に攻めていくが、なかなか決定的な攻め手を構築することができない。前線のスカマッカの収まりはややトラップが大きく流れることが多いし、1人の選手の動きに対してスポルティングほど周りの選手が呼応することができない。
一番良かったのはボールを奪った流れの中でそのまま突撃していく左右のDF陣だろうか。特に懐かしのコラシナツがこの分野で圧巻の出来だったのはとても印象に残った。
前半は苦しんだアタランタだったが、後半にあっさりと追いつくことに成功。右サイドからのなんでもないクロスに対してニアでスラしたボールがファーに流れてこれをルックマンが仕留める。スポルティングからするとシン・ジュステの対応が少し勿体無いもののように感じた。
さらにはイナシオのパスミスからアタランタは勝ち越しに成功。縦パスを受けたスカマッカはディオマンデを引き付けつつ、ミランチュクにボールを流して折り返しを沈めるという完璧な働き。見事なショートカウンターからリードを奪う。
後半も前線の機能性は変わらないスポルティングだが、ややハイプレスでの後方の列上げが遅れる場面が目立つように。前半よりもアタランタは縦パスが明らかに刺さるようになった。
アタランタはスポルティングに比べると前線から後ろまで足が止まらなかった印象。この辺りはマンツーハイプレスを基本線にしている矜持だろうか。
終盤は相棒にカタモを迎えたエドワーズが右サイドから起点を作ることで盛り返したスポルティング。パウリーニョ、エドワーズなどに決定機が訪れるがいずれも仕留めることができずに終戦。2戦合計スコア3-2でアタランタがベスト8に駒を進めた。
ひとこと
優位に立っていた前半のうちに、リードを広げておきたかったスポルティング。ツーチャンスを得点に結びつけたアタランタもお見事であった。
試合結果
2024.3.14
UEFAヨーロッパリーグ
Round 16 2nd leg
アタランタ 2-1 スポルティング
スタディオ・アトレティ・アズーリ・ディターリア
【得点者】
ATA:46′ ルックマン, 59′ スカマッカ
SPO:33′ ゴンサウヴェス
主審:サンドロ・シェーファー