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「Catch up UEFA Champions League」~2024.4.17 UEFAチャンピオンズリーグ Quarter-final 2nd leg マンチェスター・シティ×レアル・マドリー マッチレビュー~

1st leg

目次

制御されたブロック守備で粘ったマドリーがPK戦を制する

 スーパーゴール博覧会となった1st legは3-3のドロー。舞台をマンチェスターに移し、優勝候補同士の大一番はクライマックスを迎える。

 互いに高い位置からの睨み合いとなった立ち上がり。ハイラインだけどもハイインテンシティではないジリっとしたプレスをかけるシティと、珍しく前線が高い位置から追いかけることにしたマドリー。序盤は唯一ノープレッシャーの互いのGKからどこにフィードを飛ばすかという異質な様子見での駆け引きが続いた。

 この様子見をゴールに繋げたのがマドリー。後方からの長いボールを信じられないくらい柔らかくトラップしたベリンガムがズレを作り、トップのヴィニシウスが右を抉ると最後はロドリゴ。ロングボールをあっという間に決定機に変換したマドリーが先行する。シティはウォーカーがやや好き放題に左右に振られてしまった。

 以降はマドリーがブロック守備を構築。シティが3-2型の後方のユニットを軸に攻略を狙っていく流れに。マドリーの2トップの守備は気まぐれなので、1stプレスラインを通過することはシティとしては問題なし。ここから中盤の背後に忍び込めばチャンスは見込めそうな感じ。MF-DF間に侵入したアカンジ→デ・ブライネのバックドアや、シンプルにライン間からのデ・ブライネのミドルシュートなどボックス内を強襲する場面が増えてくる。

 ただ、クロスからの折り返しはマドリーの守備陣のギリギリ許容範囲という感じだろう。リュディガーやカルバハルが体を張っていたし、肝心のミドルもネットを揺らすところまでは至らない。

 マドリーは時間の経過とともにヴィニシウスとベリンガムが下がって守備をするが、整理されていたかは微妙なところ。カマヴィンガとマーカーがかぶってしまい、背後を取られたあたりとかは気まぐれ故の判断ミスを感じた。それでも主戦場はカウンターから脅威を与えることだろう。ミスれば彼らが2人で得点を取れるということを突きつけることは大きな意味があった。それでも後方にスペースを与えてくれるのであれば、多少打たれてもシティには利があるという感じ。こちらもファストブレイクからチャンスを作っていく。

 シティの保持ベースで進む綱引きはそのまま終了。前半はマドリーのリードでハーフタイムを迎える。

 後半も展開はほとんど同じ。マドリーは立ち上がりこそ、高い位置から追いかけていくが、シティがこれを利用して前進をすると、すぐにブロック守備に切り替える。

 シティの攻撃の手応えは前半と陸続きという感じだろう。バイタルからはルニンにキャッチされる程度の枠内シュートがミドルで狙える程度の隙があるという感じ。枠内シュート以上、決定機未満の攻撃機会を積み重ねていくという感じである。

 マドリーも相変わらずファストブレイクからの反撃。いける!と思った瞬間のカルバハルの素早い列上げは見事。グリーリッシュからのファウルがなければ決定機になっていたことだろう。

 仕掛ける機会は担保できているシティは左のWGをスイッチ。よりガンガン仕掛けていくタイプのドクを投入して頻度で勝負をかけていく。このプランは結果的に奏功。左サイドのドクの突破からの速い折り返しをリュディガーが処理しきれず、詰めていたデ・ブライネが同点ゴールを奪う。

 反撃に出たいマドリーだが、なかなか中盤より前が相手に刺さる陣地回復をすることができないまま時間が過ぎていく。シティも同点ゴール以降は仕上げに苦慮。得点直後もドクの仕掛けを起点にデ・ブライネがボックス内でフリーのチャンスを迎えるが、これは枠を捉えることができず。後半ラストプレーにチャンスが巡ってきたハーランドもシュートを枠に持っていけず。試合は1-1での延長戦に突入する。

 延長戦でもシティのペースは変わらず。右はデ・ブライネを指揮役とすると3枚ほどのサイドの崩し、左はドクの単騎での突撃を仕掛けていく。マドリーの守備陣は縦に行かせず外に外に追いやるようにブロックの中に入れさせない。バスケスを投入して以降はより守備にコミットしたマドリーに対しては、シティはあまり殴ることにも手応えを感じている様子はなかった。

 延長戦ということでアクシデンタルにファストブレイクでチャンスを迎えそうな局面もあるのだが、いずれも守備側が優勢な結末に。ウォーカー、リュディガーあたりの壁感は異常でスペースがある状態でもアタッカー陣に自由な攻撃を許さなかった。

 PK戦はマドリーに軍配。ベルナルドのど真ん中を制して勢いに乗ったルニンがコバチッチのPKもセーブし、次のラウンド進出の立役者となった。

ひとこと

 シティのブロックへの進撃に関しては2トップが割と自由にも関わらずマドリーが凌ぎきれているのが印象的だった。枠内シュートの数で差はあるが、クリティカルな決定機と言えるものは少なく、受けに回るとハラを決めた際のマドリーの守備陣のパフォーマンスが光った印象だった。

試合結果

2024.4.17
UEFAチャンピオンズリーグ
Quarter-final 2nd leg
マンチェスター・シティ 1-1(PK:3-4) レアル・マドリー
シティ・オブ・マンチェスター・スタジアム
【得点者】
Man City:76′ デ・ブライネ
RMA:12′ ロドリゴ
主審:ダニエレ・オルサト

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