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「Catch up U-23日本代表」~AFC U-23アジアカップ 2024.4.16 グループステージ 第1節 日本×中国~

目次

10人での初戦を根性でモノにする

 パリ五輪の出場をかけたU-23アジアカップが開幕。グループステージの初戦の日本の相手は中国であった。

 4-4-2でプレスに来る中国に対して日本は自陣からショートパスを軸にビルドアップをスタート。2人のCBと藤田そして中盤の山本かRSBの関根のどちらかがヘルプにくるというのが決まりとなっていたように見えた。中盤の形は少し判然としない感じ。松木が前、山本が後ろという役割分けがあったが、やや左右でレーンわけしている感もあり、4-2-3-1と4-3-3のハーフに見えた。

 攻撃のメカニズムは基本的にはサイドに散らした先から攻撃を仕掛けていく形が軸となる。先制点の場面はまさしく日本が中国の陣形を左右に動かした賜物。綺麗なサイドチェンジを放った山本と大外に張った山田が松木の先制ゴールの場面の下準備を綺麗にやってのけた。中国の守備のメカニズムがナローな4バック×大外はSHという配分に見えたので、地味にインサイドレーンに突っ込んで外を開けた関根は助演男優賞かもしれない。

 中国のビルドアップはGKとCBでボールを動かし、日本を自陣に引きつけつつSH-SBのマッチアップにぶつけるようにロングボールを蹴ってくる。勝つならここという算段なのだろう。日本はキックを蹴らせる前にCBやGKにプレスを賭けにいくなど非保持でも積極的な姿勢が目立ち、中国のロングボールでの前進を阻害する。

 相手に前進を許すわけでもなく、先制点も手元にある。順風満帆な前半かと思われたが、全くもって文脈のない西尾の退場で景色は一気に変わる。日本は75分ほどを残して10人でのプレーを余儀なくされる。

 松木をCHにスライドさせての4-4-1となった日本。ロングボールに自ら中盤から出ていって競りに行って絶対に負けられないデュエルを挑んでいく松木からはこの状況をなんとかしたい心意気は感じたが、強気に出るようになった中国のプレス隊に対して自陣からのアバウトなボールが増えるのは必然。SHの守備も意識は背後を重視するため、プレスも当然下火に。平河はほぼWBのようなタスクをこなしていた。

 中国は押し下げた後にボックスの外からゴールを脅かす手段を持っていた。主将の7番の選手のミドルやサイドからのクロスで中国は日本のゴールを狙っていく。

 というわけで日本で最も目立つパフォーマンスを見せたのは小久保。高いセービングスキルとチームを落ち着かせるゲームコントロールで中国の波状攻撃を少しでも緩める役割を果たす。ひとまずは日本は前半をリードして終えることに成功した。

 後半も小久保が主役でスタート。早々の1対1のピンチをセーブで凌いでチームを救うとCKでは安定したハイボール対応を披露。文字通りの守護神としてゴールマウスに君臨する。

 日本は平河と山田の両サイドを前半の終盤ほど下げたくないように見えた。ただ、中国もサイドから平河と松木を手前で釣ってから5番のSBの突撃を見せることで空きやすかった大外レーンの裏抜けを成功させていく。平河と交代で入った佐藤はより大外を埋める意識は弱かったので、前に出ていってゴールのルートを切り拓きなさい!というメッセージを実践しに出てきたのかもしれない。

 佐藤はやや実直にゴールに向かいすぎた感があったが推進力は確かではあった。同じタイミングで入った藤尾は右サイドをきっちりと押し上げつつ藤田と松木がそれにキャッチアップというやり方で中国が押し込む展開を緩和。2列目に推進力があるコンビでリフレッシュしたこと自体はそれなりにポジティブな効果を見せたように見えた。

 最後は2mのGKに運命を託した中国の飛び道具は完全に不発。シンプルに手を使わずにボールを収めるのが下手だったので普通に助かった。

 苦しい展開だった日本だが、なんとかゴールを守り切っての逃げ切り勝利。10人の長い時間を凌ぎ切ることに成功した。

ひとこと

 2mのフィールドプレイヤーは中国探せばどっかにいるでしょと思いました。

試合結果

2024.4.16
AFC U-23アジアカップ
グループステージ 第1節
日本 1-0 中国
ジャシム・ビン・ハマド・スタジアム
【得点者】
JPN:8′ 松木玖生
主審:ケイシー・ライベルト

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