劣勢からの一点突破で返り討ちに
目立ったのは意地を見せたいバルセロナの攻勢だった。非保持においては高い位置からマドリーにプレッシャーをかけていく。特にハフィーニャの大外を切る形でハイプレスを仕掛けていくスタンスはマドリーに早いテンポを促すことをしていた。
保持でもバルセロナは順調。中央に守備者が多いマドリーに対して、浮いたSBからキャリー。WGの降りるアクションからSBを食いつかせると、その裏にギュンドアンが流れるなど相手の守備の動きに対応した崩しできっちりと前にボールを薦めていく。
順調に押し込むバルセロナはセットプレーから先制。ファーに構えるクリステンセンが仕留めて試合を動かして見せる。
得点以降はハイラインとローブロックを棲み分けていくバルセロナ。保持においてはサイドに振るアクションだけでなく中央に刺していくパスで主導権を握っていく。ハイプレスとローブロックのコンボのバルセロナに対して、マドリーはなかなか対応する術を見つけることができず。
そういう意味では18分のPK獲得は本当にワンチャンス。右の大外を突破したバスケスがPKを獲得。ファウルを犯してしまったのはクバルシではあったが、触ることすらできずにスピードに乗せてボックス内に侵入させたカンセロの方がより重罪という場面であった。
追いつくことができたという幸運な前半を過ごしたマドリー。しかし、バルセロナ優勢のムードは後半も変わらず。バックラインからの安定したポゼッションをベースにマドリーを押し込みつつ、カウンターの脅威を封じる対応を見せていく。前線にはデ・ヨングの負傷により投入されたトーレス。テア=シュテーゲンからの裏抜けで決定機を迎えたトーレスだがこれを仕留めることができない。
ようやくこじ開けたのは69分。左右に振るアクションから押し下げた中央にフェルミンが飛び込んで押し込むことに成功する。
しかしながら、マドリーはすぐに同点。2点目はまたしてもあっさりと切り崩してルーカス・バスケスが4分後に追加点を奪う。さらには3点目もカンセロのところを切り裂いて追加点。後半追加タイムに決勝点を決めたヒーローはベリンガムであった。
終始劣勢ながらもカンセロのところから一点突破に成功したマドリー。復讐に燃えるバルセロナを返り討ちにして、ホームで勝ち点3を手にした。
ひとこと
バルセロナ、この内容でこの結果は切ない。
試合結果
2024.4.21
ラ・リーガ
第32節
レアル・マドリー 3-2 バルセロナ
エスタディオ・サンチャゴ・ベルナベウ
【得点者】
RMA:18′(PK) ヴィニシウス, 73′ バスケス, 90+1′ ベリンガム
BAR:6′ クリステンセン, 69′ フェルミン
主審:ソト・グラード