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「Catch up EURO」~2024.6.14 EURO 2024 グループA 第1節 ドイツ×スコットランド ハイライト~

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クロースの動きで場を支配したドイツがOPマッチを飾る

 大会の開幕を告げるのは開催国のドイツのオープニングマッチ。またしても日本に苦杯を飲んだフリックからバトンを受け取ったナーゲルスマンが代表の大舞台の初陣を飾る一戦。舞台はその2人の指揮官にゆかりの地であるミュンヘンである。

 ドイツのフォーメーションは4-2-3-1。ここからお馴染みのクロースの左落ちでのDFラインへの組み立てへの参加から変形が始まる。2列目はギュンドアン、ムシアラ、ヴィルツの3人がナローに入る。ムシアラとヴィルツは自由に左右を変えてOKという様子。その分、大外はSBが出ていく形であった。

 スコットランドはバックスに無理にプレスをつけない形でのスタート。だが、ドイツはフリーになるクロースから自在にパスを繋いでいく。よってこなければ対角パス、ライン間へのパスを使い分け。対面のマッギンが自分にマークについてくれば同サイドのミッテルシュテットを使う形も見られた。

 この辺りのクロースの司令塔ぶりは本当に自在の一言。先制点はクロース→大外のキミッヒによってラインを押し下げつつ、サイドからライン間に入り込んだヴィルツがミドルを仕留めるという流れだった。

 このようにスコットランドは完全にクロースへの対応に後手に回ってしまった感がある。ライン間と大外の両方を覗かれてしまい、押し込まれるフェーズが続くことに。保持に回ればショートパスで繋ぎながら追い越すアクションを見せたがっていたスコットランドだが、徐々に保持の局面でもそうした余裕がなくなってしまう。

 2点目も起点はクロース。縦方向の移動の自由度を増やしたギュンドアンへの縦パスが通ると、裏への抜け出しを精力的に行っていたハヴァーツが奥行きを作り、最後はムシアラがゲット。さらにリードを広げる。

 クロースとギュンドアンのコンビに対してスコットランドに止める術はなし。PKこそギリギリ免れたが、クリスティがファウルを犯したシーンはかなり後手に回った対応。ミッテルシュテットから一気に押し下げるという形はキミッヒがアシストしたドイツの1点目と左右が逆になっただけという感じであった。

 スコットランドは5-3-2にシステムを変えて、左落ちのクロースを監視することを常態化しやすい形に変更。ただ、ドイツもこれは織り込み済み。クロースが落ちる位置をCBの左から間に変更。CLのドルトムント戦で見たやつである。なお、ドイツが織り込んでいるのか、マンツーをつけられた時の初手としてクロースが織り込んでいるかは不明である。

 というわけで再び守備の基準点を失ったスコットランド。目の前にターがいるのに、降りてくるムシアラが登場することにマクトミネイが混乱。その間にムシアラがあっという間に敵陣を切り裂くと、ポーテアスがギュンドアンに危険なアプローチで一発退場。これでドイツは数的優位と3点目を手にする。

 後半、スコットランドは5人目のDFを投入し、5-3-1と5-4-0の間のようなフォーメーションを採用。ドイツはグロスが登場し、基準点をさらに増やす。ただでさえ中央に立つクロースによって両CBが解放される機会が増えるのに、新たな基準点が増えるというのはなかなかに地獄みがある。

 序盤はガチ感が出ていたドイツだが少しずつ試合自体のテンションがトーンダウン。スコットランドもドイツも次節以降を見据えて主力をガンガン代えていく。それでもドイツはフュルクルクやミュラーの投入により、前線にやる気が再点火されるので厄介。片方はオフサイドで認められなかったが、フュルクルクは2回ネットを揺らした。

 終盤、スコットランドはセットプレーからオウンゴールをゲット。シュートと言えないところから得点を生み出し一矢報いる。このまま終わると収まりが悪いという感じだったドイツだったが、終了間際にエムレ・ジャンが得点。口直しに成功した。

 開幕戦をこれ以上ない快勝で飾ったドイツ。存分に支配力を発揮し、順調な滑り出しを見せた。

ひとこと

 クロースとギュンドアン、あまりにもサッカーがうますぎる。ただ、左落ちに関しては初手も初手だった感もあったので、うまくいくかは別としてスコットランド側にももうちょっと準備の跡が欲しかった。

試合結果

2024.6.14
EURO 2024
グループA 第1節
ドイツ 5-1 スコットランド
フースバル・アレナ・ミュンヘン
【得点者】
GER:10′ ヴィルツ, 19′ ムシアラ, 45+1′(PK) ハヴァーツ, 68′ フュルクルク, 90+3′ ジャン
SCO:87′ リュディガー(OG)
主審:クレマン・トゥルマン

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