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「Catch up EURO」~2024.6.20 EURO 2024 グループB 第2節 スペイン×イタリア ハイライト~

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左サイドでこじ開けた先制点で見事に決めた首位通過

 今大会のGS屈指の注目カード。スペインとイタリアがGSの突破をかけて激突する大一番である。

 立ち上がりから攻め立てるスタートとなったのはスペイン。左サイドを軸に攻撃を構築していく。率直にニコ・ウィリアムズのキレが素晴らしかった。対面のディ・ロレンツォを手玉に取り、ボックス内に確実にチャンスを供給する。チャンスはやってくるので中盤がシュートに向けたポジションを取ることができる。マイナスでミドルを待ってもいいし、モラタの背後に忍び込んで立ち上がりに決定機を迎えたペドリのようにボックス内に入り込むのもいい。左サイドは明確な起点となった。

 前がかりなスペインに対してイタリアはボールを奪った後は中盤にボールをつける。バレッラが浮く形があり、ディ・ロレンツォなどプレッシャーをかけられても届けられる選手が後ろにいるのがイタリアの強みなので、ここまではつなぐことができていた。ただ、その先の出口の火力はスペインには劣る形。ボールをきっちり収められるモラタや押し切れるヤマルやニコ・ウィリアムズはいないので、その点で攻撃の機能性が異なったイメージである。

 スペインはイタリアの仕掛ける早い展開に対して、こちらも早い展開で応酬。クロアチア戦でもあったような撃ち合いの流れが前節よりも早めに来たという感じである。そうした中で少し気になったのは少し激しい接触が多かったこと。接触起因での怪我人が出なかったのは良かったけども、ちょっと審判のマネジメントが大変そうな試合ではあった。

 前半の中盤が過ぎると試合は再びスペインの押し込む局面がベースとなっていく。決め手となるWGの仕掛けからMFに得点のチャンスが出てくるスペイン。ドンナルンマのセービングによって踏ん張るイタリアの構図が続く。イタリアにとってはなんとかスコアレスで折り返したという感じの前半だろう。

 後半、2枚の交代で中盤を入れ替えるイタリア。カンビアーゾは右サイドの守備のヘルプに行くことが多かったので、この辺りは非保持における手当てなのかもしれない。

 後半も引き続き押し込んでいく流れとなったスペイン。ロドリが倒れ込んだシーンはかなりヒヤッとしたが、プレーは続行。シティファンとスペインファンは胸を撫で下ろしたはずである。

 押し込む流れは前半と同じだが、後半の変化は左サイドのウィリアムズの突破にククレジャがフリーランで見事なサポートをしていたこと。内側のレーンを上下動することで揺さぶり、ウィリアムズのマーカーを1枚に限定していた。前半のウィリアムズのプレーは圧巻であったが複数枚を剥がそうとする強引さも垣間見えたので、ククレジャのサポートは上質さを感じるものだった。

 この左サイドのユニットからスペインは先制点はゲット。ウィリアムズの突破からインサイドで軌道が変わったボールはカラフィオーリに当たってオウンゴール。不運な形ではあったが、こうなってもおかしくないようなボールを入れられるくらいにはやられていたのは確かだろう。

 イタリアは保持で巻き直せないのも痛かった。ジョルジーニョを引っ込めてしまった影響がどこまであるかはわからないが、即時奪回に動いてくるスペインに対してプレスを逃しきれない場面が前半以上に目立ってしまい、陣地回復はさらに難しくなっていった印象である。

 終盤はスペインがプレスを控えたこともあり根性でのキャリーで押し返すが、サイドの決め手は不足。押し込む相手を攻略する一手が90分上下動したディマルコに1on1を託すというのは苦しいところであった。

 後半追加タイムはボックス内の守備を強いられた場面もあったが、それ以外はほぼ冷や汗をかくことなく過ごすことができたスペイン。首位を確定させた状態で2チーム目のGS突破を決めた。

ひとこと

 イタリアの火力不足はこのメンバーだと如何ともし難いところがあるなという感じ。だからこそ、後方の動的成分で補っているのは設計的にはうなづけるけども、スペインのように高い位置から引っ掛けられる相手だとバタバタした形で受けなければいけない状況が増えてしまうので、それはそれで頭が痛い感じもする。

試合結果

2024.6.20
EURO 2024
グループB 第2節
スペイン 1-0 イタリア
アレナ・アウフシャルケ
【得点者】
ESP:55′ カラフィオーリ(OG)
主審:スラヴコ・ビンチッチ

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