ポーランドが大会初めての敗退チームに
ともに開幕節は敗れている両チーム。直接対決が順位決定に関わることを踏まえれば、ここは絶対に負けられない一戦である。
立ち上がりから主導権を握ったのはオーストリア。バックスからのボール保持はビルドアップを人数をかけていく。RSBを片方上げる3-2型をベースにして、そこから降りる選手を作ることでFPが6人くらいは自陣でボールを受けることも珍しくない。
後ろが重たいビルドアップが効いていたのはポーランドが高い位置から追いかけ回していたから。特にポーランドのWBがオーストリア陣内に入り込むことでオーストリアの前線がサイドに流れつつ、長いボールを引き出して前進の起点となっていた。
押し込むフェーズになると左サイドからムウェネのロングスローからボックスを狙う。先制点はまさしくこの形。ムウェネのロングスローを沈めたのはトラウナーだった。以降も主導権はオーストリア。サイドの起点だけでなく、中央に絞るバウムガルトナーが縦パスを受けることもあり、インサイドでも前進のきっかけを作ることができていた。
ポーランドは20分が過ぎたあたりから少しずつ保持で巻き返し。キヴィオルがSBに入る4バックへの変化で前進を狙っていく。きっかけはサイドへの対角パス。サイドの裏を狙うことでジリジリと前進する。
するとポーランドは同点ゴールをゲット。右サイドからファーへのクロスの折り返しからのこぼれをピョンテクが沈めてゴールを奪う。
以降は展開はフラット。オーストリアはマンツー気味に前にプレスにくるポーランドをひっくり返しながらファストブレイクでチャンスを作っていたし、ポーランドはジエリンスキのFKからペンツが守るゴールマウスを脅かしてみせた。
後半もポーランドは積極的なプレスから敵陣でのプレータイム増加を狙っていく。しかしながら、オーストリアはゆったりとひっくり返しながら互角に組み合い、少しずつポーランドを自陣側に押し込めていく。
停滞しているポーランドは2トップを入れ替え。真打のレヴァンドフスキ登場である。しかし、この2トップ投入は起爆剤にならず。さらには守備での迷いも出てしまい、なかなか流れを変えることができない。
オーストリアはバックラインからの組み立てがスムーズになり横断しながらボールを動かすことに成功。左サイドからインサイドに差し込むパスにバウムガルトナーがリアクションし、勝ち越しゴールを決める。
さらにはGKからのフィードを起点とした攻撃でザビッツァーがベドナレクをおいて行き、独走するとシュチェスニーとの交錯でPKを獲得。これを仕留めて試合を決定づける。
切り札にならなかった2トップの入れ替えとなったポーランドとは対照的にオーストラリアは試合終盤までガンガン攻め込んでいく。ポーランドは終盤まで流れを変えることができないまま試合終了。敗れたポーランドは今大会初めての敗退決定となった。
ひとこと
ポーランドはレヴァンドフスキなしの攻撃プランの構築も間に合わなかったし、レヴァンドフスキも間に合わなかったなという感じである。
試合結果
2024.6.21
EURO 2024
グループD 第2節
ポーランド 1-3 オーストリア
オリンピア・シュタディオン
【得点者】
POL:30‘ ピョンテク
AUS:9‘ トラウナー, 66′ バウムガルトナー,78′(PK) アルナウトビッチ
主審:ウムト・メレル