外と中で押し下げのポイントを作ったベルギーが悪夢払拭に成功
初戦をスロバキア相手に落としてしまったベルギー。2戦目はなんとか勝利を収めたいところだが相手はウクライナを倒して勢いに乗るルーマニア。オランダ×フランスやイタリア×スペインとは異なる意味で注目の2節のカードと言えるだろう。
しかし、そんなワクワク感とは裏腹に試合は早々に動く。トランジッションの応酬から先制点を奪ったのはベルギー。深さをとったルカクを活用し、ティーレマンスのミドルで早々に試合を動かしてみせた。
トランジッションに関しては両チームには明確な差があったように思える。ベルギーは前節までの不安定さはどこへやら。時間をもらったCBから組み立てを行うと、ここから外循環でWGにボールをつけるか、IHに縦パスを通すかのどちらか。インサイドに入るデ・ブライネは後ろをオナナとティーレマンスに託して、チャンスメイクにフォーカス。ドリブルからゴール前に侵入したり、WGに散らして勝負する舞台を整えたりなどを行っていた。
大外のWGがピン留めのポイントになる。ルケバキオはバカヨコやドクほどは癖がなくシンプルにプレーするのがこの試合では良かった。CFのルカクは深さをとるマシンに。正しく効いている時のルカクである。WGとCFによって相手陣内に深さをとるアプローチには事欠かなかったベルギー。前半の主導権は一方的だったといっていいだろう。
対するルーマニアは前線の起点作りに苦戦。前節はボールを収めることができていたドラグシュはベルギー相手だと起点としてまるで機能せず。中央ユニットのフィジカルさを活かしたベルギーにシュートどころか陣地回復すら許しらもらえなかった。
後半、ルーマニアは右サイドのマンからカットインでスタート。立ち上がりは互いにハイプレスから主導権を握りにいく。ベルギーのハイプレスをひっくり返す形でミハイラの抜け出しからチャンスを迎えるなど、前半にチャンスのなかったルーマニアもゴールを脅かすことができる序盤戦となった。
しかしながら、5分もあればベルギーは保持で主導権を奪取。ルーマニアは4-1-4-1のミドルプレスに移行する。すると、中央でのボール奪取からベルギーはカウンターでルカクがネットを揺らす。待望の初ゴールかと思われたが、またしてもこれはオフサイド。ルカクはまだトンネルを抜け出すことができない。
ルカク事変の直後はベルギーは自陣でバックパスをミスしてルーマニアに決定機を与えるなど一時的に不安定になる。終盤は互いにフリーのバックラインから前線への一発裏抜けからチャンスを伺う形に。撃ち合いになれば有利なのはベルギー。GKのカステールズからの裏抜けからデ・ブライネが追加点をゲット。これで試合は決着。カステールズはファインセーブにフィードでアシストと大車輪の活躍であった。
立ち上がりと締めに1得点ずつを重ねて悪夢の開幕節を払拭したベルギー。グループEを混戦に持ち込むことに成功した。
ひとこと
緩さもないこともなかったが1節目とは別人だったベルギー。WGとCFでピン留めできる相手にはめっぽう強そう。
試合結果
2024.6.22
EURO 2024
グループE 第2節
ベルギー 2-0 ルーマニア
ケルン・スタジアム
【得点者】
BEL:2′ ティーレマンス, 80′ デ・ブライネ
主審:シモン・マルチニャク