特徴くっきりな両チーム一戦は痛み分け
まず、ボールを握ったのはチェコ。ビルドアップ時にはホレシュがSBに入り、クファルがSHにシフトする4バック化でボールを動かしていく。
ズレは作るが仕上げはシンプルなチェコ。5-3-2で中央を固めるジョージアに対して無理をせずに外循環でボールを動かしていく。中央で横断ができれば、サイドのより深くまで入り込むことができるが、ジョージアはなかなかこれを許さず。チェコとしてはジリジリとした展開が続く。
それでも高さがあるチェコ。サイドからのクロスやセットプレーから制空権を握り、チャンスを作っていた。シンプルな破壊力勝負でチェコはジョージアのゴールに迫る。
一方のジョージアは保持に回るとそれなりに手応えがあった。序盤はクワラツヘリアとツィタイシュヴィリの左サイドのコンビの前進から一気に陣地回復を行うことで景色を変える展開が目立った。しかしながら、時間の経過とともにジョージアは守備陣を動かしながら堅実に前進をするように。マンツー気味にプレスを仕掛けてきたチェコに対して、ジョージアは味方がオフザボールでスペースを作りながらホルダーをサポート。スペース創出と細かいパス交換で前進をしていく。
ジョージアは全員ドリブルが上手いけども、やはりクワラツヘリアは別格。崩しの局面は彼に託されることが多く、左サイドから中央を中心にボックスに迫るためのアプローチを託されていた。
というわけで、圧倒していたシュート数ほど主導権は明確にチェコペースというわけではなかった前半。それを最後に裏付けるようにジョージアは最後の最後にPKを獲得。ハンドで巡ってきたチャンスを仕留めてハーフタイムをリードで迎える。
リードをしたこともあり、ジョージアは後半に5-4-1にきっちりと自陣にブロックを組む方向にシフト。チェコは前半以上にボールを持ちながら攻略に挑む展開となる。
3-1-6と前に重きを置く布陣となっているチェコだが、大外のWBが早い段階で止められることが多く、サイドから抉ることができない。むしろ、チャンスと言えるチャンスは長い距離のカウンターで鋭さを見せたジョージアの方があったと言っていいだろう。
だが、そうした状況をよく救ってくれるのがセットプレーである。ニアで合わせたCKの跳ね返りを押し込み試合を振り出しに戻す。
以降もボールを持つチェコ、カウンターベースのジョージアで試合は展開。だが、チェコはシックが負傷交代、ジョージアは前線がガス欠気味と全体的にジリ貧の流れとなる。
ラストプレーは3対2のカウンターというジョージアの絶好機。終盤にようやく訪れた大チャンスだが、このシュートは枠外。最後の最後に巡ってきたチャンスを決めることはできず、試合はドローのまま決着することとなった。
ひとこと
どいつもこいつもドリブルで仕掛けられるジョージア、面白いね。
試合結果
2024.6.22
EURO 2024
グループF 第2節
ジョージア 1-1 チェコ
フォルクスパルク・シュタディオン
【得点者】
GEO:45+4′(PK) ミカウタゼ
CZE:59′ シック
主審:ダニエル・シーベルト