持ち味存分のオーストリアが追い縋るオランダを振り切って首位通過
前節終了時の段階では突破が決まっていなかったものの、グループAとBの結果を受けてオランダは試合前の時点で突破が確定。オーストリアに関してもボーダーとなるハンガリーを下回るには5点差以上の負けが必要。こちらも突破の可能性がかなり高い状況の一戦となった。
立ち上がりからいいプレーを見せていたのはオーストリア。オランダは中盤を嚙み合わせることを優先する形で守っていたが、その奥に登場するアルナウトビッチを捕まえきれず、ここに縦パスを差し込まれて起点を作られサイドの奥へ侵入を許す。
左サイドに展開したボールからの折り返しをきっちり決めたオーストリア。開始早々に先制する。この中央の高い位置の起点への縦パスをいかした攻撃は前節と同じ。オーストリアは鋭い縦へのパスからチャンスを作るスタートとなった。
なかなか攻撃のスイッチが入らないオランダ。こちらも結果的には縦にパスを入れるところからチャンスを作っていくことに。サイドに逃げずに中央にパスを差し込むことで攻撃のきっかけをどこまで作ることができるか?という対決になっていた。
オーストリアも片側のCHが前にスライドすることで中央のスペースを犠牲にしていたので、オランダはこのギャップに縦パスを入れることで前進。しかしながら、加速した状況で迎えた決定機をつかむことができず。そうこうしている間にオランダが鋭く縦に攻め入ることができる時間は終了。オーストリアがオランダを再びひっくり返す時間帯を迎えて、最後はオーストリアペースでハーフタイムを迎えることとなった。
後半もオーストリアは強気のスタンス。CHの列上げのプレスに加えて、ザビッツァーが絞りながら同サイドへの圧縮をかけていく。ヘールトロイダがインサイドに絞るなど配置の工夫を見せたオランダだったが、そうしたところと無関係なトランジッションからゴールをゲット。やや偶発的に転がってきたカウンターの機会をガクポが一番得意な形で完結。後半早々に同点においつく。
しかしながら、オーストリアもすぐに反撃。押し込むところからグリリッチュが左のハーフスペースの奥を取るところからの折り返しをシュミットが仕留めてすぐに再びリードを奪う。
交代選手をガンガン入れる時間帯を経ても両チームのゴールラッシュは止まらず。互いの速い攻撃に対して守備側の中盤がついていけずに攻撃側の優位で試合は進んでいった印象である。
先に点を取ったのはオランダ。ベグホルストを隠れ蓑に使った形でデパイが技ありのシュートを決めて追いつく。だが直後にオーストリアは再び左サイドの攻略から勝ち越し。2点目とかなり似た形でサイドの奥を取ったザビッツァーが角度のないところから3点目を決める。とったらすぐにやり返すのがこの日のオーストリアであった。
互いにトランジッションを緩めなかったことにより、常に攻撃側に有利な状況が続いた90分。撃ち合いを制したオーストリアは他会場の結果にも助けられ首位での死の組通過を果たすこととなった。
ひとこと
早い展開の中でオーストリアの良さが出た一戦だった。アラバありで見たかったなぁ。
試合結果
2024.6.25
EURO 2024
グループD 第3節
オランダ 2-3 オーストリア
オリンピア・シュタディオン
【得点者】
NLD:47′ ガクポ, 75′ デパイ
AUS:6′ マレン(OG), 59′ シュミット, 80′ ザビッツァー
主審:イヴァン・クルチニャク