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「Catch up EURO」~2024.7.2 EURO 2024 Round 16 ルーマニア×オランダ ハイライト~

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内側のルート開通に成功したオランダが順当にベスト8に

 Round 16最終日はオランダが登場。ベルギーを撃破し、一躍話題のチームとなったルーマニアがノックアウトラウンド最初の相手である。

 互いに守備のスタンスは似た入りとなっていた。相手のCBにプレッシャーをかけるのは1トップの選手のみで、それ以外は中盤をケア。マンツー色はそこまで強くはなく、コンパクトなブロックを形成して使わせたくないところに侵入させないことを優先しているように見えた。そのため、中盤は降りれば自由にボールを動かせる状態だった。

 立ち上がりにボールを持ったのは意外にもルーマニア。オランダは特にその状況を阻害しようとはしなかった。ルーマニアの保持は悪くはないけども、外循環が中心。バックスから外を経由して裏を狙うというもの。ファン・ダイクが余裕を持ってスライドを間に合わせているのが印象的だった。

 インサイドに刺すことができないことでクリティカルな攻撃を成立させられないルーマニア。その点ではオランダに明らかに一日の長があったと言えるだろう。カウンターでもインサイドのデパイ、シモンズを経由しながら前進することでルーマニアの守備を内と外に揺さぶっていく。

 先制点もやはりシモンズがインサイドで受けたことが効果覿面。外のガクポが1on1をいい形で迎える手助けができていた。角度のないところから躊躇のない思い切りのいいシュートはガクポの今大会における調子の良さを感じさせる。

 中盤が中央に起点を作られてしまうルーマニア。さらには外では1on1で劣勢。ガクポもそうだが、逆サイドのダンフリースの馬力にはかなり苦戦。同サイドのハジがあまり守備に下がらないこともあり、ダンフリースの攻め上がりは刺さりまくることになる。

 ルーマニアはこれに対してマリンが下がってバックスを埋めるなどさらに重心が後ろ方向に入っていくように。そうなるとより反撃は難しくなる。オランダの先制点以降、ルーマニアは攻めに出る機会がガクッと減ってしまった印象だ。

 それでも攻めに出る機会では横断を増やしたりインサイドに刺したりなど、少しずつ手応えが出てきたルーマニア。1点差というスコアも含めて後半に希望を繋ぐ形でハーフタイムを迎える。

 後半も流れは変わらず。中盤から攻め上がるラインデルスは見事な推進力を発揮。配球役との一人二役をこなしつつ、高い位置でも存在感を発揮する。

 ライン間の住人になっているシモンズは前半に引き続き縦パスを引き出して反転する役割。後半は交代で入ったマレンも絞って受ける役割を担っており、ルーマニアにとってはさらに厄介な状況になる。

 加速の手段を増やすオランダに対して、ルーマニアは状況の改善に苦戦。横断を効率的に行うことができず、外循環のポゼッションでわずかな攻撃の機会を消費してしまう。

 あとは決めるだけ!というオランダ。だが、その決定機を決め切ることができないままズルズル進んでしまっていることだけが気がかりという感じ。あらゆるところから攻めることができている内容は文句のつけようがないのだけども、決めきれないというただ一点でルーマニアに希望を残してしまっている状況だった。

 その状況を打ち砕いたのはガクポ。エンドライン付近の見事なボディコントロールでボールをギリギリピッチに残すと、マレンへの見事なラストパスを決めた。

 途中交代で追加点を決めたマレンは後半追加タイムにドリブルからの独走でカウンターを完結。この試合を仕上げる役目を見事に全うして見せた。

 なかなか2点目を決めることができず、ややヤキモキした以外は内容的に文句なしの完勝。オランダが順当にベスト8に駒を進めた。

ひとこと

 特に前半は似た課題を保持で解決する状況だったため、余計に両チームの差が際立った一戦だったなという感じ。

試合結果

2024.7.2
EURO 2024
Round 16
ルーマニア 0-3 オランダ
フースバル・アレナ・ミュンヘン
【得点者】
NED:20′ ガクポ, 83′ 90+3′ マレン
主審:フェリックス・ツバイヤー

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