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「片野坂式の奇策は出てくるか?」~2024.7.10 天皇杯 3回戦 川崎フロンターレ×大分トリニータ プレビュー

目次

Fixture

天皇杯 3回戦
2024.7.10
川崎フロンターレ
×
大分トリニータ
@レゾナックドーム大分

Head-to-head

Head-to-head
  • 前回対戦も天皇杯。2021年の準決勝。等々力でのPK戦を大分が制した。
  • 天皇杯での対戦は過去3回。いずれの対戦においても大分は川崎に90分、もしくは120分で勝利できていない。
  • PK決着を引き分けとカウントした場合、川崎は直近10試合の公式戦での大分戦で1敗のみ(W7,D2)
  • 大分ホームでの対戦は直近7試合連続で少なくともどちらかのチームが無得点。この7試合のうち、複数得点を記録しているのは1回だけ。直近対戦の川崎が大分ホームで0-2で勝利を挙げている。

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • 公式戦直近5試合で勝ちがない。
  • 直近5試合でクリーンシートもない。最後のクリーンシートは天皇杯2回戦のソニー仙台戦。
  • アウェイゲームは直近10試合で勝利がない。クラブワースト。
  • しかしながら、2024年に等々力以外で行われた2つのカップ戦はいずれも勝利を決めている。
    • ACL-Round16の山東泰山戦とFFSCの神戸戦。
  • 直近11試合の下部カテゴリー相手との天皇杯で勝ち上がれなかったのは1回だけ
    • 2022年の東京V戦。
  • 天皇杯においてのPK戦は直近7試合で6勝。
    • 唯一の敗退が2021年準決勝の大分戦。
大分トリニータ
  • 直近6試合の公式戦で複数得点がなく4試合が無得点。
    • 得点を取った2つの試合のうち、1つは天皇杯2回戦の鹿児島大学戦。
  • 直近10試合の公式戦のホームゲームのうち、勝利は1試合のみ(D5,L4)。
    • 天皇杯2回戦の鹿児島大学戦。
  • 今季のリーグ戦は19得点。これより少ないのは最下位の群馬(16)のみ。
  • リーグ戦の失点は23で6位以下のチームの中で最も少ない。
  • 3回戦でJ1のチームと対戦した場合は4連敗中。
    • 最後の勝利は2013年の新潟戦。
  • 長沢駿は川崎戦でキャリア通算4得点を挙げており、いずれもホームゲーム。
    • ただし、得点を挙げた3試合はいずれも所属チームが勝利していない。

予習

第21節 鹿児島戦

第22節 甲府戦

第23節 いわき戦

展望

かつての大分と異なる部分は?

 なかなか勝利から遠ざかっている川崎。前回の天皇杯の勝利から5試合ともリーグ戦は勝利なし。苦しい夏が続いている。

 ただ、今回の対戦相手も苦戦の真っ最中の大分。こちらは前節勝利を挙げているが、これがここ4試合の唯一の得点。リーグでは5試合ぶりの得点を手にしての劇的な勝利を挙げている。

 直近のこの得点力不足の傾向はおそらくシーズンを通してのものなのだろう。Match factsの項で紹介した通り、大分よりも少ない得点なのは最下位の群馬だけ。極端な得点力不足に悩まされているシーズンといえるだろう。

 では、大分がどんなサッカーをしているかを見ていきたい。フォーメーションは直近の確認した3試合はバラバラ。3試合の中で直近に開催された2試合は3-5-2、その前の鹿児島戦は4バックであった。

 「Transfer markt」によると、それ以前の大分は4バックがベースだった様子。鹿児島戦の前の栃木SC戦と天皇杯2回戦で今季初めての3バックを試し、そのあとに鹿児島戦で4バックに戻したという文脈のようだ。

 しかしながら、この鹿児島戦が退場者を2人出しての大惨敗だったことは述べておきたいところ。特に2人目の退場は抗議による2枚目ということらしいので、システムはあまり関係ない気もするが、悪い流れから3バックにフォーメーションを変更し、かつ前節は劇的な勝利を挙げていることは踏まえておきたい。

 もっとも、どちらのフォーメーションでもあまり攻撃の狙いは変わらないように見受けられる。バックラインが大きく開き、SBを両方高い位置まで上げて幅を取り、そこからサイドの裏を取るアクションを狙っていくのがコンセプトである。

 どちらのフォーメーションでもあまり関係ないとしたのは3バックの時も片側のCBを上げることで4バック化にシフトすることもあるから。この変化はいかにも片野坂監督らしい変形といえるだろう。右サイドで行われるこの片上げは古くは岩田智輝が担っている。今このチームで同じ役割を担っているのはペレイラである。

 片上げのサイドから3人目が飛んでくるというやり方はかつての大分の十八番であった。4バックでもペレイラはCBから飛んでくることもなくはないけども、後方で残る選手の数を考えれば、3バックの方が安定はする。直近5試合で得た唯一のリーグ戦での得点が子のペレイラがオーバーラップして挙げたクロスが起点になっているように、この動き出しは得点パターンの生命線になっている。

 もう1つのルートはFW陣へのロングボール。中央では長沢が、鹿児島戦では数的不利の状況にてサイドで伊佐がターゲットマンとしての役割を果たそうとしている。どちらもハイボールを収める形をメインに君臨していた。

 このセクションはJ1にいた時と比べると見劣りする部分である。藤本は裏への抜け出しという職人芸があったし決定力はピカイチ。オナイウはスピードとパワーを兼ね備えていた。こういった面々に比べると今のターゲットは預けておけばOKというニュアンスとは少し変わってくる。よって、サイドでのギャップづくりでラインを乱して、こうしたターゲットにクロスを上げることが重要になるのだ。

 守備に関してはきっちりラインを下げて自陣を埋めるやり方を優先することが多いが、4バックの際にはサイドの高い位置で食い止めて敵陣で奪い取る意識もある。この辺りは展開や相手との相性もある印象である。だが、前線の運動力がめちゃくちゃあるわけではないので、物量で押し切るタイプのハイプレスはまず考えにくいように思える。

奇襲に出てくる可能性を抑えるべき

 普通に大分の出方を予想するのであれば、後方を5バックにしてペレイラの攻め上がりと後方の厚みを持たせることを両睨みしつつ、バックラインにボールを持たせて、自陣ではきっちりリトリートをする。磐田戦の川崎のクオリティであれば特にボールを持たせても怖くはないし、撤退したブロックに穴を開けることは難しいと判断されてもおかしくはない。

 しかしながら、気になることがある。片野坂トリニータは川崎に対して前からハメるための方策を授けて向かってくることが多い。例えば、2020年のリーグ戦では前線と中盤がシームレスにアンカーを受け渡しながらバックスにプレスをかけることで、瞬間的に圧力を高めて一気に時間を奪いに来た。

 2021年の天皇杯では4-4-2ダイヤモンドを採用。アンカーと2CBに同時にプレッシャーをかけて、片側サイドに誘導して脱出させないモデルで高い位置からの保持を阻害して見せた。

 というわけで今回もハイプレスに出てくる可能性はある。そうなれば、当然磐田戦とは異なる文脈の試合となる。

 高い位置からボールを追う際の大分の懸念になりそうなのは、川崎は近頃3-2で自陣のビルドアップを組むことが多く、これをマンツーで全て押さえようとすると、後方はかなり手薄になる。鹿児島戦で退場しているように、今の大分のバックスはそうした広大なスペースとどうおつきあいするか?という問題がある。川崎の前線はメンバーにもよるがアジリティは高く、直線的にゴールに向かう力がある。ここで押し切られてしまえば、ハイライン成立は怪しい。そうした懸念が大分サイドにもある中でどこまで高い位置から川崎の保持を阻害しにかかるかが重要なポイントになるだろう。

 ローブロックの5-3-2で組むのであれば、前節と川崎の課題は一緒。2トップ外から侵入し、CBが相手の中盤に影響を与えること。それによってできたスペースで中盤が駆け引きし、相手の背中にパスを通して前進することができるかどうか。アタッキングサードでは他の選手のオフザボールの動きを観察しつつ連動して影響を活用することが重要になるだろう。

 非保持の際に最も気を付けたい前進のされ方は川崎がハイプレスに出た結果、降りるIHがボールを受けるスペースが誕生し、川崎のCHがこれを埋めるように後方から遅れて出ていき、大分のIHに反転を許した結果、川崎のDFラインの背後(SB-CB間)にボールを通される形である。

 この試合にどこまで現状のチームの序列を明確に反映したメンバーを送り込むかはわからないが、夏のミッドウィーク遠征となれば運動量勝負は難しい可能性はある。不用意に高い位置に出ていかずブロックを組んで中央に入れるパスを回収、もしくは中を消しながら外循環のハーフスペース裏抜けを先読みして防いでいきたい。

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)

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