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「EURO 2024 チーム別まとめ」~ドイツ代表編~

目次

代表メンバー

▽GK
マヌエル・ノイアー(バイエルン)
12 オリバー・バウマン(ホッフェンハイム)
22 マルク・アンドレ・テア・シュテーゲン(バルセロナ)

▽DF
アントニオ・リュディガー(R・マドリー)
ダビド・ラウム(ライプツィヒ)
ヨナタン・ター(レバークーゼン)
ヨシュア・キミッヒ(バイエルン)
15 ニコ・シュロッターベック(ドルトムント)
16 バルデマール・アントン(シュツットガルト)
18 マクシミリアン・ミッテルシュテット(シュツットガルト)
20 ベンヤミン・ヘンリヒス(ライプツィヒ)
24 ロビン・コッホ(フランクフルト)

▽MF
パスカル・グロス(ブライトン)
トニ・クロース(R・マドリー)
10 ジャマル・ムシアラ(バイエルン)
11 クリス・フューリッヒ(シュツットガルト)
17 フロリアン・ビルツ(レバークーゼン)
19 レロイ・サネ(バイエルン)
21 イルカイ・ギュンドアン(バルセロナ)
23 ロベルト・アンドリヒ(レバークーゼン)
25 エムレ・ジャン(ドルトムント)

▽FW
カイ・ハバーツ(アーセナル)
ニクラス・フュルクルク(ドルトムント)
13 トーマス・ミュラー(バイエルン)
14 マクシミリアン・バイアー(ホッフェンハイム)
26 デニズ・ウンダブ(シュツットガルト)

※MFアレクサンダル・パブロビッチ(バイエルン)が体調不良で不参加となり、MFエムレ・ジャン(ドルトムント)を追加招集(6/12)

■監督
ユリアン・ナーゲルスマン

GS 第1節 スコットランド戦

クロースの動きで場を支配したドイツがOPマッチを飾る

 大会の開幕を告げるのは開催国のドイツのオープニングマッチ。またしても日本に苦杯を飲んだフリックからバトンを受け取ったナーゲルスマンが代表の大舞台の初陣を飾る一戦。舞台はその2人の指揮官にゆかりの地であるミュンヘンである。

 ドイツのフォーメーションは4-2-3-1。ここからお馴染みのクロースの左落ちでのDFラインへの組み立てへの参加から変形が始まる。2列目はギュンドアン、ムシアラ、ヴィルツの3人がナローに入る。ムシアラとヴィルツは自由に左右を変えてOKという様子。その分、大外はSBが出ていく形であった。

 スコットランドはバックスに無理にプレスをつけない形でのスタート。だが、ドイツはフリーになるクロースから自在にパスを繋いでいく。よってこなければ対角パス、ライン間へのパスを使い分け。対面のマッギンが自分にマークについてくれば同サイドのミッテルシュテットを使う形も見られた。

 この辺りのクロースの司令塔ぶりは本当に自在の一言。先制点はクロース→大外のキミッヒによってラインを押し下げつつ、サイドからライン間に入り込んだヴィルツがミドルを仕留めるという流れだった。

 このようにスコットランドは完全にクロースへの対応に後手に回ってしまった感がある。ライン間と大外の両方を覗かれてしまい、押し込まれるフェーズが続くことに。保持に回ればショートパスで繋ぎながら追い越すアクションを見せたがっていたスコットランドだが、徐々に保持の局面でもそうした余裕がなくなってしまう。

 2点目も起点はクロース。縦方向の移動の自由度を増やしたギュンドアンへの縦パスが通ると、裏への抜け出しを精力的に行っていたハヴァーツが奥行きを作り、最後はムシアラがゲット。さらにリードを広げる。

 クロースとギュンドアンのコンビに対してスコットランドに止める術はなし。PKこそギリギリ免れたが、クリスティがファウルを犯したシーンはかなり後手に回った対応。ミッテルシュテットから一気に押し下げるという形はキミッヒがアシストしたドイツの1点目と左右が逆になっただけという感じであった。

 スコットランドは5-3-2にシステムを変えて、左落ちのクロースを監視することを常態化しやすい形に変更。ただ、ドイツもこれは織り込み済み。クロースが落ちる位置をCBの左から間に変更。CLのドルトムント戦で見たやつである。なお、ドイツが織り込んでいるのか、マンツーをつけられた時の初手としてクロースが織り込んでいるかは不明である。

 というわけで再び守備の基準点を失ったスコットランド。目の前にターがいるのに、降りてくるムシアラが登場することにマクトミネイが混乱。その間にムシアラがあっという間に敵陣を切り裂くと、ポーテアスがギュンドアンに危険なアプローチで一発退場。これでドイツは数的優位と3点目を手にする。

 後半、スコットランドは5人目のDFを投入し、5-3-1と5-4-0の間のようなフォーメーションを採用。ドイツはグロスが登場し、基準点をさらに増やす。ただでさえ中央に立つクロースによって両CBが解放される機会が増えるのに、新たな基準点が増えるというのはなかなかに地獄みがある。

 序盤はガチ感が出ていたドイツだが少しずつ試合自体のテンションがトーンダウン。スコットランドもドイツも次節以降を見据えて主力をガンガン代えていく。それでもドイツはフュルクルクやミュラーの投入により、前線にやる気が再点火されるので厄介。片方はオフサイドで認められなかったが、フュルクルクは2回ネットを揺らした。

 終盤、スコットランドはセットプレーからオウンゴールをゲット。シュートと言えないところから得点を生み出し一矢報いる。このまま終わると収まりが悪いという感じだったドイツだったが、終了間際にエムレ・ジャンが得点。口直しに成功した。

 開幕戦をこれ以上ない快勝で飾ったドイツ。存分に支配力を発揮し、順調な滑り出しを見せた。

ひとこと

 クロースとギュンドアン、あまりにもサッカーがうますぎる。ただ、左落ちに関しては初手も初手だった感もあったので、うまくいくかは別としてスコットランド側にももうちょっと準備の跡が欲しかった。

試合結果

2024.6.14
EURO 2024
グループA 第1節
ドイツ 5-1 スコットランド
フースバル・アレナ・ミュンヘン
【得点者】
GER:10′ ヴィルツ, 19′ ムシアラ, 45+1′(PK) ハヴァーツ, 68′ フュルクルク, 90+3′ ジャン
SCO:87′ リュディガー(OG)
主審:クレマン・トゥルマン

GS 第2節 ハンガリー戦

ハヴァーツが作り出したギャップを生かし切るMF陣

 全チームの中で第1節最多得点を決めた開催国のドイツ。連勝すれば突破は決まり。突破一番乗りを賭けた初戦となる。

 立ち上がりに強襲を見せたのはハンガリー。長いボールの処理ミスを誘発すると、そのままあわやというシーンを作り出す。

 ハンガリーのプランはこのようにきっちりと組んだところからの速攻ベース。5-4-1のローブロックを組み、ライン間はコンパクトに。左右に移動して最終ラインに落ちるクロースに惑わされることなく、シャドーが前に出ていくことと合わせてワイドのCBが前に出ていって陣形のコンパクトさを維持していたのが印象的だった。

 このコンパクトな布陣でボールを奪い、攻め上がるとそこからセットプレーも含めて立ち上がりのハンガリーはコンスタントにドイツのゴールに迫る勢いをみせた。

 それに呼応するようにドイツのチャンスもトランジッション色が強め。右のサイドに流れるハヴァーツがギャップを作り出してラインを押し下げつつ、中央に侵入するギュンドアン、ムシアラ、ヴィルツにチャンスを供給する。ハヴァーツの動きだしはブロックを組んだ静的な局面でも機能。5バックにギャップを作り、オフサイドにかからないように手前と奥でスペースを受けながらコントロールするスキルはとても見事であった。

 ライン間のわずかなスペースの創出を右サイドからコンスタントに行っていたドイツは前半のうちになんとか先制点をゲット。サイドからライン間のギャップに差し込んだヴィルツのパスを起点に中央を一気に攻略。ギュンドアンのコンタクトはお咎めなしとなり、ムシアラのゴールが認められることとなった。

 このシーンでも思うのだが、ドイツのMF陣は速いボールを狭いスペースで受けてコントロールするのが抜群にうまい。この特性とハヴァーツが作り出すわずかなスペースは相性がいいのだろう。

 ハンガリーはショボスライのFK以降、なかなかチャンスを作れず。ケルケズの思い切りのいい攻め上がりまで辿り着けば推進力を持ってゴール付近まで辿り着けそうな気もしたが、そうしたシーンを作り出せるようなタメは少しずつハンガリーから失われていった。リード後はドイツの支配を崩せないままハーフタイムを迎える。

 後半も試合の流れは同じ。きっちりとボールを動かすドイツに対して、ハンガリーは速い攻めからのカウンターでセットプレーまでたどり着く。ドイツの支配は苦しかったが、カウンターに出ていける分だけ前半のいい時間の感覚は取り戻したかなというハンガリーであった。

 しかしながら、優勢なドイツは愚直にフリーの選手から背後のスペースを狙うアクションを欠かさずにハンガリーを自在に押し下げる。このフリーランのサボらなさは相手からすれば脅威だろう。

 すると、左サイドからのミッテルシュタットの裏抜けからの折り返しに合わせたのはギュンドアン。深さができたところに飛び込むお馴染みのゴールシーンでさらにリードを広げる。

 この2点目はハンガリーに重くのしかかった感がある。ゴール前まではいけるが、クロスはきっちり跳ね返されるという状況のハンガリーにとって勝ち点獲得が視野に入るのは1点差までだったよう思う。

 最後はアダムを入れてストライカーを増員するが、押し込むという前提を作ることができないまま終戦。終盤もシュートを重ねるドイツに対してハンガリーはピタッとシュートが止まってしまった。

 ローブロックを丁寧に壊したドイツが連勝に成功。11人が相手でも問題ないことを証明し、GS突破一番乗りを果たした。

ひとこと

 主導権を保持で握り返してくるタイプの相手と戦っていないのは気にはなる。だが、押し込む相手に対してなかなかこじ開けられないシナリオを回避するという最低限のミッションはクリアしたと言えるだろう。

試合結果

2024.6.19
EURO 2024
グループA 第2節
ドイツ 2-0 ハンガリー
シュツットガルト・アレナ
【得点者】
GER:22′ ムシアラ, 67′ ハヴァーツ
主審:ダニー・マッケリー

GS 第3節 スイス戦

なりふり構わぬナーゲルスマンを救った最強のスーパーサブ

 すでに突破を決めているドイツだが、この試合もフルスカッド。2位濃厚とはいえ勝ち点を重ねて突破を確実にしたいスイスにとっては迷惑な話だろう。

 立ち上がりはフラットなスタートだったが、徐々にドイツがボールをもつ展開にシフト。いつも通りのレーン移動が自在な2列目とハヴァーツで左右に動き、クロースはバックスに落ちる位置を変えながらスイスのバックスと駆け引きを行う。

 スイスは5-4-1の陣形を守りつつクロースに対してはリーダーが深追いするパターンを時折見せる。ただし、マンツーで絶対に捕まえる!というわけではなく、遠い場合には陣形をキープすることを優先する柔軟さを見せる。

 リーダーが出て行く行かないに関わらず、中央をきっちり閉めるアクションはスイスはできていた。ムシアラの落としをギュンドアンが狙ったシーン以外は中央をこじ開けるような形をドイツが作ることができなくなっていた。

 そうした中でアクセントになっていたのは左の大外のミッテルシュテット。背後をとっての左サイドからの押し下げでボックス内にスペースを作る。ファウルにより得点は無効になったが、インサイドに起点を作ることができないドイツにとっては大外からの押し下げは非常に助かるものだった。

 しかし、ドイツはこのゴール取り消し以降、少しずつボールをロストする位置が低くなっていく。スイスは自陣からの長いカウンターを効かせられる状況ではなかったし、保持での変形を見せるほど時間が稼げるわけでもなかったが、高い位置から捕まえられるとなれば話は別。中盤のプッシュアップから少しずつドイツに圧力をかけていき、敵陣での時間を作る。

 すると、先制点を決めたのはスイス。左サイドのシンプルな攻略でドイツの背後をとるとエンドイェが抜け出しからゴールを決めて先制する。

 テンポを取り戻したいドイツだが、中央でのコンビネーションが機能不全な状況を改善できず。特にムシアラの球離れの悪さがこの試合ではマイナスに作用しているように思えた。持ち味と紙一重なので難しいところではあるが、ライン間に2列目を集約している連携がうまく機能しなかったのは確かだろう。

 逆にいえばスイスのコンパクトさがムシアラを狭いスペースから締め出してタッチ数を増やすことを誘発したとも言える。それくらい中盤のスイスの守備の連携は見事。中盤で出ていって3枚になっている時のカバーリングも含めて枚数が微妙に変わっても埋める守備ができていることはドイツを苦しめて前半をリードで折り返す要因となった。

 後半の頭もペースとしてはスイスが優位。高い位置からの追い込みが機能し、ドイツのビルドアップを阻害する。ブロックの中でボールを受けることができないドイツは苦戦。ヴィルツからのタッチダウンパスのようなアクロバティックなチャンスメイクからでなくてはゴールに辿り着けない。ラウムとシュロッターベックを投入する後方の左サイドのユニットチェンジも効果は限定的だった。

 ここからは両チームとも選手交代によるシフトチェンジを図る。3枚替えで前線を総とっかえしたスイスはプレッシングのためのエネルギーを再チャージ。連携面ではやはり未成熟なところもあるし、エンボロのように独力で体を張って時間を作ることができる選手もいなかったが、それでも高い位置から追いかけて行く形で勝負をかけていく。

 持続可能のための交代を図ったスイスに比べて、ドイツは抜本的なモデルチェンジに着手。バイアー投入による2トップ移行を皮切りに、フュルクルクなどタワー系の選手を投入。サイドにはサネを入れてワイドから起点を作る。大外からのシンプルクロスという前半とは全く異なるアプローチでひたすらスイスを殴る。ハヴァーツと交代で入った2人のFWをひたすら狙っていく。

 かなりテイストの変わったドイツの攻撃が奏功したのは後半追加タイム。決めたのはフュルクルク。最強のスーパーサブであるストライカーがスイスから首位の座を奪還。フランクフルトで相見えた両チームは共にノックアウトラウンド進出を決めたが、首位での突破は開催国のドイツという結果となった。

ひとこと

 フルメンバーでのスタメン+なりふり構わない首位奪還というナーゲルスマンのスタンスはグループBとの対戦となる2位だけは絶対回避!ということでいいのだろうか。あと、ジャカのミドルとノイアーのセービングは大会名勝負数歌。

試合結果

2024.6.23
EURO 2024
グループA 第3節
スイス 1-1 ドイツ
フランクフルト・アレナ
【得点者】
SWI:28′ エンドイェ
GER:90+2′ フュルクルク
主審:ダニエレ・オルサト

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