志の高さでは埋められなかった差
グループC、ウルグアイの初戦は中米のパナマである。ボールを一方的に持つのはウルグアイ。パナマは敵陣では高い位置からのプレスに出るなど志の高さは見せていたが、きっちりショートパスからボールを動かしていくウルグアイに対してなかなかハイプレスが実ることはなかった。
押し込むフェーズに入ったウルグアイはサイドから揺さぶりをかけていく。右サイドからはナンデスのシンプルなクロス。左サイドからは手数をかけて前を向いた形を作り、ボックス内に迫っていく。クロスに対しては複数枚を用意しておき、バイタル付近ではセカンド回収。波状攻撃を仕掛けていく。
パナマはボール保持に回るとCBが低い位置から繋ぐ意思を見せる。広くビルドアップを行いながら、どこかで1トップのネルソンにボールを当てて、ここから攻撃を仕掛けていくスタイル。CHのカラスキージャはサイドに振りながら中央に差し込むみたいなこともやっていて、面白さを見せてはいた。
ネルソンはボールをキープできそうではあったが、押し上げが効かずに前に枚数を揃えられず。また、揃えることができてもウルグアイの守備の前ではなかなかできることがないという状況。攻撃のソリューションは見えてこない。
むしろ、自陣からのパスでウルグアイにプレゼントを渡してしまってのチャンスの方が気になるくらい。こちらも志は高いがなかなか実を結んではいないと言ったところだろう。
押し込むウルグアイは順当に先制点をゲット。左サイドの縦の緩急を使ったパスからフリーになったマクシミリアーノ・アラウホがスーパーなミドルを打ち込んで試合を動かす。
これ以降もペースはウルグアイ。押し込むフェーズの波状攻撃とハイプレスからのカウンターから主導権を握る。パナマは前半の終盤にわちゃわちゃしたところからチャンスを作るが、クロスをGKにキャッチされたところで攻撃をあっさりと寸断されてしまい、ビハインドのままハーフタイムを迎えることとなった。
ウルグアイは後半も前半から効いている左右からのクロス攻勢からチャンスを作る。シュートが枠をとらえなかったこともあり、なんとかパナマはボールを前に繋ぎサイドから解決策を探る。
落ち着いて対応していたウルグアイだったが、オリベイラのパスミスからネルソンに決定機を与えると、ここから試合はバタバタした展開に。中盤でもサイドでも緩さが目につくようになったウルグアイに対してパナマが主導権を握る時間帯となった。
しかし、そうした展開も10分もすれば落ち着くように。強引な迎撃守備と押し込むポゼッションでウルグアイが主導権を回復する。ゴールに辿り着くには時間がかかったが、最終的にはクロスからの折り返しがこぼれてきたヌニェスが追加点を決める。試合の結果はこれで決まったと言えるだろう。
さらにセットプレーからデ・ラ・クルスのクロスから追加点を奪ったウルグアイ。3点で完勝劇かと思われたが、終了間際に甘いロングボール処理をきっちりと空いたスペースを使いながら咎められて失点。パナマが意地の一撃を決めたところでファイナルホイッスルを迎えた。
ひとこと
試合中盤では緩さも見られたウルグアイだったが、その緩さを咎められるほどの力の差は小さくはなかった。
試合結果
2024.6.23
コパ・アメリカ 2024
グループC 第1節
ウルグアイ 3-1 パナマ
ハードロック・スタジアム
【得点者】
URU:16′ マクシミリアーノ・アラウホ, 85′ ヌニェス, 90+1′ ビニャ
PAN:90+4′ ムリージョ
主審:ピエロ・マサ