ジリジリとした展開を制したアルゼンチンが決勝T進出
初戦はカナダに勝利したアルゼンチン。次の試合はチリとの一戦である。まずはゆったりとボールを持つアルゼンチン。チリの守備の基準は2トップが中盤をケア。バックスへのチェックはかなり限定的であった。
アルゼンチンの保持時のフォーメーションは大外にゴンザレスとモリーナが入る左右アシンメトリーな形。3バックをベースにボールを動かしていく。だが中盤が全体的に重心が低く、かつ前線のオフザボールは乏しい。というわけでボールを持てる割に相手を動かすことができない。
チリはコンパクトなブロックを組むことができていたので、ライン間へのパスからカウンターをすることもしばしば。保持に回ればアルゼンチンはゴンザレスがDFラインに入る5バックを形成するので、こちらも非保持の重心は低め。メッシがいれば高い位置からプレスをかけるのが難しいのではよくわかる。
後ろに人を置くアルゼンチンに対して、チリはなかなか攻め手を見つけることができないまま苦戦。崩しの糸口を見つけることができない状態が続く。
どちらも重たい展開になったが、保持できっかけを見つけられそうだったのは保持側のアルゼンチンだろうか。チリは中央に刺すパスに対してたまにチェックが重なる場面がある。そのため、そこから逆サイドに展開されることもしばしば。同サイドに圧縮しきれない場面が出てくると、アルゼンチンは少しずつチャンスが広がっていく。
だが、それでも生み出すことができた決定機はゴンサレスの抜け出しからマイナスのアルバレスの決定機くらい。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。
後半もアルゼンチンの保持が優勢。広い保持からチリの誘導を外すようなビルドアップからボールを動かしていく。むしろ、チリのプレスに食いつかせて、芋づる式に相手の中盤を引き出すシーンが出てくるなど、アルゼンチンはチリのプレスを利用して前進が見られるようになっていく。食いつかせて、逆サイドに振って、大外から抜け出すのが鉄板パターンである。
チリはカウンターに出ていく姿勢は見られていたがアルゼンチンが優勢の後半の立ち上がり。70分が過ぎると少しずつチリもチャンスを作っていく。右サイドを軸に抜け出してのマイナスのクロスからミドルシュートを放つが、これはマルティネスを前に阻まれてしまう。
ジリジリした展開が決着したのは88分。CKからこぼれ球をラウタロ・マルティネスが押し込んでついにアルゼンチンが先制する。このゴールを守り切ったアルゼンチンは開幕から連勝スタート。危なげなくノックアウトラウンド進出を決めた。
ひとこと
ちょっと重たい展開かなと思ったが、保持で相手を動かして穴を開けることに関してはアルゼンチンが優勢かなといった感じだった。
試合結果
2024.6.25
コパ・アメリカ 2024
グループA 第2節
チリ 0-1 アルゼンチン
メットライフ・スタジアム
【得点者】
ARG:88’ ラウタロ・マルティネス
主審:アンドレス・マトンテ