見ごたえがある不均衡な好ゲーム
コパアメリカは2周目に突入。ペルーと対戦するのは初戦でアルゼンチンに敗れたカナダである。
序盤はカナダの保持が目立つ展開に。2人のCBにCH、そして右のSBの5枚のフィールドプレイヤーが低めに構えるペルーのプレス隊の手前でビルドアップに関与する。さらにカナダは2列目もボールを低い位置まで受けに来る意識が高め。ゆったりとボールをもつ展開となった。
はじめは様子を見ていたペルーだが、10分が過ぎると徐々に前からのプレスにシフト。カナダに速い展開を強いる。カナダはボールを持たない時間帯は高い位置からのプレスに積極的に出て行く展開だったので、試合は中盤から一気にハイテンポになっていく。
この展開でやや優位を取っていたのはペルーか。カナダのプレスに対して、横断で逆サイドまでボールをつなぐことができればひとまず攻撃をやり切るビジョンは見える。ハイプレスに来られると苦しいカナダに比べると、ペルーの方が攻め筋はある展開に見えた。
そんなペルーはセットプレーからネットを揺らすが、これは圧倒的にオフサイド。先制点をモノにすることはできない。
審判が倒れてしまうなどアクシデントも見られた前半だったが、スコアは動くことはないまま終了。スコアレスでハーフタイムを迎える。
後半、カナダは3枚の交代選手を投入し、ハイプレスにシフト。ペルーはこれに全面的に応じ、ハイラインの裏をいかに取り合うかという立ち上がりとなった。
この展開でババを引いたのはペルー。アラウホの退場で10人となり、残りの時間を数的不利で過ごすことに。5-3-1にシフトして凌ぎたいペルーだが、カナダは左右に動かしながら薄いサイドの侵略に成功するように。特にカナダの左サイドのデイビスとシャッフェルバーグに対する蓋が徐々に間に合わなくなる。
すると74分にカナダは先制。自陣からの攻撃を加速させたのはラリンのポストプレー。ここから発動した速攻を完結させたデイビスがゴールを挙げる。
ビハインドとなったペルーは10人という数的不利の状況に構わず、終盤の猛攻に打って出る。特に右サイドのカリージョ、ゲレーロが起点となりここからゴールを狙っていく。終盤はセットプレーも含めてそれなりに手ごたえのあるチャンスを迎えることができていたペルー。
しかしながら、カナダのGKのクレポーのファインセーブに遭ってしまい、ネットを揺らすことはできず。数的優位のカナダがきっちりと逃げ切り勝利を収めた。
ひとこと
静的な展開と動的な展開が交互にやってくる見ごたえがある展開。10人ながらも粘ったペルーにも賞賛を送りたい。
試合結果
2024.6.25
コパ・アメリカ 2024
グループA 第2節
ペルー 0-1 カナダ
チルドレンズ・マーシー・パーク
【得点者】
CAN:74′ デイビス
主審:マリオ・エスコバー