課題を残しながらもエクアドルが順当な勝利
直線的にデュエル合戦となったこの試合。前に収まりどころをなかなか見つけることができないジャマイカに対して、保持での心得があるエクアドルが少しずつ展開を落ち着かせることができるようになっていく。
エクアドルは非保持でも積極策。3バックに噛み合わせるように高い位置からのプレスに出て行くように。意外だったのはジャマイカのリアクションである。アントニオに蹴っ飛ばして祈る流れになるのかなと思ったのだが、なんと早々にCCBのラティオーディエールを中盤に組み込む4-2-3-1へのシフト。これでエクアドルのプレスに対してギャップを作りに行く。
この変更でエクアドル寄りだったペースは乱れ、中盤での主導権の握りあいが進むように。エクアドルはサルミエントが目立つ展開となったが、やや強引さが先行してしまい、ゴール前のところで精度を欠いてしまう。
そうした中でセットプレーから先行したエクアドル。左サイドからインカピエが上げたクロスが対面の選手にディフレクトすると、これがゴールにダイレクトに入り先制。幸運な形でスコアを動かす。
失点して以降もジャマイカは中盤でのデュエルでも引けを取らずにエクアドルと真っ向から渡り合っていた。ライン間でも普通にボールをつなぐことができていたし、先に挙げた4バックへのシフトに踏み切るスピード感を考えても、それなりに保持に心得があるチームなのかもしれない。
しかしながら、乱戦気味の中でチャンスを得たのはエクアドル。PA内のハンドからチャンスをつかむと、このPKをパエスが仕留めてさらにリードを広げることに成功した。
後半はジャマイカがより手段を選ばずに前進の策を講じてきた感がある。右に流れるアントニオを起点に高い位置に収めどころを作るとここからのクロスでボックス内を狙っていく。
すると、セットプレーから追撃弾をゲットしたのはジャマイカ。こぼれ球をアントニオが仕留めて1点差に詰めよる。以降もアントニオは相当な脅威になっていたがさらにエクアドルのゴールネットを揺らすには至らなかった。
ただ、結果的に勝利はしたもののエクアドルには課題が残る後半となった。W杯での戦いぶりやモイゼス・カイセドを中盤においていることからもわかる通り、彼らはもう少し保持から試合をコントロールできるはずのチーム。それでありながら、行ったり来たりというジャマイカにまだチャンスを残してしまうような展開から脱することができなかったのは少し残念。今後を見据えた時にはもう少し保持で試合を落ち着かせる手段は欲しい。
それでも91分にヨルディ・カイセドが追加点を奪うと試合は決着。エクアドルが順当に試合を制した。
ひとこと
ジャマイカ、思ったよりも面白いチーム。次の試合も楽しみ。
試合結果
2024.6.26
コパ・アメリカ 2024
グループB 第2節
エクアドル 3-1 ジャマイカ
アレジアント・スタジアム
【得点者】
ECU:13‘ インカピエ, 45+5’ パエス, 90+1’ ミンダ
JAM:54‘ アントニオ
主審:クリスティアン・ガライ