ブロック崩しの解決策を見つけられなかったメキシコ
グループBの突破をかける直接対決。引き分けでOKなエクアドルに対して、メキシコは勝利が必要な状況である。
なんとか主導権を握りたいメキシコであるが、エクアドルは高い位置からのプレッシングからメキシコがハイプレスに出ていく。メキシコはこれに対して自陣でのパスミスからファウルを犯すなどバタバタとした立ち上がりとなる。
しかしながら、エクアドルにも少し難がある。カイセドがビネダの受け渡しを迷うなど、非常に流動的な動き回りのメキシコの中盤に対して後手を踏む場面が出てくるようになった。
メキシコはハイテンポな状態を生み出すことで非保持でエクアドルに対してプレッシャーをかけていく。テンポが早くなることにデュエルが増えていき、ファウルでゲームが止まることが増える展開となっていく。
エクアドルは早い展開の方がチャンスを作れそうであった。前線のバレンシアやロドリゲスが上下動する事により、奥行きを作り出していく。ゆったりとした保持では3-2-5ベースではあるが、メキシコのプレスを前になかなか機能的な前進をすることができない。この辺りはメキシコの保持に対するエクアドルのプレッシャーの緩さゆえという感じだろうか。
後半もメキシコがボールを持ちながら解決策を操るスタート。CFの深さづくりに加えて、サイドのWGのバッグドアに組み合わせて、ハイプレスでの即時奪回と圧力を高めながら勝負を仕掛けていく。
しかしながらもエクアドルは交代でリフレッシュすることで少しずつテンポを取り戻していく。押し込むフェーズを増やしていくが、メキシコも縦に速く反撃に出ることでより展開は早まり両チームともゴール前での局面が増えていく。
どちらのチームもゴール前でのブロック崩しの決め手がなく試合は刻一刻と終了のホイッスルに近づいていく。そんな最中、後半追加タイムにメキシコに大チャンス。マルティネスがPKを獲得。しかしながら、これはOFRで取り消し。
試合はそのまま終了。大きく明暗を分ける終盤のPKのピンチを逃れたエクアドルがスコアレスドローでノックアウトラウンドへの進出を決めた。
ひとこと
痺れるような一戦。コパアメリカらしい緊張感があった。
試合結果
2024.6.30
コパ・アメリカ 2024
グループB 第3節
メキシコ 0-0 エクアドル
ユニバーシティ・オブ・フェニックス・スタジアム
主審:マリオ・エスコバー