強度で勝る時間帯を制せないしっぺ返し
2連勝ですでにグループステージ突破を決めているウルグアイ。アメリカはここで勝ち点を積み上げなければ敗退の可能性も出てくる。パナマ戦を10人で落としてしまった影響はここまで根強く残っている。
立ち上がりはそういったアメリカの追い込まれてしまっている状況がよく体現されているスタートだった。ボールを素早くサイドにつけると、積極的なオーバーラップから三人称での崩しを軸にボックス内に入っていく。
ウルグアイはサイドで枚数を合わせて守ろうとするが、アメリカは少ないタッチでこれを回避。ウルグアイに捕まらないためのパスワークはさすがではあったが、やはり少ないタッチばかりでタメが作れないことや、相手を交わすタイミングにアクションが限定されていること、そして体勢が苦しいことなどもあり、クリティカルにパスが通るシーンは少なかった。プレス耐性の強さ、特に中盤のポジションチェンジからフリーになるアクションなどは目を見張るものがあったが、ボックス内に勢いを持って迫るという観点では少し難しいところもあったのは事実だ。
一方のウルグアイも序盤はボールを持つターンになればスピーディーな縦への進撃が求められる展開に。しかしながら、アメリカのプレスはウルグアイと比べても強烈なものではなかったため、徐々にバックスがアメリカの中盤を超えられるかどうかの展開に。レイナの背後を取ることでアメリカを背走させる場面も見られた。
だが、展開は徐々に荒れ模様。激しいコンタクトからプレーが止まる場面が多々発生する試合に。小競り合いから試合中継映像の乱れまであらゆる形で試合にフォーカスできない状況が生まれることとなった。
仕切り直し感があった後半。アメリカはサリーで相手を外しながらの前進にトライ。サリーする中盤のスペースに入り込んだレイナから前半よりも落ち着いた状況からボールを動かしていく。非保持ではハイプレスにトライ。こちらでもリズムを掴みにいく。
だが、ウルグアイもトップ下のデ・ラ・クルスが左右に動きながらフリーになるなどポジションの調整から落ち着いてリズムを取り返しにいく。徐々に保持から主導権を握ったウルグアイ。クイックリスタートなどのクレバーさなど余裕がある状況を活かしてのチャンスメイクが光るように。
するとセットプレーからウルグアイは先制。オリベイラのゴールで試合を遂に動かす。
反撃に出たいアメリカだが、失点後もプレスのギアが入らない。終盤は左サイドからの細かいコンビネーションで敵陣に迫るアメリカだったが、割り切って後方をプロテクトすることにシフトしたウルグアイを崩すことができず。他会場ではパナマが勝利を挙げたため、開催国はここで姿を消すこととなった。
ひとこと
パナマ戦からそうだけども、この大会のアメリカはどうもいい流れを掴みきれないまま敗退まで追い込まれてしまった感があった。
試合結果
2024.7.1
コパ・アメリカ 2024
グループC 第3節
アメリカ 0-1 ウルグアイ
アローヘッド・スタジアム
【得点者】
URU:66‘ オリベイラ
主審:ケビン・オルテガ