力の差を見せた甲府が完勝
ボールを動かすスタートとなったのは甲府。バックスに動的な成分を加えながら前進を狙う。佐藤がサリーで最終ラインに入ると、右サイドのユニットがその分前線にスライドする。
押し上げられた右サイドはあっさりと先制点をゲット。中盤で段差を作った佐藤と中山で藤枝の中盤を越えると、右サイドから抜け出した鳥海からのクロスを最後はアダイウトン。見事な右サイドの崩しを仕留めての先制点となった。
失点後、中央に慌てて刺すなど藤枝は保持に転じた時に少し慌てた様子を見せた。しかしながら、サイドからの押し下げでだんだん落ち着くようになっていくと、プレスの意識もアップし少しずつ敵陣でのプレータイムを増やしていく。
甲府からすれば背後が空く状態はカウンターのチャンスではあるが、精度が足りずに藤枝の高いラインをひっくり返すことができない。藤枝もまたサイド攻撃でそこまで相手を動かせなかったため、試合は若干膠着状態になった。
その状況を変えたのはカウンターからチャンスを迎えた甲府。ウタカの抜け出しからの決定機は防がれたが、CKからの二次攻撃から荒木が驚きのミドルシュートを決めてリードでハーフタイムを迎える。
後半も攻撃の手を緩めなかった甲府。後半に目立っていたのは前線で見られたポジションレスの動きであった。特に神出鬼没の鳥海が非常に厄介。一度はオフサイドで難を逃れることができていたが、64分には今度こそクリーンな抜け出しから試合を決める追加点を得ることができた。
アグレッシブなハイプレスに後半もトライした藤枝だが、効果は限定的。失点を重ねたため、強引にプレスに行くがその分更なる縦への間延びが誘発されるという状況になってしまう。
後半に入ったマクーラにとってはこのようなハイラインを打ち破ってゴールに迫れる状況はありがたいと言えるだろう。スピーディなカウンターから相手を一気に押し下げる狙いを体現することができていた。
最後はきっちりと自陣をプロテクトして3点差を守り切った甲府。藤枝に力の差を見せつけてホームで観客に完全勝利を届けることに成功した。
ひとこと
スイッチを入れた時の前線のクオリティには少し差があったように見えた。
試合結果
2024.8.10
J2 第26節
ヴァンフォーレ甲府 3-0 藤枝MYFC
JITリサイクルインクスタジアム
【得点者】
甲府:8‘ アダイウトン, 45+1‘ 荒木翔, 64’ 鳥海芳樹
主審:俵元希