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「Catch up J2 League」~2024.8.31 J2 第29節 ヴァンフォーレ甲府×鹿児島ユナイテッドFC ハイライト

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想定外の失点からギアチェンジできず

 ゆったりとボールを動かすスタートとなったのはホームの甲府。4-4-2で構え、バックラインに無理にプレスをかけてこない鹿児島に対して、後方から焦ることなくボールを動かしながら解決策を探っていく。

 鹿児島の4-4-2は同サイドへの圧縮の意識が非常に高く、特に前の4枚はボールサイドに強く寄る傾向があった。CHの前線へのプレスのスライドはこの4枚がすべて交わされてしまった時の次善の策である。

 ボールに近いところを塞ぎ、インサイドをきっちり固めながらボール周辺の圧力を高めることが鹿児島のコンセプト。鹿児島の前4枚を動かして中盤を引き出すことができれば、保持側がインサイドに差し込むことができるチャンスは出てくるが、甲府はそこまで保持で器用なチームという感じではなかった。

 そのため、甲府の攻撃は外循環のボール周りを強いられることに。インサイドに差し込めば当然カウンターの恐れも出てくるため、まずは安全地帯から放り込むことでよりリスクの低い解決策を見つけられるかという探りを入れる立ち上がりとなった。

 鹿児島からすれば、この外循環の保持に対して問題なく立ち回れれば甲府を苦しめることができたはずである。甲府が単調なクロスに終始していたこともあり、おおむね順調な跳ね返しを見せていた鹿児島であったが、23分に外山のクロス対応がミスとなり、オウンゴール。甲府にリスクの低い状態からの得点を許してしまう。

 非保持ベースで組むチームのつらいところは何かを間違えて失点を引き起こしてしまった時にギアチェンジが難しい場合があることだ。鹿児島はまさにそういうチーム。ポゼッションの時間を確保することはできていたが、甲府の2列目を越えるのに非常に苦労しており、ゴールに迫ることができないまま前半を終えてしまう。

 後半の鹿児島の入りは悪くなかった。幅を使った攻めで前半よりも甲府を押し下げながらプレーすることができており、ゴールに対する物理的な距離は縮まった。

 しかしながら、甲府は中盤に降りる鳥海からボールを少しずつ落ち着かせると、保持から回復に成功。ゴール前の守備も最後まで手を緩めない。

 モノトーンのまま終了した試合は甲府が逃げ切りに成功。勝ち点3を手にした。

ひとこと

 ブロック守備の強度とどれだけ殴れるか勝負のシンプルな試合だった。

試合結果

2024.8.31
J2 第29節
ヴァンフォーレ甲府 1-0 鹿児島ユナイテッドFC
JITリサイクルインクスタジアム
【得点者】
甲府:23′ 外山凌(OG)
主審:松澤慶和

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