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「勝負の9月が本格化」~2024.9.4 Jリーグ YBCルヴァンカップ Quarter-final 1st leg 川崎フロンターレ×ヴァンフォーレ甲府 プレビュー

目次

Fixture

Jリーグ
YBCルヴァンカップ
Quarter-final 1st leg
2024.9.4
川崎フロンターレ
×
ヴァンフォーレ甲府
@Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

戦績

近年の対戦成績

直近10回の対戦で川崎は7勝、甲府の1勝、引き分けが2つ。

川崎ホームでの戦績

過去10戦で川崎の5勝、甲府の1勝、引き分けが4つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 直近6試合の対戦では川崎が無敗(W4,D2)
    • 直近2試合はドロー。
  • 直近19試合の甲府戦で川崎は全試合得点を決めている。
  • Jリーグカップでの対戦は2013年のグループステージが最後。川崎が1-3で勝利。2007年には今回と同じくQFでの対戦で川崎が延長戦を制している。
  • 川崎ホームでの対戦は直近8試合甲府に負けていない(W4,D4)

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • ジェジエウは肉離れにより一時帰国。
  • 高井幸大は代表により離脱中。
ヴァンフォーレ甲府
  • 主だった負傷者はなし。

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • 敗れれば今季2回目の公式戦3連敗。
  • J2に所属しているクラブとの対戦は直近5戦で3敗を喫している。
    • 2024年天皇杯の大分戦、2023年リーグ杯GSの清水戦(A)、2022年天皇杯の東京V戦。
  • リーグカップQFは直近7試合負けがない(W2,D5)。
  • しかしながら、直近2大会のQFではいずれも2試合連続ドローでのアウェイゴールルールでの敗退を喫している。
    • 2023年にルールは撤廃されたため今回は同様のケースでの敗退の可能性はなし。
  • スターターで出場した選手は直近243分間得点がない。
  • エリソンが今季ホームで得点を決めた3試合はいずれも敗北している。
ヴァンフォーレ甲府
  • 公式戦直近5試合で4勝。
  • 今季ここまで経験した関東のアウェイゲームは3戦全勝。
  • Jリーグカップのノックアウトラウンド進出は3回目。過去2回はそれぞれ柏(2018)と川崎(2007)に準々決勝で敗れており、ベスト8が最高成績。
  • 直近10試合のJ1とのカップ戦で5勝(D2,L3)。
    • 引き分けでPK戦にもつれた2試合も勝ち上がり。
  • ピーター・ウタカは今季公式戦11得点でチームハイ。
    • 得点を決めた試合で負けはない。
  • 鳥海芳樹が2022年以降に公式戦で決めた16得点のうち、13得点が7月以降に生まれている。

予習

第26節 藤枝戦

第27節 清水戦

第29節 鹿児島戦

展望

変形で押し上げれば変幻自在なフリーランが解放される

 3連勝からの2連敗。川崎は勝負の9月を下り調子で幕開けすることとなった。このタイミングで相対するは甲府。2月に同じタイミングでACLから姿を消した両チームの対戦となる。

 甲府の基本的なフォーメーションは3-4-3。3-4-3を構成する人員にはそれなりに動きがある印象ではあるが、この箱そのものはそこまで大きく変わることはない。

 バックラインはゆったりとしたポゼッションからのスタートが多いが、敵陣にスペースがある場合は前線を生かして素早く縦に急ぐ場合もある。ただし、アダイウトン以外の選手はそこまで単独での馬力があるわけではないので、きっちりスペースがあるとき以外は慎重に試合を進めることが多い。

 得意なのは背後にスペースがあるチームだろう。押し込むフェーズに突入して奥行きをサイドから作ることになると、この辺りはあまり突き詰められないなという印象。シンプルなクロスから高さをつかってくることが多く、正直単調なところが多い。

 ただ、ミドルゾーンに構える相手に対しては後方からの移動でバックラインを前に押し出すことで変形。特にシャドーの鳥海は神出鬼没。左右に自由に動きつつ背後を狙うアクションからゴールに迫る動きを見せている。

 甲府のポイントになるのはこのような前線の解放ができる余裕が後方にあるかどうか。CHが最終ラインに降りて、サイドを押し上げるような形になり、WBをWG化することができれば鳥海は浮きやすくなる。

 しかしながら、バックラインがプレス耐性に極端に強いわけではないので、寄せられれば蹴らざるを得ない。そこそこ前から追ってきてくれてラインを高く設定される方がそれなりに都合がいいが、強度でねじ伏せられると厄介ということだろう。

 守備は前線からのプレスに思い切りいくというよりはきっちりリトリートすることで自陣のスペースを埋めることを優先するイメージ。ウタカやアダイウトンを抱えながらすべてを追いかけてプレスに行くのは難しい。

 構える守備に関しても最後方にブロックの壁を築くというよりは、ミドルゾーンでCH2人とシャドーの2人がフラットになることで面を作りながら跳ね返すイメージが近い。高い位置からは奪いに行くほどの体力はないが、なるべく高い位置から奪い取って前線のカウンターにつなげる意識はあるはず。ミスが絡むカウンターをゴール前に持っていく最短ルートを目指して、ジリジリとミドルゾーンで相手の選択肢を奪い取りに行く。

 自陣での塹壕戦にもそれなりに腕に覚えがあるが、特に攻撃時に前に出て行くことを考えると自陣でがっちり組むよりはもう少し奪う位置は高くしたい。トランジッション色が強くなると、少し怪しいところはあるので、リードをされて少し追いかけるような必要性が出てくると難しい展開となるかもしれない。

序列が変わる可能性のあるポジションは

 甲府がどの程度このコンペティションに力を入れるのかは見えてこないが、J1を多く撃破した実績や三平やウタカといった少ないチャンスを決めたり、ワンプレーで流れを変えたりすることができるベテランもいる。おそらくは川崎からすると苦しい戦いになるだろう。

 個人的な感想としても相性はあまりよくないように思える。甲府の保持が刺さりそうなのは「前からのプレスがハマらないのに最終ラインが高く、同数近くでうけるためポジションチェンジへの対応が後手になりやすい相手」ということで川崎はこれにばっちり当てはまることになる。単に放り込むだけのプレーも跳ね返しに専念されればそんなに簡単にこじ開けられる感じはしない。クロスを上げる前の工夫が必要だが、状態が悪い時はこの部分が相当単調になるのが今の川崎だ。

 光になるのはプレス隊の圧力が高いチームではないということ。バックラインの保持でのトライから2列目を引き出すという札幌戦で完全に消し飛んでしまったスタイルには再トライをしやすい状況が整っている。

 ただし、川崎側にも制約はある。もちろん、メンバーの入れ替えだ。間隔を空けてリーグ戦に専念できることが多かった今季の川崎だが、9月以降はそうは言っていられない。勝ち点を積むところに余裕ができなかったことや大南や瀬古の退団もあり、ACL開幕に向けて層の拡充は9月までずれ込んだ感がある。

 いくら基準を大事にする鬼木監督でもこの9月のスケジュールはメンバーを入れ替えなければどうにもならないことは承知しているだろう。特に札幌から中2日で帰ってきたこの試合は大きくメンバーを入れ替えて戦うことになると予想する。特に、大島は札幌で90分プレーしており、この試合はスキップが濃厚。家長も連続での出場が続いているため、スターターから外れる可能性もある。

 夏場の保持で落ち着かせるスタイルはほぼこの2人と高井、佐々木のCBが軸として担っていた感がある。仮にこのうち3人がいないとなれば、川崎のこの試合の課題は「従来できていたことを取り戻す」というよりも「新たなメンバーで着地点を探す」ということになるだろう。

 メンバーの相応の入れ替えを全体とするならば、おそらくはバックスはメンバーを並べることで精いっぱい。前線が個人で収める能力は基本的には低下方向だろう。ゴミスを登用すれば話は別だけども。

 そのため、異なるカラーを出す、もしくは大島スタイルに近づける余裕があるのは中盤である。移籍でやってきた河原、出番がめっきりなくなった山本、ゼ・ヒカルドに関してはここからが勝負になるだろう。

 ちょうど、大島型のスタイルは非保持において左サイドで潰し切れない分、横断にもろに弱いという弱点が見え始めている。上記に挙げた面々は大島スタイルで出ている弱点をカバーしながら保持で独自色を出すことができれば序列をひっくり返すことも可能だと思う。どちらにしろ大島は90分を週2で通すことはできないので、9月はオプションの増加は重要になる。

 さらに重要なのはACLEの登録メンバーの最終決定が迫っていること。すでに登録は終わっていると考えられるが、大会初戦の5日前までに最大5名と多少の入れ替えは可能というレギュレーションになっている。

 リストA(国籍関係なく2003年1月1日以前に生まれた選手)の枠は25。高井、ヴェロン、神田、由井はこの競争からは外れることとなり、リストBに別途登録ができる。つまり、川崎はエリソン、ゴミス、小林、山田、マルシーニョ、宮城、家長、瀬川、遠野、大島、脇坂、山本、山内、橘田、ゼ・ヒカルド、河原、三浦、佐々木、車屋、丸山、ジェジエウ、アイダル、ファン・ウェルメスケルケン、田邉、ソンリョン、山口、早坂、安藤の28人から3人を登録外にしなければいけない。

 おそらくは4人いるGKは1人弾かれることになるだろう。また、ブラジルに帰国して負傷しているジェジエウは序列とは別のベクトルで判断を下す必要がある。よって漏れるFPは上の名前から1~2人になるはず。危険水域に見えるのは宮城、丸山、田邉あたりだろうか。退団予定がない限り、さすがにACLで効きそうなゴミスやゼ・ヒカルドを登録外にするとは思いたくはないがこの部分も不透明だ。

 このメンバー争いも甲府との180分が最後の判断材料になる。特に、リーグ戦から中2日の今節は出番がない大きなチャンスがある。選手にはまずは1stサバイバルを制し、後半戦のスカッド生き残りを確定させることが求められる。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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