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「Catch up Premier League」~Match week 10~ 2020.11.27-11.30

 さて今節も。

目次

①クリスタル・パレス【11位】×ニューカッスル【15位】

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■均衡を打開したストライカーの質

 前節のザハ不在のクリスタル・パレスの手詰まり感を考えると、今節はニューカッスルが勝ちそうかな!と思ってメンバー表を見たらサン=マクシマンがいないということでびっくり。なんだその帳尻合わせ。

 最近はちょいちょいフォーメーションをぐるぐるさせるニューカッスルだが、この試合では4-4-2を採用。クリスタル・パレスは4-2-3-1のような形だったので比較的似たような形である。

 直近の両チームを見るとボールを持ちたがるのはどちらかといえばニューカッスル。ただ、この試合においてはボールを取り返すためのハイプレスをどちらのチームも行わなかったので、攻守の切り替えが少なく保持側がまったりとボールを持つ展開が続いた。それがどこまで両チームの狙い通りだったのだろうかはわからないが、ボールを持たせてもらえて押し込めるのでサイドのクロスで勝負する展開が多かった。ニューカッスルはアルミロン、クリスタル・パレスはファン・アーンホルトを軸にPA内でのクロスが主な攻撃手段となった。

 パレスはこの試合ではシュラップのトップ下での起用をしたけど、前節のFWタイプを2枚並べるやり方に比べると2列目の中でのポジションチェンジが増えた分、ニューカッスルは捕まえづらそうにしていた。

 展開としては一進一退。パレスの時間もあれば、ニューカッスルの時間もあった試合だが、最後はFWのコンビで打開したニューカッスルが勝利。先制点の場面はジョエリントンとウィルソンの2人で中盤とDFラインを一気に破壊した美しいゴール。均衡を打開するストライカーの質の高い仕事がニューカッスルに勝ち点3をもたらした。

試合結果
クリスタル・パレス 0-2 ニューカッスル
セルハースト・パーク
【得点者】
NEW:88′ ウィルソン, 90′ ジョエリントン
主審:グラハム・スコット

②ブライトン【16位】×リバプール【2位】

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■『シュート精度』と『怪我人』、歯止めが効かない苦悩

 前節のアストンビラ戦は攻撃機会を均等に得られたことで互角に渡り合い開幕戦以来の勝ち点3を得ることができたブライトン。負けた試合を見ても、そもそも相手陣まで運べないというところが1stステップになっているので、そこが解消された点は楽だったはず。とはいえさすがのリバプール相手では攻撃機会を得るというのは厳しいかな?と思いきやそんなことはなかった。

 この試合では、ウェルベックとモペイの2トップにコノリーのトップ下の3-4-1-2を採用。機動力もあり行動範囲の広い2トップはスペースメイクに長けており、リバプールに穴をあけて決定的なチャンスを作ることもできた。しかし、ここで2つ目のブライトンの課題が立ちはだかる。とにかくストライカー陣が点を取ることができない。流れの中だけならまだしもPKまで枠に行かないのは嘆かわしい。

 リバプールは4-3-3を採用していたが、前半を通してやや窮屈だった。特にインサイドのスペースがやや渋滞気味な上で、アウトサイドに散らす組み立てのパスも少ない状態に。チャンスはダイレクトな裏抜けで最終ラインをガッツリぶっ壊すという所からが主。

 それだけに後半にヘンダーソンがアンカーに入ってきてからの整い方は半端なかった。同サイドにおける使うスペースと逆サイドへの展開が整理され、ボール回しがスムーズに。すげぇ。しかし、ここからは毎節恒例の怪我人に悩まされることに。頼みの鉄人ミルナーが負傷交代してしまい、最後はDFラインがジョーンズ、フィリップス、ファビーニョ、ロバートソンというだいぶファンキーな仕上がりになってしまった。

 結局きわどい判定で追いつかれてしまったが、祈るような終盤の展開になってしまったこと自体を回避することはリバプールにとっては少し難しかったように思う。本来は追加点を狙いたかった時間帯にチームから合流してあまり日数が経っていないサラーを下げたのもどこか納得してしまう。前節は最大出力の高さを見せたが、この選手層では毎回はあれを発揮するのは難しいということだろう。

試合結果
ブライトン 1-1 リバプール
アメリカンエキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRI:90+3′(PK) グロス
LIV:60′ ジョタ
主審:スチュアート・アットウィル

③マンチェスター・シティ【13位】×バーンリー【17位】

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■物理で殴って気持ちよく

 立ち上がりにハイプレスからショートカウンターから先制点を得ることができてシティはだいぶ楽になっただろう。2点目もマフレズの個人技から早々に獲得。楽に試合を進めることができた。

 一方で、個人のゴリゴリや数的有利のカウンターだけではなく、相手に選択を迫るようなユニットを攻撃を見せたいというのがこのシティに求めたい部分である。2得点目が入るまではだいぶシュートまでの手間がかかった感もあったが、それ以降はシュートまで迫る場面を連発。3得点目はニア、中央、ファーとクロスの出しどころが豊富だった。加えて、出し手としては稀代のクラックであるデ・ブライネをフリーにすればそりゃ失点は避けられないだろう。デ・ブライネはこの試合でもすごかった。

 これ以降は得点祭り。とりあえず、前半に物理でこじ開けた感のある試合で課題への到達度をどこまで測れたかはわからないが、終盤を気持ちよく終えることができたのはシティにとってポジティブだろう。確かに選択肢を迫る従来の怖いシティの片鱗は見えた。

 対するバーンリーはいつも通りの4-4-2。他のチームが5バックなど後ろに重くしてシティ対策を講じていることや1週間の準備期間を考えればもう少しシティ用の工夫があっても良さげ。プレミアデビューのピーコック=ファレルにとっては受難のデビュー戦になってしまった。ベンソンくんはうまかった。バーンリーのCHにそれがどこまで求められるかはわからないけども。

試合結果
マンチェスター・シティ 5-0 バーンリー
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:6′ 22′ 69′ マフレズ, 41′ メンディ, 66′ トーレス
主審:リー・メイソン

④エバートン【6位】×リーズ【14位】

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■均衡した打ち合いを打破した自由人

 長らくスコアレスのままで推移したことには首をひねりたくなる。両チームとも非常にオープンな形でシュート機会を数多く得ているものの、シュートだけは決まらない。ゴールキーパーが立ちはだかり、ネットが揺れてもオフサイド。ゴールが近くて遠い試合になった。

 率直に両チームの個々人のスキルを楽しむことができる試合でもあった。後方からの追いこす動きを軸に、ボールホルダーに対して異なる高さでサポートに入り続けるリーズのパスコースの作り方は相変わらず見事。前節からスタメン入りしているラフィーニャがいるときはより自由度が増している印象。ハリソンとのサイドを入れ替えたり、時折ストライカータスクのような振舞いもしたり。同ポジションのコスタとは異なる風情だった。前節のアーセナル戦ではどこか異分子感があったが、今節はその異分子感をよりうまくチームに取り込めていたように思う。

 対するエバートンはリシャルリソンやアランなど対人を剥がす持ち運びから迫力ある攻撃を見せる。リーズはマンツーだが、マークマンが外されるとサポートに動けるように近い位置から埋めていくので、エバートンはもっと広く広く使えると面白かったのだが、そこはディーニュとコールマンの不在が響いていたように思う。

 最後に大仕事をしたのはラフィーニャ。ピッチ中央でタメを作って周辺にスペースを作るとミドルで均衡を打破。アーセナル戦も下がぬかるんでいなければ、バイタルからより精度の高いシュートを撃ち込めていたのだろう。可能性を広げる異分子の貴重な決勝弾でリーズが連敗ストップに成功した。

試合結果
エバートン 0-1- リーズ
グディソン・パーク
【得点者】
LEE:79′ ラフィーニャ
主審:クリス・カバナフ

⑤ウェスト・ブロム【19位】×シェフィールド・ユナイテッド【20位】

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■最後の居残り組が決まる

 今季のプレミアの未勝利チームもあと2つ。昇格組のウェストブロムと昨季躍進したブレイズ。その両チームの直接対決という逆天王山。ある意味今節最も注目のカードである。

 ブレイズはこの日はマクバーニーとバークの2トップ。今季のブレイズは「バークをもっと使ったらいいのに!」とずっと思っているのだが、この試合を見てなお「もっと使ったらいいのに!」と思った。他のFWにはないスピードというわかりやすい武器は陣地回復に有効で、サイドに流れてSB裏を狙うことで前に出てくる相手の裏を狙うことができる。ウェストブロムはラインアップしたボール保持の難点は最終ラインのスピード不足だなと前節に続いて感じた。

 一方でウェストブロムの強みは中盤。体を張ったデュエルはこの試合ではウェストブロムの方が上で、守備においても相手にタイトにマークに行けていたし、攻撃でも比較的簡単に前を向くことができていた。ペレイラが前を向ければ、ウェストブロムは最終局面までの攻め込みを視野に入れることができる。

 ブレイズの左のCBはこの日初先発だったブライアン。ちょっとここはスピード勝負で狙われていた感じ。彼を含めてこの日のブレイズのサイドの守備は結構後手に回る場面がある。ウェストブロムがボール保持において前進することはそれほど難しくなかった。

 それでもブレイズにはチャンスはあった。ウェストブロムがセットプレーの流れからの先制点を盾に撤退を決意する5-4-1にシフトチェンジしてからはなおさら。ただ、この日は(も?)シュートが決まらない。味方にも相手にもガンガンシュートをぶつけるし、極めつけは終盤にブリュースターとムゼに立て続けに決定的なチャンスが来たシーン。これを逃した時に今節の敗北を悟ったブレイズサポも多いのではないか。

 未勝利脱出に成功したのはウェストブロム。ブレイズが最後の居残り組になったしまった。

試合結果
ウェスト・ブロム 1-0 シェフィールド・ユナイテッド
ザ・ホーソンズ
【得点者】
WBA:13′ ギャラガー
主審:マイク・ディーン

⑥サウサンプトン【5位】×マンチェスター・ユナイテッド【10位】

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■プレースキックにFWの守備、それぞれの流れの引き寄せ方

 ユナイテッドは4-3-1-2を採用するスタート。リーグ戦では初めてかもしれない。セインツからすると2試合連続で中盤にわらわら人がいるチームと対戦することになった。立ち上がりは中盤に呼吸をさせないユナイテッドが優位に立つも、徐々に押し込む時間を作るセインツ。ウォード=プラウズのプレースキックからの2発がその展開を後押しする。

 後方でSBに預けることでユナイテッドのインサイドハーフを引っ張り出すのがセインツが優勢になったポイント。本来はケアしたいセインツの絞るSHへの対応がおろそかになり、フレッジとファン・デ・ベークを前に釣りだされることでユナイテッドは後手に。2失点目のFKのきっかけになったシーンをノーファウルで止めることがフレッジに課せられた使命のように思う。

 前半に流れを引き寄せたのがプレースキックならば、後半に流れを呼んだのはカバーニ。彼のサイドに流れる動きが反撃の一手。上がり気味になるセインツのSBの裏をカバーニが使うことでまずはユナイテッドが1点を返す。

 流れで見るとカバーニの献身的な守備も大きな原動力に。後方の連動を呼ぶプレスの先導役になり、プレスバックも怠らない。極めつけは得点。クロスやリフレクションに対する細かい動き直しでセインツの守備陣を圧倒。劣勢だった展開を一気にひっくり返す大活躍でセインツの無敗記録をストップした。

試合結果
サウサンプトン 2-3 マンチェスター・ユナイテッド
セント・メリーズ・スタジアム
【得点者】
SOU:23′ ベドナレク, 33′ ウォード=プラウズ 
Man Utd:59′ ブルーノ・フェルナンデス, 73′ 90+2′ カバーニ
主審:ジョナサン・モス

⑦チェルシー【3位】×トッテナム【1位】

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ケンカも得点もない痛み分け

 近年のこのカードでおなじみなのは喧嘩に退場。過剰な高さのテンションで試合そのものの醍醐味が損なわれてしまうこともしばしばあるカードだった。しかし、今回は共に上り調子で迎える一戦だったこともあってか、試合全般を通して、落ち着いた展開となった。

 前節はソンが右、ベルフワインが左という並びだったトッテナムの前線は今節も同様の並びに。SHは左右で異なる守備の役割を課されていた。右のソンはSBをケアするシンプルな役割だったのに対して、左のベルフワインは大外をレギロンに任せて、大外にボールが出た際は自身はプレスバックをおこない、内側のスペースを埋めるような動きを見せていた。

   このアシメにはいくつか理由が考えられる。1つは左右のCHの行動範囲。左のホイビュアに比べ、右のシソコは行動範囲が広い。この試合でも受け渡しが拙かった右サイドの有事のカバーとして広い範囲をカバーしていた。左はシソコほどのカバー範囲がある選手がいない分、ベルフワインがプレスバックしてカバーしていたのかもしれない。あるいは単にチェルシーの組み立てのストロングサイドをケアしたかったかどちらかだろう。確かにジエフはここ数試合に比べると存在感はなかった。

    一方のスパーズも攻め込みには苦慮。カウンターでのスピードアップこそお手の物だが、中央を封鎖するチェルシーに対しては手を焼いてた。

    前半の半ばにようやくケインとエイブラハムの両CFにボールが入るようになると、共にゴール前のシーンが増えるようになる。この試合で最もエキサイティングな時間だったといえるだろう。

   後半になると試合はややトーンダウン。エンドンベレのガス欠と共にスパーズは前への推進力がやや減退した感じ。チェルシーがボールを持ち、相手陣に攻め込む時間が増えるが、大外での執拗なマークを嫌がったのか自由に動き始めたジエフは中央にいる時間帯が増える。こうなると押し込んだ時の必殺パターンである、右サイドからのジエフの巻いていくクロスは出てこない。

    最終盤には共にバックスのミスから決定的なチャンスを得るが、ジルーとロチェルソは共にこれを生かせずにドロー。欧州カップ戦の疲れを感じた終盤を考えると共に致し方なしのドローともいえるだろう。

試合結果
チェルシー 0-0 トッテナム
スタンフォード・ブリッジ
主審:ポール・ティアニー

⑧アーセナル【12位】×ウォルバーハンプトン【9位】

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逆算が狂ったときの対応力

 開始直後のラウール・ヒメネスの負傷は目を覆いたくなるショッキングなものだった。本人の無事と今後のサッカー人生に幸運が味方することを祈りたい。

 ピッチの上の話にフォーカスをすると、ウルブスはこの負傷交代で重要なフィニッシャーと前線の起点を失ったことになる。しかし、そこは緊急出場となったファビオ・シルバが輝きを見せる。ゴールこそ得ることが出来なかったが、中央での起点と前からの守備という意味では十分な活躍。ポデンス、ネトなどの他の攻撃陣との連携も良好でCFのレギュラー候補として名乗りを上げた格好だ。

 前節の4-3-3でのワイド起用では大外に追いやられて存在感が希薄だったアダマ・トラオレもこの試合では持ち味を発揮。SB裏を空けたアーセナルはロングカウンター時に彼に線路を自ら敷いていたようなものである。

 アーセナルのフィニッシャーといえばオーバメヤンだが、今季はとにかく元気がない。そもそもチャンスの数が少ない!という主張はごもっともだが、その限られたチャンスの中で結果を出してきたからこそ、アルテタの元でアーセナルは復調しているとされてきたのだ。守備での過負荷が原因という可能性もあるが、機会が足りないこととは別問題の可能性もなくはない。

 この試合でもサイド突破からフィニッシャーにオーバメヤンを持ってくる形を繰り返していたが、この日も競り合えない、走りこめないと不調は続く。サイドからのクロスを上げるためにU字のパス交換を繰り返すだけでアーセナルは崩しの段階にも工夫をつけられず。中央に起点がないこの日は輪をかけてチャンスが乏しかった。

 乏しいチャンスをゴールに変換する大エースも、チャンスの数を増やすチームとしての形も増える様子はない。「クロスを増やせば得点は出る」というアルテタのコメントを素直に受け取るならば、今後もこの路線で進むことが示唆されているようにも思えるが・・・?

試合結果
アーセナル 1-2 ウォルバーハンプトン
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:30′ マガリャンイス
WOL:27′ ネト, 42′ ポデンス
主審:マイケル・オリバー

⑨レスター【4位】×フルハム【18位】

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■完勝で呪いを解き放つ

 結果を先に知っていたのでアップセット!と思いきや、内容からすると順当なフルハムの勝利である。フルハムがよかったのはボール保持を許すレスターの選手を絞って対応したこと。基本的には最終ラインのフォファナ、エバンス、フクスにはボールを持たせていいこととする。その代わりレスターの中盤にボールが入ったタイミングでフルハムは5-4-1の2列目の4枚が出てきてつぶす。

 特にレスターが狙いを絞っていたのはティーレマンス周辺。彼にボールが入ることとその彼から始まるパス交換をケアしていた。ティーレマンスから始まるレスターのパス交換はマディソンやプラートなどと内側での細かいやり取りになることが多い。そこでタイミングを見計らって、裏に抜けたヴァーディが仕留めるという形である。

 それを防ぐためにフルハムの2列はとにかくナローに立ち位置を取りマディソンやティーレマンスに前を向かせない。特に目立ったのがザンボ=アンギサ。広い行動範囲、鋭い出足とフィジカルを生かしたボールハントでレスターのパス交換をつぶすことが出来た。

 それを差し引いてもこの日のレスターは低調だった。プレッシャーがない状態でのパスのズレや、ヴァーディへの裏抜けのパスもアバウト。時間を与えられたCB陣は何もできず、ボールを持たされてしまった印象が強い。特にフクスの出来は散々で、PK判定も含めてこの日は彼の日ではない感じがした。

 ボールを持ちたがるチームの印象だったフルハムだが、レスターに持たせて中盤で仕留めてからのカウンターというスタイルはフィットするのかもしれない。ルックマンはスペースがあればすいすい持ち運べるし、ロフタス=チークは前線で体を張ることも可能。追加点はここ数試合呪われたようなキックが続いていたPKから。前回足を滑らせて失敗しているカバレイロが今回はPKを決めて、地獄のパネンカを披露してしまったルックマンと抱き合うシーンはなかなかのエモさだった。

試合結果
レスター 1-2 フルハム
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LEI:86′ バーンズ
FUL:30′ ルックマン, 38′(PK) カバレイロ
主審:シモン・フーパー

⑩ウェストハム【8位】×アストンビラ【7位】

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■繰り返された立ち上がりの不意打ち

 押し込む機会を得ることが多かったのはアストンビラ。彼らのお題は5バックをどう打ち破るのか!である。人数をあまらせたウェストハムの5バックはライン間のアストンビラの選手をことごとく潰しに来る。

 そんな中で違いを出して得点まで結びつけたグリーリッシュはさすがというべきだろう。ついてくるクーファルを振り払いしずめたミドルシュートはセットプレーで先制したウェストハムのリードを帳消しにするものだった。

 一方でもう1つアストンビラの攻撃のお決まりのパターンである降りるグリーリッシュに合わせて左サイドに流れるワトキンスという形は不発。グリーリッシュに引っ張られるクーファルに合わせてウェストハムの最終ラインは素早く4バックのような形に移動できたから。5と4の行き来は彼らの十八番である。

 ウェストハムはボールを握れる機会こそ少ないものの、前半はボールを持てたときに十分に前進ができた。こちらはアストンビラが空けやすい4-3-3の3センターの脇でWBがボールを持つことで落ち着いたポゼッションが可能に。負傷明けのアントニオは本調子ではないようだが、交代組のベンラーマが前半を上回る短い時間で勝ち越し点を演出するクロスを上げる。

 後半はほぼ一方的にアストンビラが押し込む展開になったが、こじ開けて得たPKは失敗に。前後半の奇襲が実ったウェストハムが逃げ切りに成功した。

試合結果
ウェストハム 2-1 アストンビラ
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:2′ オグボンナ, 46′ ボーウェン
AST:25′ グリーリッシュ
主審:ピーター・パンクス

   おしまいじゃ!!

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