MENU
カテゴリー

「都度の優先度判断」~2024.9.27 J1 第32節 川崎フロンターレ×アルビレックス新潟 プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1リーグ 第32節
2024.9.27
川崎フロンターレ(15位/9勝10分11敗/勝ち点37/得点45/失点44)
×
アルビレックス新潟(12位/10勝9分12敗/勝ち点39/得点42/失点46)
@Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

戦績

近年の対戦成績

直近10回の対戦で川崎の5勝、新潟の2勝、引き分けが3つ。

川崎ホームでの戦績

過去10戦で川崎の8勝、新潟の2勝。

Head-to-head

Head-to-head
  • 直近3試合のリーグ戦で新潟は川崎に負けなし(W2,D1)
  • 直近3回の公式戦の対戦で後半追加タイム(延長も含む)に3得点が生まれているカード。
  • 2023年9月の等々力での勝利により、新潟は川崎に対するアウェイでの連敗を6で止めた。
  • 等々力開催においての23試合で引き分け決着が一度もない。

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • ファン・ウェルメスケルケン・際は名古屋戦の退場により1試合の出場停止。
  • 大島僚太は名古屋戦で負傷交代。
  • ジェジエウは一時帰国で肉離れの治療中。
アルビレックス新潟
  • 宮本英治は累積警告による出場停止。
  • 小見洋太は左太腿直近損傷で離脱中。9月5日の報道で受傷後全治3週間の見込み。
  • 早川史哉は左肺腹筋損傷で6週間の離脱。
  • 舞行龍ジェームズは前節の神戸戦で負傷交代。
  • 8月17日以降、欠場が続いていた松田詠太郎は川崎戦の復帰を視野。

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • 敗れれば今季5回目の連敗。
  • ホームも含めた関東開催のリーグ戦では今季20戦で5敗のみ(W9,D6)
    • 1試合平均勝ち点が1.65、関東以外の開催(W0,D4,L6)では同勝ち点は0.40。
  • リーグ戦では直近7試合引き分けがない。
  • 等々力での公式戦は直近13試合で1敗だけ(W7,D5)
  • ホームでのリーグ戦は12試合連続得点中。
  • 勝利を挙げている直近4試合のリーグ戦はすべて山田新がゴールを決めている。
    • 直近4試合の先発した公式戦でノーゴール。
アルビレックス新潟
  • 敗れれば今季初のリーグ戦3連敗。
  • 直近10試合の公式戦のうち、4試合で相手チームに退場者が出ている。
  • 直近の勝てなかった公式戦5試合のうち、3試合が無得点。
  • アウェイでの公式戦は2連敗中。
  • 後半30分から後半終了までの得点が17点。全体の28%。
  • 長倉幹樹は直近5試合の公式戦で6得点。
    • すべてホームスタジアムで記録したもの。

予習

第30節 湘南戦

第29節 名古屋戦

第31節 神戸戦

展望

絶好調の要注意人物

 鳥栖相手に劇的な勝利を挙げて、蔚山相手に充実の90分を過ごし、名古屋遠征で沈黙する。川崎の今季は後半戦に入っても不安定なままである。そうした中で今節相対するのは2023年の昇格以降、リーグ戦で勝利したことのない新潟である。

 新潟もまた勝ったり負けたりを繰り返しながらというシーズン。しかしながら、内容面ではかなり一途。新潟スタイルを打ち出した結果、うまく行ったり行かなかったりというように結果が振れているという感じである。

 ショートパスでの前進に重点を置くというスタンスは昇格以降ぶれていない。自陣では2人のCB、2人のCHが2-2もしくは3-1という形で変形しながらフリーマンを作っていく。

 SBはビルドアップに関与することもしないこともある枚数調整役。自陣深い位置に降りるアクションを織り交ぜる気の利き方と、高い位置に出て行く上下動をこなせる運動量を兼ね備えないといけない。

 以前の対戦ですでにこの点を両立することができており、スコアラーにもなっている藤原はすでに多くの川崎ファンの記憶に残っていると思うが、現在は左の橋本も好調。低い位置からの長いレンジのアシストを決めた神戸戦のパスは非常に鮮烈。大きなインパクトを残しており、新たな新潟のSB像を作り出している感がある。

 その橋本以上に直近で好調を感じさせるのは長倉だろう。ライン間からの反転から加速して行くドリブルの破壊力は抜群。自らの攻め上がりから攻撃を完結させることができるスキルも有しており、直近の試合では攻撃のキーマンとなっている。

 馬力があるので、自陣まで多少下がりゴールが遠ざかったとしても大きな問題にはならないのが強み。むしろ、新潟のビルドアップは相手のプレスを中盤まで引き付けて、その背後を長倉に使わせるというパターンが非常に刺さっている。

 内を固める相手に対しても、外循環をフリにしてライン間の長倉への差し込みから一気にゴールに向かって行くことができる。簡単に失わない長倉がいれば、ポゼッション型チームが陥りやすい外循環一辺倒というボールの動かし方は避けることができる。

 プレッシングに関しては一時期よりも控えめ。高い位置から追いかけ回すシーンはそこまで多くなく、ある程度のところまでは相手にボールを持たれることを許容する節がある。きっちり攻撃を受け止めて、そこからポゼッションをベースに回復するという形からゴールに迫っていく。もちろん高い位置から奪いたいのだろうが、この辺りはバランス感覚を感じるところでもある。

局地の粘りでの勝負は避けられない

 なんとなく、ACLでは蔚山型、リーグ戦では家長、大島型で行くのかなと思っていたのだが、ここでキーマンである大島が名古屋戦で負傷。仮に負傷のダメージが大きくなくとも、名古屋戦のパフォーマンスを見る限りは、少しコンディションを落としているのでスキップするのもありだと思う。

 どこに軸足を置くかが難しい季節ではあるが、仮に国内にボール保持型のテイストを維持しての戦いを目指すのであれば、おそらくは山本が大島の代役を務めることになるだろう。すっかり存在感が薄れてしまっているが、ビッグスワンでは先発を務めており、ゼ・ヒカルドともども素晴らしいパフォーマンスを見せた。正直なところこの2人のパフォーマンスは見てみたいのだが、ACLでのメンバー漏れが伝えられるゼ・ヒカルドは難しいのかもしれない。

 名古屋戦での問題点は保持でのバリューをきっちり出せなかったことである。ショートパスを繋ぐことにこだわれ!とは全く思わないが、その状況に合った判断が都度できていないというのは問題になる。

 例えば、思ったタイミングより早くリリースしてしまう、列上げのサポートが遅れる。どちらも定点攻撃においては大きなダメージなり得る失策である。正直、非保持の問題点は多少は出てくるとは思うが、まずはボールを持つ形で成功体験が欲しいところ。

 もちろん、蔚山仕様を国内に移植しても問題はないと思うが、やはりこちらはスカッドが足りない。ミドルプレスは全員にやってほしい部分ではあるが、おそらくあのプランは蔚山戦のメンバーが基本線。週2の試合が続く状態では乱用するのは難しそうだ。

 それならば、出れる選手に合わせて作り方を変えて行くしかない。前節と同じ結論ではあるが、この点は名古屋戦で保持が失敗しようと変わらない。スカッドの編成のバランスに依存する話だからだ。広く活用するなら、異なる顔の完成度を高めなければいけないだろう。山本が先発に起用されれば異なる顔の完成度を左右するキーマンとなる。

 新潟はSBへのプレスはやや緩め。ボールを動かしながらの起点としてSBを活用することができる。神戸戦は初瀬の長いキックと、酒井の縦横無尽のポジショニングがかなり効いていた。ファン・ウェルメスケルケンの欠場は痛いが、名古屋戦では橘田の絞るアクションがとても効いていた。新潟戦でも縦パスを引き出す役割を行っていければ、中盤への圧力も分散する。

 新潟の4-4-2のプレスは前の選手の誘導があまりうまくなく、ライン間への縦パスのアプローチが遅れやすい。その観点でも絞る橘田は効果があると予想できる。CBは開いて相手の2トップを外す、2列目を釣り出してライン間のスペースを開ける、そしてインサイドに絞った家長や橘田がレシーバーになる。少なくとも保持ではこのメカニズムまでは辿り着きたい。

 守備で警戒しなければいけないのはやはり長倉だろう。川崎の右のCHが前に出ていけば長倉がターンすることができるスペースは広がることになり諸刃の剣である。ただし、家長の対面の橋本は低い位置からのパスもある選手なので、サイド全体で深追いする必要がある場合も出てくるだろう。川崎の右のCHが前に出て行った時には後方のCBが迷わず出て行って潰すことを徹底したい。おそらく、右のCBは高井が先発になるだろうがフィジカルが強く、ターンも素早い長倉との対戦はかなり手を焼くことになる。粘り強く勝負をしたい。

 プレッシングに出て行く際にはCBはある程度捨ててもOK。特に千葉が出場しないのであれば。新潟のCBは縦にパスを刺すスキルは高い一方であまりキャリーを選択しない。名古屋戦では内側を閉める名古屋のメリハリある対応が新潟の苦戦を招いた。むやみやたらにプレスにいくのではなく、持たせるところと持たせないところのコントラストをつけながら対応したい。

 保持でも非保持でも今年の川崎は構造で相手を上回るような柔軟性はないし、相手の対策を落とし込めるほど時間もない。勝負になるのはその場その場の判断になるだろう。名古屋戦でも構造でぶん殴られたのではなく、もらったチャンスを最大化する能力や、受けたピンチを最小化する能力が物足りなかった。エネルギーも完成度も足りない状況では局地戦がキーになる可能性は高いだろう。

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次