Fixture
明治安田 J1リーグ 第36節
2024.11.9
京都サンガF.C.(13位/12勝8分14敗/勝ち点44/得点42/失点53)
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川崎フロンターレ(11位/11勝11分12敗/勝ち点44/得点56/失点50)
@サンガスタジアム by KYOCERA
戦績
近年の対戦成績
直近10回の対戦で京都の3勝、川崎の6勝、引き分けが1つ。
京都ホームでの戦績
直近10戦で京都の勝、川崎の勝、引き分けがつ。
Head-to-head
- ホームチームが3連勝した後、直近3試合ではホームチームが勝てていないカード。
- 11月のJ1での対戦は過去に2回。いずれも両チームとも3得点以上決める撃ち合いに。
- 京都ホームの試合は過去3年いずれも1点差で勝敗が決まっている。
- Jリーグにおける13回の京都ホームでの対戦のうち、ドロー決着が1回もないカード。
スカッド情報
- 麻田将吾、武田将平は長期離脱中。
- 川﨑颯太は累積警告により出場停止。
- ク・ソンユンが出場停止から復帰。
- 金子大毅は前節負傷により途中交代。
- 脇坂泰斗は肉離れにより離脱。
予想スタメン
Match facts
- 勝てば今季の残留が確定する。
- 川崎も。引き分けでも磐田の敗戦で両者残留。
- 第20節以降において勝ち点30を確保。これより多いのは神戸と広島だけ。
- ホームでの公式戦では7試合連続複数得点中。
- 神戸、C大阪と並んでリードした状況からの逆転負けがない3つのチームの内の1つ。
- マルコ・トゥーリオは直近4試合の公式戦で3ゴール。
- 川崎颯太が過去2年にリーグ戦で決めた5得点はすべて関東勢相手に決めている。
- 敗れれば鹿島に続き今季2チーム目のシーズンダブルを食らうことになる。
- 直近8試合の公式戦で5敗。アウェイでは直近2試合で連敗中。
- 現在リーグ戦は34試合消化で失点は50。昨季のシーズン全体(34試合)の失点よりも5多い。
- 勝てなければ関東外のアウェイのリーグ戦を今季未勝利のまま終えることとなる。
- 公式戦連勝となれば9月以来今季5回目。
- 山田新がゴールを決めた直近6試合のリーグ戦はすべて勝利をしている。うち、4試合は2得点を挙げている。
予習
第33節 神戸戦
第34節 鳥栖戦
第35節 広島戦
展望
上位相手にも自分たちを押し付けることができる
今季ここまで川崎は関東以外で開催されたJリーグで勝利を挙げていない。勝ったアウェイは湘南、FC東京、町田、柏の4つ。そんな川崎が残すアウェイゲームは京都、東京V、そして半分だけ残された浦和の3つ。つまり、この京都戦が関東以外で勝利するためのラストチャンス。遠征民の旅路に勝利という彩りをそろそろ加えたいところだろう。ちなみに今回は僕は東京居残り組です。
そんな京都は後半戦絶好調。優勝に向けてマッチレース中の広島、神戸と肩を並べるペースで勝ち点を重ねており、ついに残留にリーチ。互いに切羽詰まった状態ではないとはいえ、川崎との一戦は互いに勝てば残留が確実になるという大きな意味を持つ試合だ。
京都の原動力になっているのはなんといっても前線だろう。特に夏に新加入で入ってきたラファエル・エリアスの貢献は大きい。シーズン途中加入で原と並んでリーグ戦2桁ゴール。1得点にかかる時間は98分であり、シュートの23%がゴールになっている。
パッと見た感じ得点パターンで多そうなのはクロスに合わせるヘディングである。ゴールに向かう角度ではない形でも正確に速度のあるコースに叩き込めるのが特徴であり、背を向けた状態でも油断はできないワンタッチゴーラー。かと思えば、ボックスの外からのシュートレンジも安定しており、神戸戦ではミドルシュートも決めている。
京都の攻撃はこのエリアスに加えてトゥーリオ、原と3人の前線の大駒を軸に組まれている。パワーがある前線ではあるが、行動範囲も広く、降りるアクションで中盤の背後に現れたと思えば、サイドの裏に流れるなどプレーのパターンは多い。特に動き回るのは左のWGの原。右サイドで当たり前のようにポストプレーを行っていることもしばしばだ。
広島や神戸相手にも前線の選手はボールを収めることはできるので、おそらくJ相手なら大体ボールは収まる前線と判断していいだろう。中盤やSBは彼らを信頼して攻め上がることができるので、縦に速い攻撃の思い切りは非常にいい。
まずは前線に長いボールを当てて収めるのが初手。そこから一気に縦に進めるならそれが優先。無理ならば後ろの選手に落とし、ホルダーを追い越す選手がサイドをメインにオーバーラップ。そこから前線に再びクロスを上げるのが得点パターンとなる。
プレッシングは4-3-3ベースであるが、中盤のうちの1人が前に出てきて4-4-2がベースになることもある。予習した試合の中で唯一4バックとの対戦となった神戸戦では明確に中盤の松田がエリアスと並ぶ形で4-4-2となっていた。
WGのトゥーリオと原も前に出ていく意識が強く、80分間10人で戦った鳥栖戦ではビハインドを経験しない展開ながら前からプレスをかける非常に強気なプランを構築している。オープンな展開であればどのチーム相手にも戦えるという自負があるのだろう。実際に広島と神戸相手に組み合えている(天皇杯の神戸戦は映像確認できなかったけど)し、おそらくはこのやり方で勝ち点を積んでいるのだからその通りなのだろう。
上海海港戦をベースに切り崩したい
試合が京都の流れになってしまえば止めるのは難しい。浮いているスペースで前を向く中盤からサイドに振って前線にドカドカボールを入れるアクションをされるとどんなチームであれ間違いなく苦しくなる。前回対戦ではSBに橘田を起用して原にぶつけていたが、できればバックスにジェジエウを起用した上でSBには本職を置くくらいはくらいは対症療法としてやりたいところだ。
もちろん、クロスまでの過程を抑えることも重要だ。中を閉じて中盤を封じれば多少はサイドで受ける形は良くなるが、川﨑や福岡といった京都の中盤のプレイヤーはサイドにバックラインにかなり自在に動くので、人を捕まえにいくと少し間延びをしてしまう。
難しいのは川崎が京都のバックスにプレスをかけるべきかどうかである。確かに京都は前線に蹴ってしまえばボールが収まるので、プレスをかけるメリットは一見薄いように思える。
だが、それはあくまで「前線にボールが届けば」という前提が成り立つ状況での話。神戸戦では京都のバックスは苦しい体勢から前線にボールを当てにいくが、届かないまま神戸の中盤に無限に回収されてカウンターを喰らう場面が出てくるようになった。
ここまで持っていくことができれば京都のバックスに対してプレスをかける意義はある。京都がボールを持っているから「やべ、前に出て行かなきゃ」という形のプレスでは効かないけども、プレスをかける側が蹴らせるタイミングを規定するようなプレスをかけるところまで持って行けるかどうかである。
個人的にはボールを前に進めることに関してはより実装可能性が高い策はあると思う。京都の守備の特徴は4バックがナローであること+WGが前に出ていくことなので、WGとSBの間の大外のレーンが開くことである。
よって、CHはボールを引き出すためにサイドに流れるのもあり。相手のWGが前に出ていく動きに合わせて背後を取ることで、相手のプレスの矢印をひっくり返したい。
こうなれば、SBが急いで前に出てくることになる。京都のバックラインはSBが出て行った横スライドと下がりながらボックスを埋めるアクションを両立しなければいけないので、対応が一気にハードになる。
上海海港戦の水準でバックスが深さをとれば、京都のWGが前に釣ることはできる。相手のプレス隊の背後でCHが前を向く形を作るためのビルドアップを行いたい。
相手のペースに持って行かれた時のダメージは大きい相手だが、保持でもプレスでも切り崩すきっかけはある。上海海港戦のプランをベースに戦うことができれば、残留確定マッチを制する公算は十分にある。
【参考】
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(https://www.nikkansports.com/soccer/)