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「Catch up J1 League」~2024.9.28 J1 第32節 サンフレッチェ広島×FC町田ゼルビア ハイライト

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圧倒した広島が首位攻防戦を紫に染める

 勝ち点で並ぶ両チームの首位攻防戦。後ろには1ポイント差で神戸が控えており、第32節はJ1優勝争いの大きな山場となる。

 大一番ということもあり、両軍は慎重な立ち上がり。町田はいつも通りセフンへのロングボールから活路を探り、広島は右サイドの裏からシンプルなクロスで様子を伺う。だが、この様子伺いで先制ゴールを決めたのは広島。パシエンシアのニアへの飛び込みからのゴールで広島が先手を奪う。

 シンプルな攻撃のプラン同士のぶつかり合いであったが、デュエルの細部では確実に広島が町田を圧倒。パシエンシアとアルスランは簡単にファウルをもぎ取ってくるし、広島のバックラインの押し上げからの即時奪回に町田は前進のルートが見えなくなる。

 町田の非保持での4-4-2は広島とのフォーメーションのズレと中盤に顔を出すアルスランによって混乱気味。松本や川辺がかなり余裕を持ってボールを動かすことができていた。

 15分が過ぎると町田は少しずつ押し込むように。サンホのスピード、右サイドへのロングボール、セフンのポストから藤尾の裏抜けなど手数の少ないところからチャンスを伺っていく。広島は少し押し込まれる時間となったが、パシエンシアをはじめとしてこちらも少ない手数での陣地回復は行けるし、町田の中央に突撃してくる攻撃には問題なく対応できていた。

 優位に運ぶ広島は追加点をゲット。リスタートから右サイドで自由を得た川辺から大外の中野からのクロスに対して、再びニアで入った加藤。先ほどのパシエンシアのゴールと同じようにマーカーの前に飛び込む形でフリーになり、ゴールを仕留めてみせた。

 30分になると広島のプレスが沈静化したことでさらに町田はボールを持てるように。だが、ボール保持が主導権につながっていたかと言われると微妙なところ。押し込んでもボールを奪い返すところでリズムを掴めないため、広島に息をつく間を与えてしまう。前半の終盤にようやくパシエンシアのロングボールに挟み込む対応を整理できたかなというところでハーフタイムを迎える。

 後半、主導権争いは再びシンプルな攻撃での応酬でスタート。リードしている広島がオープンな状況を歓迎している様子だったところを見ると、後半早々の追加点で試合を仕留めようという腹づもりだったのかもしれない。中盤でのデュエルからの素早い攻め上がりから3点目を取りに行く。

 町田も前半よりはゴールに向かう動きに手応えはあり。サイドからのシンプルなクロスよりは前線の縦の関係性を使った奥行きのある攻撃の方が有効そう。しかしながら、大迫がファインセーブで立ちはだかり、町田に追撃弾を許さない。

 町田はメンバー交代から流れを変えていきたいが、少ないタッチでのプレーの安定感がなく苦戦が続く。強引にインサイドに切り込んでくる攻撃に対しては広島が安定感ある跳ね返しで対応することができていた。押し込む時間が出てくるようになった広島に対して、町田はファウルと警告がかさみ苦しい展開になる。

 攻守にテンションを落ち着かせながら試合をクローズする広島と時間がなくなるにつれてナーバスになった町田の振る舞いは対照的。終盤で沸き立ったシーンは東がダイナミックなシュートで3点目を惜しくも決め損ねたところくらいだろう。いい意味で広島は落ち着いて時計の針を進めていた。

 首位攻防戦はワンサイド決着。広島がシーズンダブルで町田をノックアウトし、優勝争いの運転席に座ることとなった。

ひとこと

 立ち上がりから最後まできっちりと紫に染まった試合。後半にテンポを落としながらも落ち着いた対応を見せたことにチームとしての成長を感じた90分だった。

試合結果

2024.9.28
J1リーグ
第32節
サンフレッチェ広島 2-0 FC町田ゼルビア
エディオンピースウイング広島
【得点者】
広島:3‘ ゴンサロ・パシエンシア, 24’ 加藤陸次樹
主審:荒木友輔

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