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「Catch up Premier League」~Match week 6~ 2020.10.23-26

 全試合観てキャスでハイライト配信するなら記事もあげられるんじゃないか?ということでプレミアリーグその節の10試合を振り返ってみる試み。CLがグダグダで試合もなかった今週は暇だからできている感。来週以降はやるかわからないぜ!それでは早速行ってみよう。

目次

①アストンビラ【2位】×リーズ【10位】

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■『好調いつメン』を代役躍動で撃破

 4連勝中の好調のイレブンをそのままピッチに送り出したアストンビラと主力であるアンカーのフィリップスの穴を埋める必要があったリーズの一戦。マンデーナイト→フライデーナイトという謎の中3日日程を強いられたリーズのスケジュールもなかなかにかわいそう。

 だが、蓋を開けてみると主導権を握ったのはリーズ。ハリソンとこの日はSBに起用されたアリオスキの左サイドからチャンスを演出する。アリオスキ、左足のクロスの精度が高い。10番がレフトバックやってるの初めて見たかも。

 懸念だったフィリップスの穴も、代役のストライクは早々(前半20分!!)に見切りをつけられたものの、シャックルトンが投入されてからは随分落ち着いたように見える。

 ビラもグリーリッシュの持ち上がりからチャンスを作ることはあったが、リーズのチャンスが多いまま試合は進む。待望の先制点がリーズに入ると試合の流れは一気にリーズに傾く。ボール奪取のエネルギーが前線に残っていないビラを尻目に、リーズが縦に早い攻撃からシュートを打ち続ける。打ち続けた27本のシュートの結果がバンフォードのハットトリックである。

 ビラはグリーリッシュ以外の打開策が見つからなかったか。彼以外のメンバーは良くも悪くもまともなので、詰まった時の一手というところでは物足りなさはある。

試合結果
アストンビラ 0-3 リーズ
ビラ・パーク
【得点者】
LEE:55′ 67′ 74′ バンフォード
主審:ポール・ティアニー

②ウェストハム【9位】×マンチェスター・シティ【11位】

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■揺らぐ色気を使い分けて無敗継続

 ハマーズがレスター戦で結果を出せたのは、後方のブロックに加えて少人数でのカウンターを完結させる攻撃がセットになっていたから。色気を出したスパーズ戦ではあっさりスペースを与えて、ケインとソンが気持ちよくプレーをしていたのが印象的だった。ハマーズとしては色気を出さずに少人数のボール運びでシティを撃破したレスターをモデルとして戦いたいところ。

 序盤は落ち着かなかった試合だが、徐々にシティのブロック崩しタイムに突入する。シティにとって頭が痛かったのはすでにハマーズが先制点を手にしていたからだ。アーセナル戦では好パフォーマンスだったディアスだが、アントニオは試練だった。PAでポジションを取られてバイシクルで仕留められてしまう。

 難航したシティのブロック崩しの解決策は後半頭から出てきたフォーデン。カンセロのところから崩せそうで崩せなかったハマーズのブロック。左サイドのユニットに足りなかった外から内側への斜めの動きはフォーデンによって実装。見事に同点弾に結びついた。

 ハマーズは活性化するシティにつられてテンションが上がったが、裏を開けたことでシティにチャンスを許すように。ただ、シティもチャンスを活かしきれずに痛み分け。ハマーズはスパーズ、シティと続いて勝ち点奪取に成功。4戦無敗を継続でアンフィールドに乗り込むことになる。

試合結果
ウェストハム 1-1 マンチェスター・シティ
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU: 18′ アントニオ
Man City:51′ フォーデン
主審:アンソニー・テイラー

③フルハム【20位】×クリスタル・パレス【14位】

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■やっと見つけた1つ目の武器

 フルハムはボールを持つ側、パレスは持たれる側としての展開を望み、試合はすんなり折り合った。フルハムはボールを持ててはいるが、列落ちが多く、効果的な前進ができていなかった。

 パレスは機会こそ多くはなかったが、ボールを奪い返した際にはチャンスを作る。お家芸のロングカウンターというよりは一呼吸おいて、相手陣に押し込んでから裏をとるタイミングを図り、それをスイッチとして一気に崩す機会が多かった。この試合で得た2得点はこの形である。

 フルハムは守備でブロックを組んだときの強度が定まらず、ボールを持たれると崩される弱点は相変わらずではある。ただ無秩序だった攻撃にはやや光が。大外のロビンソンに幅を取ってもらうことでハーフスペース付近で前を向いたルックマンの仕掛けは定点攻撃として使えそうな風情。このスペースを空けがちなパレスには効いていたように見えた。

 前線にとどまれば武器になるはずがふらふらしているミトロビッチのように、定まらない攻撃が多いフルハムにとってはルックマンは1つ目の武器になりそうだ。タレント的にはまだ武器を組める余地がある。勝ち点を積むにはもう少し武器は欲しい。

試合結果
フルハム 1-2 クリスタル・パレス
クレイブン・コテージ
【得点者】
FUL: 90+5′ ケアニー
CRY:8′ リーデヴァルド, 64′ ザハ
主審:グラハム・スコット

④マンチェスター・ユナイテッド【15位】×チェルシー【8位】

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■早々に活躍も拭えないあいまいさ

 ボールを持つのはチェルシー側。バックラインの枚数を増やしたのは守備ブロックの問題もあるだろう。併せて前にプレスに行く姿勢だったことを考えると、ボールを持って高い位置から奪うことも狙っていたはず。

 チェルシーはGKを使ったビルドアップをしないため、守るユナイテッドはコンパクトに構えることができた。しない理由はあとで種明かしがあるんだけど。それでも、根性でユナイテッドを自陣に引き込んでからの擬似カウンターはそれなりに成果はあったと思う。

 押し込んでからのジェームズのクロスは精度が高かったが、高さがあるユナイテッド守備陣と、クロスへの入り方が上手いわけではないチェルシーのアタッカー陣ではこの手段は次善策止まりだろう。

 というわけでポジトラの加速で一気に攻略できるユナイテッド!のはずだったが、中盤から前につけるスイッチが入らない。思えば相手が前かがりに来てくれたニューカッスル戦も試合が弾けるまでは、こんな感じであった。後半はデヘアのミドルパスが打開の一手になっていた。深い位置からの出し手として活きそうなポグバをトップ下で使ったのは不思議な感じ。

 前からのプレスもトッテナム戦よりは遥かにいいが、試合のテンションを上げて圧力で潰し切った昨季のいい時と比べると物足りない。

 共に決め手を欠く中でゴールに迫るユナイテッドを完封できたのはGKのメンディによるところが大きい。特に横への反応はピカイチで、ブルーノフェルナンデスのスピードが乗ったシュートを弾き飛ばした。ミドルで割るのはかなり難しそう。ただ、足元を見るとビルドアップへの関与は現状ではほぼ期待できない。単体で見るといい補強だが、チームコンセプトとの整合性は引き続き悩みの種になりそう。クロス対応も含めてまだ注視し続けていきたいところだ。

試合結果
マンチェスター・ユナイテッド 0-0 チェルシー
オールド・トラフォード
主審:マーティン・アトキンソン

⑤リバプール【3位】×シェフィールド・ユナイテッド【19位】

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■付け入られた『揺らぎ』と揺らがないもの

 テンポを1人で制御できるチアゴ、早くなった展開を何とかする最終ラインの要であるファン・ダイクを共に欠いてしまったリバプール。最終ラインにはファビーニョを起用し、4-2-3-1でこの試合に臨んだ。攻撃の組み立てとしてはファビーニョとフィルミーノという中央の起点が1つずつ後ろにずらされたイメージ。その分、運び役として計算できるジョタを組み込んで、早い展開の武器を増やしていく。ジョタは最終ラインまで下がっての守備もこなしていて、リバプールは5バックに見えるときもあった。

 誤算だったのは早い展開になればブレイズも割とやれてしまうという点。ブレイズは理に適ったボール運びはできるけど、理不尽なアタッカーがいないというのが悩みなので、スペースがある状況で個の力でビシバシ止めるファン・ダイクの不在というのは悪くない状況だったのだと思う。リバプールはダイクがいない分、オープンな展開に対する揺らぎがいつもより大きかったように思う。先制点のPKのシーンとか象徴的。

 それでも揺らがなかった部分もある。例えば、サラーの細かい動き出しとか。サイド(主に右)からのクロスの精度とか。ブレイズに対して高さで優位はないものの、スペースに点で合わせる精度で相手の高さのアドバンテージを消してくるあたりはさすがだなと。この試合のリバプールは2点ともブレイズのブロックの外側から打ち抜くピンポイントクロスから。3ポイントシュート的な得点の取り方は揺らがなかった。

 起点になれるマクゴールドリックや、スピード勝負の強さがあるバークなどの前線の武器を投入したブレイズも最後までリバプールにかみつき続けた展開。リードを奪ってからもリバプールは冷や汗をかき続けた。敗れたとはいえ今季ベストに近い内容ではある。難しい相手が続く日程だが、スペースを与えてくれる相手だけに限られた機会は与えられそう。あとはそれを仕留められるかどうかである。

試合結果
リバプール 2-1 シェフィールド・ユナイテッド
アンフィールド
【得点者】
LIV:41′ フィルミーノ, 64′ ジョタ
SHU:13′ ベルゲ
主審:マイク・ディーン

⑥サウサンプトン【12位】×エバートン【1位】

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■差し引ききっちり

 結果だけ見れば驚きだろう。ただ、蓋を開けてみれば妥当である。余談だが、今季の意外な結果(アストンビラ×リバプール、ユナイテッド×トッテナム)は蓋を開けてみると、「ああ、まあそりゃそうだよね」みたいに妙に納得することが多い。

 エバートンはここまでボールを持つ局面の強さで連勝を積んできたチーム。ハメスのフレア、それに呼応するIHやSB、そしてエリア内でクロスを仕留めるキャルバート=ルーウィンのタッグは強力であった。

   この試合で痛かったのはボールを運びつつフィニッシュにも絡めるリシャルリソンの不在。前節の退場による出場停止を埋めたのはイウォビだった。ただ、イウォビは彼に比べるとボールを運ぶ役割の貢献度は怪しい。エリア付近で時間をもらって受けたパスをチャンスとして仕上げるタイプである。ブライトン戦ではその役割で輝いた。

 したがって、ボール運び役がいなくなったエバートンは陣地回復に苦戦する。マージ―サイドダービーではポストでも存在感を見せたキャルバート=ルーウィンだが、この試合ではそもそも彼に長いボールがでなかった。なんでだろう。サイドチェンジはハメスが一手に引き受けて大きな展開は彼頼みに。横幅を使う展開も限られた。

 さらにはエバートンは前線の守備の基準も曖昧。動き回るサウサンプトンの攻撃陣に対して、自由を許す場面も多かった。サウサンプトン側も相変わらず大外が空いていたり、リトリートの最中でSBが急に立ち止まったせいで裏を取られたり(理由も意図も読み取れない)隙があったりはするのだが、その隙をつける状態ではなかったエバートンである。

 ウォード=プラウズの先制点は今節のベストゴールといってもいいだろう。ただ、美しかっただけではなく、エバートンの最終ラインが出ていったところの手当てが甘いという傾向をばっちり利用した得点である。

 2点目はサイドに流れるイングスから。エバートンは前から行く覚悟をしたのならば、キーンはアダムスにポストを許してはいけない。

 ディーニュの踏みつけによる一発退場でエバートンはジエンド。主力の不在分のマイナス分をきっちりさらしたエバートン。ここまでは好調で来たが、さらに出場停止の選手を一人増やしてしまうこの結果は内容と照らし合わせると重たいものになる。

試合結果
サウサンプトン 2-0 エバートン
セント・メリーズ・スタジアム
【得点者】
SOU:27′ ウォード=プラウズ, 35′ アダムス
主審:ケビン・フレンド

⑦ウォルバーハンプトン【6位】×ニューカッスル【13位】

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■バランス探しはまだまだ続く

 どちらもチームとしてはバランスの調整の真っ最中。ウルブスのお題は前線3人の関係性とWBの攻撃意識をどこまで持たせるか?である。後者はひとまず落ち着いた感。右はセメド、左はサイスが1stチョイス。サイスを起用した分、開幕に比べると攻撃色はやや控えめになった。

 前線は前節と同じメンバー。前節はポデンスをトップ下に、ヒメネスとCHも兼務するネトが2トップのようにふるまう形だったが、今節はヒメネスを中央に置き、両サイドにネトとポデンスが位置する形だった。奥行きで勝負していた前節よりも幅を意識した配置に。

 ユナイテッド戦から急にボールを持ちたがり始めたニューカッスルで目を引くのは5-3-2の3の部分。アンカーのヘンドリックも、IHのアルミロンとフレイザーもいずれも今季SHでスタメンを張っていたメンバーである。スライドも含めて中盤の守備は怪しかったが、ウルブスが中央から攻め込む場面が少なかったので助かった感がある。

 ほとんどの時間、ウルブスがボールを持っていた試合。ニューカッスルがボールを放棄したというよりはただ普通に取り返せなかっただけのように思う。ひとたびボールをもてば彼らはつなごうとするし、攻撃的な中盤は力を発揮できる。とりわけサン=マクシマンは絶好調をキープ。1,2人なら軽く抜いてくれるコンディションを維持している。ただ、ボールを取り返す手段は未実装といったところだ。

   互いに流れの中から無得点。相手の薄いところを攻略しきれなかったウルブスとバランス取りに苦心したニューカッスルの試行錯誤はまだまだ続きそうだ。

試合結果
ウォルバーハンプトン 1-1 ニューカッスル
モリニュー・スタジアム
【得点者】
WOL:80′ ヒメネス
NEW:89′ マーフィー
主審:リー・メイソン

⑧アーセナル【5位】×レスター【4位】

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■もったいないけど当たり前

 大体はレビューを書いたので、それを呼んでほしい。

 前半はアーセナルのものだった。ダビド・ルイスを起点として、アーセナルはレスターの5-4-1ブロックに対して幅と奥行きを絡めた決定機を作る。PAでの迫力がやや物足りなかったのは高い位置を取るオーバメヤンとセバージョスにフィニッシュの局面で存在感がなかったからだろう。

 好機を逃し続けたアーセナルに対して、後半はレスターが巻き返す。ポジション移動でマディソンに代わり、バーンズをブロックに組み込んだレスター。サイドからの攻略を先手を取って封じる。アーセナルは中長距離のパスを操っていたルイスと間受けでチャンスを作り出していたサカが立て続けに負傷で交代。代わって入った選手たちが彼らほどにチャンスメイクに貢献ができなかった。

 一方で交代選手がピカイチな動きをしたのがレスター。交代で入ったウンデルが同じく交代で入ったヴァーディにアシスト。アーセナル・キラーのヴァーディに一刺しでやられたアーセナル。前半の動きを見ればもったいない敗戦ともとれるし、90分試合を握り切れない彼らの課題を考えると必然の敗戦ともいえる。

試合結果
アーセナル 0-1 レスター
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
LEI:81′ ヴァーディ
主審:クレイグ・ポーソン

⑨ブライトン【15位】×ウェスト・ブロム【17位】

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■流れを呼び込んだ本来の顔

 悪くない内容だけど、だけど、だけど・・・・とあれよあれよと4試合未勝利になったブライトン。今節は無駄にヒートアップしたM23ダービーでお粗末なタックルを決めたダンクが出場停止。フェルトマンが代役を務める。

 試合は大方の予想通りブライトンがボールを動かす展開になる。30分過ぎから押し込むと徐々にウェストブロムの守備ブロックにはほころびが見られるように。その隙をうまくついていたのがララーナ。間に顔を出して前を向き、ブライトンのチャンスメイクに貢献する。中央に起点ができることでサイドも高い位置を取る時間ができたブライトン。

   ブライトンの先制点は大外から大外のパスがキー。ボールサイドと逆側の大外からエリア内に飛び込んだランプティ。これに対して後追いになってしまったところから歪みが発生したウェストブロム。最後はオウンゴールで大事な先制点を与えることに。

 しかしながら、ララーナの体力が怪しくなってくると徐々にウェストブロムに主導権が移る。このチームは「今季プレミア仕様のために引きこもりを練習していたが、2部ではボールを持つチーム」的な話をどこかで聞いたような。空いたところに顔を出してポンポン進んでいく!みたいな感じはしなかったけど、確かにボールを持つことにアレルギーがありそうな感じもしなかった。

 起爆剤になったのはロビンソン。序盤はCFでの出場が目立ったがこの日はサイドに入った。ここで優位を作ったウェストブロムは徐々にブライトンを押し込み始める。得点もここからで、ロビンソンの突破から最後はグラントが仕留めた。得点後即時にグラントを交代したこと、かつ効いていたサイドから中央にロビンソンを動かしたビリッチの采配にはやや疑問も残るが、最後まで攻め立てたのはどちらかといえばウェストブロムの方。今節も初勝利はお預けとなったが、新しい顔をのぞかせた一戦でもあった。

試合結果
ブライトン 1-1 ウェスト・ブロム
アメリカンエクスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRI:40′ OG
WBA:83′ グラント
主審:ジョナサン・モス

⑩バーンリー【18位】×トッテナム【7位】

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■前節とは裏腹に名より実をとる

    メンバーを見た時には3センターかな?と思ったスパーズだが、エンドンベレをトップ下に置く4-2-3-1という方が適切だろう。スパーズは内外の選手の棲み分けが非常に明確だった。

   具体的には大外がSB、前線のアタッカーは内側に絞り、ハーフスペースを主戦場にするイメージである。ボールサイドにはCHの一角が流れ、列落ちにより局所的に数的優位を作ってボールを運ぶ。ざっくりいうとそんな感じである。

 この列落ちが有効だったかは微妙なところ。DF-MF間で受けられる前線のアタッカー陣とビルドアップ隊の距離は遠くなる。長いパスを一発で入れられるバックスも、屈強なバーンリー相手に長いボールを収められるアタッカーも不在なスパーズにとってはこの状況はそこまで有り難くなかったような。

    トップ下のエンドンベレは74分にターンから好機を演出するが、この試合では攻撃でアクセントになる場面は少なかった。

   ここ数試合のスパーズの攻撃パターンはケインが降りて出し手となり、両WGを受け手としてチャンスメイクするというもの。ただ、この試合はそもそも降りるスペースにエンドンベレがいるので、ケインのゲームメイクはあまり見られなかった。大外のSBも独力で起点になるにはまだ存在感が足りないようにも思う。多くの時間で攻撃が機能していなかったのは、単純に優位を見いだせる箇所がなかったからのように思う。

   ターフ・ムーアで苦しんだスパーズだったが、後半にセットプレーがソンフンミンが仕留めて辛くも逃げ切り勝ち。前半はのびのび気持ちよくやっていたのに得た勝ち点は1だった前節とは裏腹に、今節は前後半苦しみながらも勝ち点3を得る結果になった。

    敗れたバーンリーは今節もロングボール主体。スパーズのCB相手だとハイボールは全く効かないわけではないが、めっちゃ効くわけでもないという微妙な効能だった。前線の起点が定まらなければ得点力不足の解決策は見いだせない。厳しい戦いはまだまだ続きそうだ。

試合結果
バーンリー 0-1 トッテナム
ターフ・ムーア
【得点者】
TOT:76′ ソン・フンミン
主審:マイケル・オリバー

おわり!

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