不条理な前半を後半に取り戻す
序盤はボールを持つのは浦和という立ち上がりであった。東京Vは5-4-1で構える形でポゼッションを受ける形に。サイドに誘導しつつ、ボールが出たら2列目が連動してラインアップを実施。重心を上げることで対応する。
浦和はショートパスでの攻略にこだわる様子はなく、割り切ったロングボールが徐々にみられるように。東京Vは保持に回れば、浦和の2トップの脇から3バックがボールを運ぼうとしていたこと、浦和は特にこの東京Vのポゼッションを強引に邪魔しようとしなかったことから、徐々に試合は東京Vが保持の局面を増やしていく。
浦和に比べると東京Vの押し込むフェーズの攻略は手ごたえがあるものだった。大外からのハーフスペースアタックはシンプルなものであったが、撤退守備にも関わらず浦和側のWBへの対応は延々と後手に回っていたため、東京Vは5レーンを活かした攻め手からボックス内に入り込むことが出来ていた。
インサイドでは木村が背負うところで相手に差を見せつける格好。東京Vがポゼッションと主導権を両方とも握る序盤戦となった。
浦和は24分に石原がようやく打開のきっかけをつかむと、この試合はじめて刺さったハイプレスから渡邊のミドルで先制。試合の流れと逆行するゴールを手にする。
先制点は試合の流れを特に変えず。浦和は依然として東京Vに対して手ごたえのある形で押し込まれることに。浦和はリードしているにも関わらず、40分には小泉→大久保というタクティカルな交代を実施するという珍しい事態に。押し込まれることはどうにもならなさそうなので、ドリブラーを増やしてカウンターを強化したいという気持ちはわかるものではあった。
後半になっても試合のテンポに変化はなし。東京Vは手ごたえのある形で押し込むフェーズを作っていく。すると、押し込む流れから同点ゴールとなるミドルを放ったのは綱島。自然な流れでCBが攻撃参加できるというのはいかにもいい流れのポゼッション。東京Vが後半にタイスコアに戻す。
浦和は保持ベースからテンポを取り戻そうとするが、石原のところは東京Vの狙いどころになっており、不安が先立っている感がある。グスタフソンを入れると保持は整うが、全体的に前の選手のパワー不足は否めない。
そんな浦和を尻目に東京Vはセットプレーから逆転。またしても綱島のゴールで試合をひっくり返す。
不条理感のある前半を後半に引き戻した東京V。内容的にも充分な手ごたえのある90分で逆転勝利を手にした。
ひとこと
5バック相手に撤退する際のWBへの対策を浦和はもう少し整理したい感があった。
試合結果
2024.10.19
J1リーグ
第34節
東京ヴェルディ 2-1 浦和レッズ
味の素スタジアム
【得点者】
東京V:59‘ 76‘ 綱島悠斗
浦和:27‘ 渡邊凌磨
主審:西村雄一