
引きこもる中国を攻略したオーストラリアが今予選初勝利
ここまで1分1敗と明確に出遅れてしまったオーストラリア。次節は順調に勝ち星を積んでいる日本が相手ということを踏まえると、ここを逃せば10月シリーズも未勝利での折り返しとなる。中国とのホームゲームは石にかじりついてでも落としてはいけない一戦だ。
オーストラリアは3バックを採用。中国の4-4-2に対してギャップを作るような配置でスタートする。中国はミドルゾーンでの4-4-2からマンツー気味に前に出て行く形で相手を捕まえに行く。ただ、出て行くタイミングが遅く絶妙にプレスはズレてしまう。そのため、オーストラリアにとっては列を下げれば自在にパスを受けることが出来る状況だった。
3バックで中国のSHを釣ることでサイドからの前進が容易だったオーストラリア。しかしながら、ボックス付近での攻撃はちぐはぐで、なかなかサイドからきっかけを作ることが出来ない。
すると、中国はずっと狙い続けていたロングボールから反撃に成功。張玉寧のポストから抜け出した謝文能がワンチャンスを仕留めて千載一遇のチャンスを生み出して見せた。
中国はゴールを決めた後はSHを明確に下げて6バックを組む。当然、オーストラリアからは押し下げられるケースも出てくることになるが、そこは仕方ないという考え方だろう。
アタッキングサードで違いを作れずに苦戦したオーストラリアだったが、前半の終了間際にセットプレーから先制点をゲット。純粋な高さで上回り、何とかハーフタイムをタイスコアで迎える。
中国は選手交代を挟んで5バックにシフト。5-3-2でオーストラリアを迎え撃つ。後ろに重い布陣ながらも同点に追いつかれたことで少しずつ前に出て行くスタンスを見せる中国。オーストラリアはこれをひっくり返す形で勝ち越しゴールをゲット。大外のミラーを囮にカットインしたグッドウィンが豪快なミドルを放ってゴール。中国はミラーのフリーランによって押し下げられたスペースをグッドウィンに活用されてしまった。
以降は完全に試合はオーストラリアのペース。空中戦の強さでロングボールを安定して跳ね返しつつ、ポゼッションで時間を作ることで反撃の隙を作らせない。
終盤にはおまけのゴールを決めて終わってみれば3-1の完勝。引きこもる中国に解決策を打ち出すことに成功したオーストラリアが今大会初勝利を挙げた。
ひとこと
中国、あんまりシステムとか関係ないね。保持も非保持も。
試合結果
2024.10.10
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
アジア最終予選 グループC 第3節
オーストラリア 3-1 中国
アデレード・オーバル
【得点者】
AUS:45+2’ ミラー, 52‘ グッドウィン, 90+2‘ ベルピレイ
CHI:20‘ 谢文能
主審:ナズミ・ナサルディン