アストンビラ【9位】×リバプール【1位】

またしても難所で足止めのリバプール
リバプールの孤独なミッドウィークのプレミアリーグは2週目に突入。先週のグディソン・パークに続き、今週はビラ・パーク。ミッドウィークは難所でのタフなゲームとなっている。
アストンビラのミドルブロックに対して序盤からボールを持つのはリバプール。左右のサイドからワンツーで進んでいこうとすると、サラーのカットインやジョタのクロスから一気に決定機を作る。非保持ではハイプレスを敢行。こちらも勢いのいい入りだ。
しかしながら、リバプールのハイプレスの連動はFW-MFの間が甘く、縦にパスを入れながら相手を動かすポゼッションのアストンビラに揺さぶられてしまう。サイドから進むと、オフサイドながらラッシュフォードがネットを揺らすなど、こちらも手ごたえは悪くない立ち上がりとなった。
押し込むことが出来れば悪くない両チームだが、押し込む頻度はリバプールの方が上。ジョタへの縦パスからショボスライが抜け出すようにインサイドを使ったかと思えば、ロバートソン→サラーへのファークロスから外回りでの攻略も見せるなどバリエーションが豊か。
そして、決め手になったのはハイプレス。サイドに追い込むことに成功すると、ガルシアをハイプレスで飲み込んでバックパスを奪取。この好機をサラーが逃さずに仕留めて先制する。
先制されたアストンビラだがプレス回避でもミドルブロックでも特にセンターラインで相手とは互角にやりあえており、特に意気消沈の構えはなし。降りてくる中盤に躊躇なくボールを付けるマルティネスは少し怖いが、ティーレマンスやマッギンは恐れることなくボールをつなぐ。
アストンビラは中央の起点からアウトサイドに叩いてボールを付けて押し下げていく。すると、セットプレーから同点ゴールをゲット。ティーレマンスが叩き込み試合を振り出しに戻す。
前半終了間際にはアストンビラは逆転。左サイドに現れたワトキンスを終始止めることが出来ず、リバプールは前半終了間際に勝ち越しを許す。リバプールとしては同点にされた直後に裏抜けしたジョタに特大の決定機があっただけに苦しい展開となった。
迎えた後半、リバプールは再びポゼッションからスタート。リードをしたアストンビラはサイドのリトリートを早めて後ろ重心で対応。ロングボールでボールを動かしていくなどリスクヘッジの動きが目立つ。それでもラッシュフォードがアリソンを出し抜きかけるなど、十分にチャンスを作ることができていた。
しかし、早い展開からゴールを生み出したのはリバプール。右サイドのポジトラを制すると、最後はアレクサンダー=アーノルドが仕留めて再び同点に。
ここから押し込んでの総攻撃に移行するリバプール。ビラは3枚交代で流れを変更にかかり、マレンが即座に抜け出すなど即効性を見せる。リバプールも呼応するように交代で入ったブラッドリーがインサイドに抜け出すパスからチャンスを作る。
ただ、前線の選手の出来には少し差があったか。リバプールはヌニェスを始めとして少しフィーリングが落ちてしまった感があったが、アストンビラの2列目より前は躍動。ロジャーズ、ティーレマンスといったフルタイム組の奮闘に交代で入ったワイドプレイヤーがアクセントを載せる形で呼応。終盤はよりゴールに迫る。
だが、両軍にこれ以上のゴールは生まれず。終盤までスリリングな一戦は引き分けでの決着となった。
ひとこと
リバプール、連戦続きでさすがに疲労の色が濃い感じがする。
試合結果
2025.2.19
プレミアリーグ 第29節
アストンビラ 2-2 リバプール
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:38‘ ティーレマンス,45+3’ ワトキンス
LIV:29‘ サラー, 61’ アレクサンダー=アーノルド
主審:クレイグ・ポーソン
エバートン【15位】×ウェストハム【16位】

悪い流れからカムバックしたエバートン
順位だけで言えば残留争いの一歩手前にいる両チームの試合となる。だが、事実的にはこの順位でも降格圏とは勝ち点があり、残留争い的には「あがり」となっている。逆に言えば残りのシーズンのコンペティション的な目標が難しいチームでもある。もっとも、残留争いに苦しむよりははるかにマシだろうが。
序盤は激しい肉弾戦ベースのスタート。前線の高さを活かすロングボールから前に起点を作りにいく。プレスに関しては消極的なのはウェストハム。ミドルブロックの構築を優先し、エバートンのCBに時間を与える。エバートンは広がるCBから相手の2トップの脇に起点を作り、ここから敵陣に迫っていく。
一方のエバートンはハイプレス。ウェストハムは横断をしながら数が合わないながらもハードなプレスをしてくるエバートンを交わすようにボールを動かしていく。保持から求められるソリューションは両チームで対照的なものとなった。
より、効果的な前進ができていたのはウェストハムの方だろう。横断しながらのプレス回避から敵陣に迫ると、セットプレーからの決定機も。ピックフォードのファインセーブによってエバートンはなんとか助けられる序盤戦となった。
非保持の時間帯が増えるエバートンはベトのロングボールをベースに反撃。ウェストハムとは異なった切り口からチャンスを作っていく。
前半終了間際にはベトがPKを獲得するが、これはOFRの末にPKは取り消されることに。スリップ判定となり、ファウルは認められなかった。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。
後半、優勢となったのはウェストハム。特にワン=ビサカを高い位置にスライドさせる4-4-2からエバートンのサイド攻撃をミラー気味で食い止めることで主導権を確保。コンパクトな守備ブロックからボールを引っ掛けて敵陣まで進んでいく。
優勢だったウェストハムはその勢いのまま先制点をゲット。左サイドからのクロスをソーチェクが反転してシュート。エバートンの守備者のエアポケットに入り込んだ長身MFが細かいボディコントロールから先制ゴールを生み出す。
この失点から軽率なミスが連鎖するなど悪い流れを引きずるエバートン。枚数をかけた選手交代でリカバリーを図っていく。押し込むフェーズをなんとか作ると、そこからエバートンは同点ゴール。大外に回り込んだゲイェの折り返しをオブライエンが叩き込むことで後半追加タイムに追いつく。
終盤もアルカラスが決定機を迎えるなど、チャンスはエバートンに流れる展開。しかし、決め切ることはできず。試合は痛み分けとなった。
ひとこと
エバートンの同点ゴール、お見事だった。
試合結果
2025.3.15
プレミアリーグ 第29節
エバートン 1-1 ウェストハム
グディソン・パーク
【得点者】
EVE:90+1′ オブライエン
WHU:67′ ソーチェク
主審:ダレン・ボンド
サウサンプトン【20位】×ウォルバーハンプトン【17位】

マークの上からのラーセンで地固めの3ポイント
すでに残留は絶望的なサウサンプトン。今節ホームに迎えるのは残留争いをしているチームにとって、唯一巻き込める可能性を残している相手であるウルブスである。
序盤からボールを持っていたのはサウサンプトン。ミドルブロックの5バックを敷くウルブスに対して、バックラインからボールをガンガン動かしていく。攻め筋の主役となっていたのは右サイド。菅原とウォーカー=ピータースの連携からボックスに入り込んでいき、クロスを上げる。右サイドを縦方向に抉るというところまではサウサンプトンはできていた。
なかなか押し返せないウルブス。サウサンプトンの保持に対して、自陣に閉じ込められることが多く、非保持では高い位置から奪い返されてしまう。だが、ボールを持ち敵陣に相手を押し込むフェーズにおいてはウルブスの方が有望。特に構造を壊せていなくても、相手のDFの上から叩くことに成功したストランド=ラーセンがあっさりと先制。サウサンプトンは自陣の守備ブロックの脆さを今節も晒すこととなってしまった。
追いかける形となったサウサンプトン。しかしながら、2列目の守備参加を手堅くやっているウルブスは自陣でのローブロックを組みながら序盤のようなサイドから奥を取るアクションを順調に封鎖していく。
試合のテンポは少しずつローギアにシフト。そうした中でなかなか打開策を見つけることができないサウサンプトンがビハインドでハーフタイムを迎えることとなった。
後半、オヌアチュの投入からサウサンプトンは反撃を狙う。ロングボールのポイントを作り攻撃を仕掛けていく。しかしながら、このロングボールが裏目に。対面のアグバドゥにあっさりと跳ね返されてしまうと、そこからのカウンターでラーセンが2点目をゲット。さらにリードを広げる。
サウサンプトンは押し下げる機会を増やしつつ、右サイドの菅原とディブリングのデュオから反撃を狙っていく。前半はあまり効いていなかった連携だが、ディブリングの調子は徐々に良好に。ポストを捉えるミドルからオヌアチュのゴールをお膳立てする。
そのゴールと時間は前後するが、サウサンプトンは4バックにシフト。自軍の守備は明らかにもう1ランクスカスカになったがそれと引き換えにオープンな展開を手にした。その結果が先のオヌアチュのゴールである。だが、今節も勝ち点奪取には及ばず、ウルブスにさらなるポイントの積み上げを許してしまった。
ひとこと
後半頭のセインツの失点はあまりにも頭が痛くなるようなものだった。
試合結果
2025.3.15
プレミアリーグ 第29節
サウサンプトン 1-2 ウォルバーハンプトン
セント・メリーズ・スタジアム
【得点者】
SOU:75′ オヌアチュ
WOL:19′ 47′ ストランド=ラーセン
主審:ロベルト・ジョーンズ
イプスウィッチ【18位】×ノッティンガム・フォレスト【3位】

夢舞台に今節も足取り順調なフォレスト
徐々に追いかけるウルブスの背中が遠ざかりつつあるイプスウィッチと、前節追いすがるシティを蹴落として3位固めに成功したフォレスト。立てた目標に対しての到達度にくっきりと明暗が分かれている両チームの一戦だ。
序盤は肉弾戦ベースのスタートだが、徐々に主導権を握っていったのは順位表で上位につけるフォレスト。前節の殊勲者である左サイドのハドソン・オドイを軸とした組み立てからイプスウィッチのゴールに迫っていく。
本来であれば押し込まれた状態からでも反撃に転じることが出来る推進力がイプスウィッチの強みである。だが、この試合では前を向いて推進力を出す前にフォレストの後方ユニットに圧殺をされてしまい、なかなか起点を作れない。
押し込むフォレストはセットプレーから先制ゴールをゲット。一度はCKを跳ね返したイプスウィッチだったが、二次攻撃を仕掛けたハドソン・オドイによって再びゴールに迫ると、最後はミレンコビッチが押し込んで先制ゴールを決めた。
この先制ゴールを皮切りにフォレストはゴールラッシュに突入。2得点目はまさに今季のフォレストのトレードマークというプロセスからのゴール。自陣の深い位置でのボール奪取から素早く攻めに転じると、エランガが抜け出してさらにリードを広げる。
逆にイプスウィッチの糸が切れてしまったのかな?と思いたくなるのがフォレストの3点目のシーン。自陣からのロングボール対応で釣りだされてしまったCBの背後を取る形で再びエランガがゴールをゲット。イプスウィッチは4バックで立ち向かう際のリスク管理がうまくいっていなかった。
フォレストは瞬間風速を見せつけてあっという間に3点差。多様なゴールのパターンで事実上前半に試合を決めてしまった格好だ。
後半、イプスウィッチはようやくボールを持つターンに突入。ミドルブロックを構築するフォレストを左右に揺さぶりながらゴールに迫っていく。ただし、フォレストもカウンターから反撃に。スピードを生かしてハイラインに出てくるイプスウィッチを逆に脅かしていく。
攻撃に出て行くのにあまり枚数が関係なくなりつつあったフォレストは5-4-1にシフトすることでサイドのスペースの埋めにシフトしていく。自陣での守備の陣内を厚くしたという意味ではここから意地を見せたイプスウィッチに2得点を許してしまうという出来はあまり芳しくないかもしれない。
しかしながら、この試合の勝利に関しては危なげなったフォレスト。前線に代わって入ったジョタ・シウヴァが追加点を奪ったことで最後までセーフティリードをキープ。試合は前半に集中砲火を食らわせたフォレストが勝利を収めた。
ひとこと
今のチームの勢いがきっちりと反映されている90分だった。
試合結果
2025.3.15
プレミアリーグ 第29節
イプスウィッチ 2-4 ノッティンガム・フォレスト
ポートマン・ロード
【得点者】
IPS:82′ カユステ, 90+3′ ハースト
NFO:35′ ミレンコビッチ, 37′ 42′ エランガ, 87′ シウヴァ
主審:マイケル・サリスベリー
マンチェスター・シティ【5位】×ブライトン【7位】

CL後の難敵に勝ち点を持ち帰られる
マドリーに敗れてしまい、CLという大目標を失ってしまったシティ。しかしながら、ここで気落ちしてしまえば来季同じ舞台に立つ権利すら失いかねないのが今のリーグ戦の現状でもある。4連勝中と好調のブライトンをホームに迎え、気の抜けない一戦を迎えることとなる。
シティは難しい状況ながらも高い位置からのプレスを敢行。4-4-2がベースではあるものの、ギュンドアンの列上げプレスから前線のプレスを増員するなど、ブライトンの保持に対して高い位置からボール保持を阻害しにいく。
ブライトンはサイドにボールを逃すことで対応。ヒンシェルウッドからのキャリーから逆サイドへの展開でシティの守備ブロックを横断。三笘とリコ・ルイスのマッチアップはブライトンの貴重な攻め筋になっていた。
ブライトンの非保持もシティと同じくハイプレスがベース。高い位置から相手のバックラインにプレスをかける。シティはオルテガを絡めたポゼッションでブライトンのプレスを撃退しにいく。
ハイプレス合戦を制したのはシティ。ジョアン・ペドロへの縦パスを咎めたところからカウンターを発動すると、ここから抜け出したマルムシュがウェブスターに倒されてPKを獲得。これをハーランドが仕留めてシティが先制する。
だが、すぐにブライトンは反撃。背走しながらのロングボールでシティのクリアのセカンドボールをひろい、敵陣でのプレータイムを増やしていく。押し込むことで生まれたセットプレーを沈めたのは意外や意外、エストゥピニャン。際どいコースに直接FKを沈めて、先制後に10分で同点に追いつく。
基本的に前半は保持側が優勢。シティが保持に回ると、サイドからの突っつきからチャンスを作り、フェルブルッヘンにファインセーブを強いる。
落ち着かない展開の中でスコアを動かしたのはシティ。またしても高い位置からのプレスを成立させると、今度はマルムシュがフィニッシャーとなりリードを奪う。ブライトンは1失点目の反省を生かすことができなかったと言わざるを得ない展開だった。
前半はシティが2-1でリード。サイド攻撃のキレは互角ではあったが、それ以外の局面を上回ったのはシティのように思えたので、スコア数位的には妥当な感じがした。
後半、ブライトンはハイプレスからスタート。シティに圧力をかけていくとセットプレーからゴールをゲット。ヒンシェルウッドの飛び込みがフサノフのオウンゴールを誘発し、試合を振り出しに戻す。
同点以降も優位に立ったのはブライトン。勢いに乗ったのか、CBの高い位置からのボール奪取が目立つなどシティに自陣からの脱出を許さない。ハイプレスからボールを奪い、スムーズなトランジッションからゴールに迫るパターンを確立したブライトンであった。ゴールに関与したヒンシェルウッドはカウンターでも攻撃に打って出た。
シティは交代で攻撃的なプレイヤーを続々と投入するが、なかなか流れを変えることはできず。ブライトンもネットを揺らせないまま2-2のまま試合は幕を閉じた。
ひとこと
ブライトンの2つの失点は相当勿体無い。回避できる類のボールロストだったように思う。
試合結果
2025.3.15
プレミアリーグ 第29節
マンチェスター・シティ 2-2 ブライトン
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:11′(PK) ハーランド, 39′ マルムシュ
BHA:21′ エストゥピニャン, 48′ フサノフ(OG)
主審:サイモン・フーパー
ボーンマス【9位】×ブレントフォード【12位】

欧州の舞台が遠ざかる逆転負け
復調気配のニューカッスルやブライトンと入れ替わるように順位を下げつつあるボーンマス。勝ち点差的にはまだ4位は射程圏内といえなくもないが、4位までの間に挟まるチームが増えている現状が芳しくないのは確かだろう。
アグレッシブなスタイルが持ち味の両チームということもあり、序盤からアグレッシブに組み合っていくスタートとなったこの試合。オープンな展開は共にサイド攻略によってもたらされる。左サイドのセメンヨを軸とした攻撃が持ち味のボーンマスはもちろん、ブレントフォードにとっても攻めの中心は左サイド。ルイス-ポッターに多くの選手を絡める形で縦に進み、折り返しからゴールを狙っていく。
しかしながら、試合を優位に進めたのはボーンマスの方だろう。大きかったのはエヴァニウソンというロングボールのターゲットがボーンマスの前線にいたこと。前進のコストがより低く済んでいる分、ボーンマスの方がより試行回数を重ねることができていた。
押し込むボーンマスは先制ゴールをゲット。エヴァニウソンへのロングボールを起点に、ストロングの左サイドで攻め込むと、折り返しでオウンゴールを誘発。先制ゴールを決める。
ビハインドとなったブレントフォードはすぐに反撃。中央に立つノアゴール起点のバックドアで右のハーフスペースを狙い撃ち。深さを取ったところからの折り返しでボーンマスのゴールに迫る。
アタッキングサードでのプランを見つけたブレントフォードはセットプレーから同点ゴール。ウィサが冷静に合わせて試合は振り出しに戻る。このゴールで流れに乗ったブレントフォードはムベウモのミドルや得点シーンの再現を狙うセットプレーで攻勢に。特にセットプレーの守備に関してボーンマスは相当ナーバスになっているように見受けられた。
後半は前半の繰り返しのようなスタート。サイドからの前進をベースにカジュアルに前進ができるボーンマスの方がやや有利。ブレントフォードはルイス-ポッターやウィサの連携から左サイドの奥を取ることが出来る場面も作れていたが、ハイセンが素早く同サイドの穴埋めに走るなどカバーに意欲的なため、早い段階で攻撃を食い止めることが出来ていた。
だが、試合を動かしたのはブレントフォード。前半にボーンマスを苦しめたセットプレーが火を噴く。ロングスローからニアでの処理がもたついたところをファーで待っていたノアゴールが押し込んで勝ち越し。今度はブレントフォードが前に出る。
追いかけるボーンマスだが、交代で入ったブルックスがゴールを仕留められなかったり、フレッケンに阻まれたりなど後半は得点が遠い展開に。試合はそのまま終了。ボーンマスは欧州がさらに遠くなる手痛い1敗を喫することとなった。
ひとこと
セットプレーのゴリ押しで殴られた感のあるボーンマスだった。
試合結果
2025.3.15
プレミアリーグ 第29節
ボーンマス 1-2 ブレントフォード
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
BOU:17′ ジャネルト(OG)
BRE:30′ ウィサ, 71′ ノアゴール
主審:クレイグ・ポーソン
アーセナル【2位】×チェルシー【4位】

壁の高い1-0
レビューはこちら。

リーグ戦では3試合勝利なしのアーセナル、じり貧となっている4位争いに苦しんでいるチェルシー。アタッカーに欠場者が溢れている両者にとっては厳しい状況で迎えるビッグ・ロンドン・ダービーとなる。
序盤からボールを持つのはアーセナル。高い位置から相手を捕まえに行くスタンスのチェルシーに対して、長いボールで追撃。降りるアクションをするメリーノにはボールが収まったり、あるいはライスやトロサールが列上げでロングボールのターゲットになったりなど、この日のアーセナルは高い位置での動きが変幻自在でマークを外していく。
押し込んだ後に決め手になったのは右サイド。チェルシーのマンツーマンの守備が緩みやすかったティンバーがいるこちらのサイドはアタッキングサードにおいても有効。ティンバー×エンクンクやマルティネッリ×バディアシルのマッチアップで優位をつかみ、ここからクロスを入れることが出来ていた。
押し込むアーセナルは順調に先制点をゲット。セットプレーからニアに入り込んだメリーノがバックヘッドでファーに流し込むことでリードを奪う。
追いかけたいチェルシー。ショートパスのつなぎにこだわっていた序盤はアーセナルのハイプレスの餌食になっていた感があったが、先行したことでアーセナルのプレスが弱まり、少しずつボールが持てるようになる。
だが、サイドを打ち破れないチェルシー。オーバーラップするククレジャもトーマスのスライドで基本的にはストップをかけることが出来ていたアーセナルであった。
37分のそのククレジャのシュートには冷や汗をかかされたラヤ。しかし、ファンブルでのミスを何ごともなかったように残りのチェルシーの攻撃を凌ぎ、アーセナルはリードのままでハーフタイムを迎える。
後半もアーセナルはボールを持ちながら優勢の立場をとっていく。チェルシーは右サイドのフォファナを軸にボールを運んでいく手段を見せてはいたが、アタッキングサードまでスムーズにつないでいくというところで滞ってしまう。
また、前半で効果がないと判断したのかハイプレスは自重。そういう点では試行回数を稼ぐことが出来ないというディスアドバンテージも後半のチェルシーは背負うことになった。
中央でのお手軽な前進をカットし、そこから反撃のパスを打ち込むことが出来るアーセナルはチェルシーの反撃をコントロールして試合の主導権を渡さず。追加点を取れる感じはそこまでしない後半だったが、それ以上に同点ゴールを匂い事シャットアウトすることもできていた。
セットプレーでの一撃で余裕を持って試合をコントロールしたアーセナル。リーグ戦では4試合ぶりの勝利を手にした。
ひとこと
1-0だけどなかなかチェルシーにとっては壁の厚さを体感する敗戦だったように思う。
試合結果
2025.3.16
プレミアリーグ 第29節
アーセナル 1-0 チェルシー
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:20’ メリーノ
主審:クリス・カヴァナー
フラム【10位】×トッテナム【13位】

後半の巻き返しが実らず遠ざかるトップハーフ
ともに白を基調するチーム同士のロンドン・ダービー。ホームのフラムが上位の状態でトッテナムを迎え撃つ一戦である。
序盤からボールを持つのはトッテナム。フラムは3バックの時期もあったが本日は4バック。ミドルブロックで構えるフラムはかつてのトレードマークが先行したもののように思えた。
GKをCBで挟み、自陣でボールを動かすトッテナム。ショートパスでつなぎたい意向を見せてはいるが、なかなかそれがうまくいかずに苦戦。降りるアクションを見せるテルがあっさりと捕まるなど、特に左サイドのポジションチェンジが裏目に出ることが多く、なかなかここからが打開できない状況となった。
一方のトッテナムは高い位置からプレスに出ていくが、フラムのプレス回避は安定。ウィリアンをボールの預けどころにしてサイドから前進していく。
両チームのプレスをめぐる応酬の優劣から試合は徐々に変化。ボールを奪えると判断したフラムは高い位置からボールを奪いにいく姿勢を強めていく。
これによりフラムは前半の終盤に押し込むフェーズを迎えることに。ファウルの判定には相当フラストレーションを溜めていたように見えたが、ボックス内での対応がバタバタしていたトッテナムをみると、押し込んでサイドからひたすらクロスというフラムのプランはとてもよく効いていたのだろう。
序盤はロストしていたテルが徐々に陣地回復に効くようになったのが唯一の光明となったトッテナム。ひたすら振り回されることで苦戦し続ける前半となった。
だが、後半頭に展開は変化。スペンスが立ち上がりに根性でマークを外したのを皮切りにプレス回避の質は向上。同サイドに限定されないようにバックスから振り回すことでフラムの高い位置からのプレスを撃退。非保持における縦のコンパクトネスさはないため、ライン間に縦パスを差し込まれるシーンは目立っていたが、保持面でのプレス回避は前半よりはよくなったトッテナムであった。
右サイドに移ったテルはサイドのユニットでのチャンスメイクに貢献。ゴールに迫るが、ソランケが決定機を押し込めずスコアは動かせないままだった。
トッテナムの反撃を凌ぎつつ、フラムは少しずつポゼッションを回復。すると結果を出したのは交代選手。ボックス内のわずかな隙を作り出したところをムニスが仕留めて先制ゴールを決める。
さらに古巣対決となったセセニョンが追加点。スピードを活かすのではなく、背負って剥がすという全くらしくないゴールのこじ開け方でさらにリードを広げる。
食らいつき、改善しながらもゴールが遠かったトッテナム。トップハーフの背中は姿が大きくならないままである。
ひとこと
後半はだいぶ流れ作れたとは思うんだけども、90分を通じて考えればフラムの勝利は妥当。
試合結果
2025.3.16
プレミアリーグ 第29節
フラム 2-0 トッテナム
クレイブン・コテージ
【得点者】
FUL:78‘ ムニス, 88’ セセニョン
主審:アンディ・マドレー
レスター【19位】×マンチェスター・ユナイテッド【14位】

反省が見えないホームチームは今節もノーゴール
キング・パワー・スタジアムで生まれた最後のレスターのゴールは12月8日。ホームのファンはフォクシーズがリーグで決めたゴールをかれこれ3ヶ月以上も見ていないことになる。数多くの失点を前にスタンドが空いてしまう光景も珍しくはない。
ユナイテッドの3バックに対して、レスターも同じく3バックで噛み合わせ。ただし、前からマンツーというわけではなく後方に人を余らせる形で相手の攻撃を受ける形となっていた。
どこが相手でも基本的にフォーメーションは同じなのでユナイテッド側に噛み合わせが云々という話はないかもしれないが、前からプレスに行かないのはアモリムも同じ。対面の相手がはっきりしている状況ではあるが、ハイプレスには行かずにまったりとしたスタートとなった。
時間の経過とともに粗が見えるようになったのはレスターの方。マンツーではないけども、なんかやっぱり人を捕まえた方がいいかもしれない!という発想のもと、徐々に高い位置から出ていくように。だが、この対応が中途半端。遅れて出ていくのであれば、結局のところユナイテッドのホルダーに次のパスの出しどころをわざわざ教えるだけ。穴を教えてもらったユナイテッドはレスターが空けたスペースから順調に前に進んでいく。
仮にボールを奪うことができたとしてもレスターは効果的に縦に進めないジレンマが。縦に急ぐことができずにユナイテッドに自陣でのブロック構築を許してしまう。たまにヴァーディに素早くボールが入ることがあったが、ここに立ちはだかったのはヘヴン。ハイラインにおける落ち着いた対応でレスターが最も成功させたいやり方を見事に阻害する。
ユナイテッドは順当に押し込むことができるように。敵陣にボールを送るとファーサイドを狙うクロスを中心にレスターのボックス内の守備を揺さぶっていく。
ペースを握ったユナイテッドはそのまま先制点まで。ホイルンドに抜け出しからあっさりとゴールを決めたレスター。うまくいくいかないというよりはホイルンドへのパスを寸断できなかったスマレのチャレンジがあまりにも軽いことは情けない。
先制点を得たユナイテッドだが、このゴールが特に追い風になる様子はなし。ヘヴンは相変わらずキャリーにカウンター対応に頑張ってはいたが、レスターが徐々にボールを持つようになるとサイドで高い位置をとってクロスまで持っていけるように。左サイドのクリスチャンセンからファーのンディディに向けたクロスはウガルテのプレスバックがなければゴールに直結していたことだろう。
後半、ユナイテッドは前半に活躍していたヘヴンが負傷という暗雲が立ち込めるスタート。試合の流れは変わりそうだが、レスターは流れをつかめず。ファエスがなぜそんなところにつけるのか?と問いたくなる強引なパスからのロストからガルナチョがゴールネットを揺らす。確かにこれはオフサイドで助かったが、数分後にコーディが全く同じ経路のパスでロストをしているのを見ると、いったい何を見ていたのだろうと言いたくなる。
レスターがわちゃわちゃしている間にユナイテッドはポジションを回復。67分に即時奪回を決めたガルナチョのゴールで試合は決着。オフサイドのリベンジを果たす。
レスターは以降は緊張感が低下し、試合は勝敗に拘らない展開に。今日もサポートするチームのゴールが見れないホームのファンをよそに、90分にブルーノが3点目を決めたユナイテッドが勝ち点3を手にした。
ひとこと
能力がどうこうというよりは目の前でやるべきことをやらないのなら失点が重なるのは当たり前の話。
試合結果
2025.3.16
プレミアリーグ 第29節
レスター 0-3 マンチェスター・ユナイテッド
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
Man Utd:28‘ ホイルンド, 67’ ガルナチョ, 90‘ ブルーノ・フェルナンデス
主審:トーマス・ブラモール
今節のベストイレブン

ニューカッスル【位】×クリスタル・パレス【位】
ひとこと
試合結果
2025.4.16
プレミアリーグ 第29節
ニューカッスル – クリスタル・パレス
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:
CRY:
主審: