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「Catch up Premier League」~Match week 23~ 2025.1.25-1.26

目次

ブライトン【9位】×エバートン【16位】

しっかり守ろうシフトで連勝

 前節はトッテナムを下し、就任後初勝利を手にしたモイーズ。今節はアウェイのブライトン戦で連勝を狙う。

 試合はパブリックイメージ通りの立ち上がり。GKを絡めたゆったりとしたポゼッションを行うブライトンに対して、エバートンは中盤をスタート位置とするプレスで応戦。これにブライトンがボールを左右に動かしながらエバートンの中盤のチェイシングを交わすという流れだった。

 エバートンは保持に回るとシンプルなロングボールが主体。割り切ったトランジッションでゴールを狙いに行く。

 序盤は相手を外すことが出来ていたブライトン。大外の三笘でオブライエンを釣りだして、その背後をランプティに狙わせる形からチャンスを作っていく。

 だが、時間の経過と共に徐々にエバートンのスライドのスピードがブライトンのパスワークを上回るように。展開としては少しずつ膠着。ミドルゾーンでのボールの奪い合いが状況となる。

 膠着が動いたのは意外な形から。裏へのボールを追いかける中でフェルトマンがハンドを犯してPK。押されてバランスを崩したようにも見えなくもないが、そういう状況を利用してボールを掻き出したようにも見えるというのが当該シーン。未必の故意狙いなのだとしたらいかにもフェルトマンっぽいプレーといえるだろう。だが、審判団はこれを見逃さず、エバートンにPKを与えた。

 後半もリードを許しているブライトンが押し込んでいくスタート。左サイドの三笘を軸にボールを動かしていく。エンド側を抉る動きを意識的に入れていくなど、前半を踏まえた工夫はそれなりに見られたように思う。押し下げたところからバレバのミドルを飛ばしたり、ロングボールから縦に速くルターを使うなど、目線を変える攻撃もできていた。シンプルなファーサイドのクロスもピックフォードの対応の危うさを考えると、可能性がある攻撃であったといえる。

 エバートンは押しこまれる展開からベトがスポットで反撃を狙う形。得点の色が濃いわけでも、あるいはベトにボールを入れる機会が多いわけでもないが、まずはきっちり守るというリードをしている時のエバートンの本分をきっちり守っていると思った。

 エバートンは選手交代からジリジリとサイドのキャラクターを守備的に変更。ヤングを投入したタイミングで本格的な5バックに移行する。

 ちょっと負傷交代が多いのは気がかりではあったが、最後まで安定したはじき返しに成功していたエバートン。ブライトンをシャットアウトし、リーグ戦連勝を飾った。

ひとこと

 エバートンがきっちり守ろう!という方向性にシフトできたのが重要なポイントでそう考えるとやはりフェルトマンのワンプレーは高くついたなという感想になる。

試合結果

2025.1.25
プレミアリーグ 第23節
ブライトン 0-1 エバートン
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
EVE:42‘(PK) エンジアイ
主審:ティム・ロビンソン

リバプール【1位】×イプスウィッチ【18位】

正面衝突を力強く制して3ポイント確保

 前節の勝利でアーセナルとの勝ち点差は再び6に拡大。4までは縮むし、6よりは広がらないという状況は年末年始からあまり変わっていない。対するイプスウィッチも降格圏付近に駐在する状況には変化なし。敵地での一戦ということで難易度は高いだろうが、勝ち点奪取は何とかこぎつけたいところだろう。

 序盤からボールをゆったりと持つのはリバプール。大きく幅を使いながらのポゼッションを行っていく。このリバプールの保持の方向性はイプスウィッチにはつらかったように思う。

イプスウィッチの前線の守備は前の選手がサイドに限定することを起点に始まっている。そのために、SHやCFはボールサイドへのスライドが多め。しかしながら、リバプールのボールはイプスウィッチのスライドよりは早く動くので、前線の誘導が間に合わないケースもしばしば。リバプールは中盤が晒されたところでようやく縦パスを入れていく。

 序盤はコンパクトなライン間の守備を見せていたイプスウィッチだが、時間の経過と共に状況は変化。コナテからライン間でボールを受けたショボスライは裏に流れるサラーのフリーランによって、スペースを存分に活用。見事なフィニッシュで先制点を生み出した。

 この場面でおぜん立てとなっていたコナテのフィードはサラーの裏抜けにも活用。多角的な部分で活躍を見せた後方からの武器となっていた。

 リードを奪ったリバプールは押しこみながらテンポを落とすことに注力。保持時のポジションの自由度を上げながら相手の守備網に穴を空けていく。

 イプスウィッチはハッチンソンのキャリーなどから反撃に出て行きたいところだが、CFのデラップがリバプールのCB陣に跳ね返されるなど苦戦。バーンズの大けがもあり、踏んだり蹴ったりな前半となった。

 リバプールは優勢を生かして前半の内に追加点。ガクポからのファークロスにサラーが角度のないところから叩き込んでリードを広げる。さらにはそのガクポが自ら追加点。3点のリードを奪い、リバプールは完勝ムードでハーフタイムを迎える。

 迎えた後半もペースを握ったのはリバプール。ゆったりとしたポゼッションと容赦ないプレスで試合のテンポを担っていく。イプスウィッチは前半4-4-2と5-3-2を行ったり来たりという感じであったが、WB/SH役のバーンズが負傷したこともあり、明確な5-3-2にシフト。まずはきっちりと守ることを念頭に置く。

 シュートこそないがリバプールの後半の試合運びは盤石。右サイドを軸にサイドの奥を取っており、まずは押し下げることで不要なカウンターを打たせない。

 仕上げとなったのはガクポの4得点目。これで後半もペースはリバプールであることは証明された感がある。

 終盤に1点を返したイプスウィッチだが、反撃もここまで。正面から向かってくるイプスウィッチを見事にリバプールが下した。

ひとこと

 イプスウィッチのプレスとリバプールの保持はあまりにも食い合わせが悪かった感じ。

試合結果

2025.1.25
プレミアリーグ 第23節
リバプール 4-1 イプスウィッチ
アンフィールド
【得点者】
LIV:11′ ショボスライ, 35′ サラー, 44′ 65′ ガクポ
IPS:90′ グリーブス
主審:マイケル・サリスベリー

サウサンプトン【20位】×ニューカッスル【6位】

連打と中央打開での逆転勝利

 シーズンはまだ半分を過ぎたところからポイントはここまで6と明らかに残留に向けて赤信号が灯っているサウサンプトン。このままでは残留はおろか、プレミアリーグにおける勝ち点最少記録(07-08に記録したダービーの11)を越えられるかすら怪しい状況となっている。前節の敗戦をリカバリーしたいニューカッスル相手に何とか勝ち点を奪いたいところだろう。

 序盤は両チームともアグレッシブなスタート。ニューカッスルはハイプレス+ポゼッションという王道スタイル。だが、サウサンプトンもCFのポストから左右に揺さぶることで保持から反撃に出て行く。

 セットプレーから先制したのはサウサンプトン。右サイドに攻めあがったブリー→ベドナレクのクロスが刺さってのゴール。CB同士がつないだ得点でサウサンプトンがリードを奪う。

 このゴールを機に追いかけるニューカッスルが押し込む機会を増やしていく。ゴードンなどワイドのスピードで押し込むきっかけを作っていくと、敵陣でのプレータイムで試合を塗り固めていく。

 左右に幅を広げるところとインサイドの攻略をするニューカッスルは順調にサウサンプトンを追い込んでいく。獲得したPKはハーフスペース突撃。サウサンプトンは明確にケアが遅れてしまった。

 このPKを決めたイサクは直後に追加点をゲット。マーフィーからのボールを叩き込み、あっという間に逆転までたどり着いてしまう。

 逆転を許したサウサンプトンは保持で押し下げたところから反撃を狙う。WB、ワイドのCBがサイドからの攻撃に厚みを出し、クロスを狙っていくが、ニューカッスルほどのクリティカルなチャンスを作り出すことはできない。

 迎えた後半もサウサンプトンは保持から同点ゴールを狙うが、それをひっくり返したのはニューカッスル。ポストから味方を追い越す形で中央を抜け出したトナーリが冷静に1on1を制して3点目をゲット。反撃の出鼻を挫く。

 このゴールでニューカッスルは保持での掌握にシフト。反撃の意欲がそがれたサウサンプトンにとってはより苦しい展開となる。ニューカッスルはファストブレイクと保持でキープする形を使い分けながら緩急をつけてサウサンプトンを追い詰めつつ、時計の針を進めていく。

 終盤はウゴチュクからの配球で保持を回復するサウサンプトン。フェルナンデスの抜け出しはトナーリのゴールと同じく、中央をがっつり割ったものだったが、ギリギリオフサイド。ニューカッスルのCB陣は救われたシーンだった。

 このシーンがサウサンプトンにとってのラストチャンス。5-4-1でのクローズに移行したニューカッスルをこれ以降は揺さぶることが出来ず。試合は3-1でニューカッスルが逆転での勝利を手にした。

ひとこと

 波に乗った時のイサクの連打は鬼。トナーリの思い切りのよい攻め上がりも鬼。

試合結果

2025.1.25
プレミアリーグ 第23節
サウサンプトン 1-3 ニューカッスル
セント・メリーズ・スタジアム
【得点者】
SOU:10‘ ベドナレク
NEW:25’(PK) 29‘ イサク, 51’ トナーリ
主審:サム・バロット

ウォルバーハンプトン【17位】×アーセナル【2位】

10人の苦境を乗り越えての辛勝

 レビューはこちら。

 CLのノックアウトラウンドへのストレートインの権利をほぼ手中に入れたアーセナル。やや強度的には落ちる一戦だったとはいえ、国内にとんぼ返りしての中2日のアウェイゲームは非常に過酷なものになる。

 序盤にボールを持つのはアーセナル。ルイス=スケリーをインサイドに置く3-2-5への変形から打開を狙っていく。インサイドで相手を背負うルイス=スケリー、サイドに流れるライスなどズレを作り出すアクションからチャンスを作りに行く。

 だが、この日は前線のタッチが安定しないアーセナル。左右のWGのタッチが跳ねたところを相手に捕まえられてしまうなど、クロスを入れる前の段階で跳ね返しにあってしまう。

 ウルブスはボールを奪った後の狙いもしっかり。サイドの裏を狙う形から奥を取り、少ない手数で陣地回復を狙う。特にルイス=スケリーの背後のスペースからの進撃は効果的。セメドのオーバーラップからサラビアに届くクロスはこの試合はじめての決定機だ。

 ただ、アーセナルも反撃に。動きが少なかった右サイドでポジションチェンジからの左サイドへの横断が徐々に出てくるように。左サイドのトロサールはシンプルなファーへのクロスを狙うことでウルブスを追い詰めていく。

 だが、このクロスも徐々に引っかけるシーンが出てくるように。そうなると、頼みの綱になるのはセットプレー。しかし、ライスのCKが弾かれたところからアーセナルはルイス=スケリーが退場に追い込まれてしまうなど、なかなか思い通りに試合を進めることが出来ない。

 迎えた後半、ウルブスは数的優位を生かせない苦しい展開。引いて受ける守備でボールを高い位置から奪えないし、自陣からの前進でもアーセナルのプレスに引っかかることで波状攻撃を許してしまう。

 ようやく押し込むことが出来ても、オフザボールでの動き出しが乏しくなってしまい、アタッカーのミドル以外でチャンスのルートを掴むことができない。そうこうしている間にジョアン・ゴメスが2枚目の警告で退場してしまい、ウルブスは数的優位を失ってしまうこととなった。

 再び押し込む機会を得たアーセナルは右サイドからのクロスから先制。跳ね返し切れなかったところを逆サイドのカラフィオーリが押し込んでついにリードを奪う。

 その後も4-4-1と5-3-1を使い分けながらブロックを構築するアーセナルは逃げ切りに成功。数的優位を生かせなかったウルブスから勝ち点3をかすめ取った。

ひとこと

 ウルブス、あまりにも11人の時に元気がなさすぎる。

試合結果

2025.1.25
プレミアリーグ 第23節
ウォルバーハンプトン 0-1 アーセナル
モリニュー・スタジアム
【得点者】
ARS:74′ カラフィオーリ
主審:マイケル・オリバー

ボーンマス【7位】×ノッティンガム・フォレスト【3位】

大暴れのワッタラの活躍で伏兵対決を制する

 7位ながらも好調のボーンマス。今節ホームで迎え撃つのはフォレスト。こちらもCL圏内をキープしており状況は順調。欧州カップ権争いに本格的に参戦しているチームの直接対決だ。

 まずお手軽にチャンスを作ったのはフォレスト。ウッドへのロングボールからエランガが決定機を迎える。が基本的にはボールを持つのはホームのボーンマス。ローブロックの4-4-2を組むフォレストに対して、左サイドのセメンヨ、ケルケズの2人にクライファートが絡む形を使いつつ、インサイドには後方からハイセンが縦パスを差し込むことで内と外をバランスよく使っていく。

 先手を取ったのは押し込むボーンマス。ややカウンター気味の流れの中からクライファートがゴール。好調を知らしめるゴールで重要な一戦の先制点を奪う。

 先制点後はやや押し込まれる時間が続いていたボーンマス。だが、フォレストはゴールの前まで行っても決定機を迎えることができない。ボーンマスは再び押し返すと長いレンジのシュートを中心にゴールを脅かしにいく。

 しかしながら、基本的には前半の残り時間は守備側が優位。攻撃側に対してきっちりと人数を揃えて固いブロックを組むことで安定感のある対応を披露。試合は1-0のままハーフタイムを迎える。

 後半はボーンマスがゆったりとボールを持つスタート。追いかけるフォレストは前半よりもハイプレスに出て行ったが、CBの落ち着きが際立っておりこのプレスを回避する。

 フォレストもセットプレーからチャンスを得るが、インサイドの高さに阻まれてしまう。すると、セットプレーの流れからゴールを決めたのはボーンマス。左サイドのクライファートの抜け出しからワッタラがゴール。脅威の打点の高さで追加点を奪う。

 このゴールで一気にボーンマスの攻撃陣は着火。絶好調のクライファートはあわや追加点というシーンを早々に迎えるが、これはオフサイド。だが、その直後に中盤でのボール奪取からワッタラがさらにこの日2点目のゴールを決める。

 強度で圧倒してくるボーンマスに対して、フォレストはひとまず5バックへの移行で試合のテンポを落としにいく。よって、試合の展開は一度ここで緩むことに。だが、緩んだとてフォレストはこの状況を打開する手立てを見つけることはできず。

 終盤にはさらに2つのゴールを追加したボーンマス。全員離脱で不安視されたCFにコンバートされたワッタラがハットトリックの大暴れでまさかの大勝を手にした。

ひとこと

 いやー、マジか。強いな。笑

試合結果

2025.1.25
プレミアリーグ 第23節
ボーンマス 5-0 ノッティンガム・フォレスト
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
BOU:9’ クライファート, 55’ 61‘ 87’ ワッタラ, 90+1‘ セメンヨ
主審:クレイグ・ポーソン

マンチェスター・シティ【5位】×チェルシー【4位】

序盤のバタバタをリカバリーし4位浮上

 勝った方が今節を4位で折り返す一戦。シティにとってはチェルシーを引き摺り下ろし、久しぶりのトップ4入りが視野に入る展開だ。

 大胆に若い新加入選手たちをスターターに並べたグアルディオラ。前半はその新加入選手たちが主役となる展開だった。悪い意味で目立ってしまったのはクサノフ。プレッシャーがかかっている状態でのバックパスをジャクソンに掻っ攫われてしまい、先制点を献上。わずかに2分で最悪のスタートを決めてしまう。

 ここが勝負と判断したチェルシーはクサノフに積極的にボールを持たせる形でプレスのスイッチをオン。早々にカードを引き出しつつ、あわや追加点という場面も作ることができていた。

 シティは徐々に保持で対抗。ベルナルド、ギュンドアンがチェルシーの1列目の高さまで下がり、少しずつ保持のリズムを取り返していく。チェルシーは5-4-1で縦方向にコンパクトなブロックを組むのだが、ホルダーにプレスがかかっておらず、外循環の動きであれば自在に勝負を仕掛けられそうな様子だ。シティは早速マルムシュが裏に抜け出すが、あまり相手との駆け引きで優位を作れておらずオフサイドを連打してしまう。

 5-4-1で守っているチェルシーは受けながらはねかえすところに怪しさがある状況。ではもう一回撒き直してプレス!となると、コバチッチが出ていくチェルシーの中盤の背中をとって列を上げるという形を作る。この辺りはさすが百戦錬磨のシティの中盤という感じだ。

 再び押し込むシティは徐々に大外を託されたSBが火を吹く。大外からインサイドに絞ることで前線でバックスとの駆け引きを行うというSBらしからぬ役割設定だ。グヴァルディオルが決めたゴールは最終ラインの一員というよりはもはやストライカーに分類できる動き。最終ラインを打ち破るような抜け出しから何回もあったチャンスをようやく仕留めることが出来た。 

 タイスコアで迎えた後半だが、試合の内容はそこまで変わらず。シティはまずは中盤のビルドアップにおける最終ラインのヘルプから、ポゼッションの安定からスタート。追いつかれたチェルシーはハイプレスからこれを覆しにかかる。

 前半は保持で落ち着かせて相手の守備ブロックを退かせることで試合の支配感を取り戻したシティだったが、後半はよりダイレクトな攻撃で主導権を握ることに成功。チェルシーの高いラインを少人数で壊しに行く。

 キーマンになったのはもちろんハーランド。勝ち越しゴールとなったシーンはチャロバーとの駆け引きを右サイドでやっている最中に飛び出したサンチェスが致命傷に。縦横の制限をかけられず、どちらにも対応しなければいけない場面で、まさかハーランドにそこからのシュートの選択肢があるとはチャロバーは考えなかっただろう。サンチェスがぽっかり空けたゴールにボールを流し込むのに、ハーランドは十分な間合いを作ることが出来た。

 リードを奪われてしまったことでハイプレスに出て行くしかなかったチェルシー。そんなチェルシーをあざ笑うかのように、シティは直線的な攻撃から追加点。コルウィルを背負ったハーランドを挟み込みに行こうとしたチャロバー。だが、寄せられる前にフォーデンにリリースしたハーランドはここでも一枚上手。独走から試合を決める3点目を仕留める。

 終盤は押しこむチェルシーだったが、シティの牙城は崩せず。序盤のバタバタを落ち着いて取り返したシティが逆転勝利を収めた。

ひとこと

 シティがそれなりに保持を落ち着かせた後のチェルシーの守備の方向性の曖昧さが致命傷だった。

試合結果

2025.1.25
プレミアリーグ 第23節
マンチェスター・シティ 3-1 チェルシー
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:42‘ グバルディオル, 68’ ハーランド, 87‘ フォーデン
CHE:3’ マドゥエケ
主審:ジョン・ブルックス

トッテナム【15位】×レスター【19位】

降格争いに誘われる敗北に

 ホームのトッテナムは3連敗、アウェイのレスターは7連敗。ともに泥沼同士の一戦。アウェイのレスターにとっては勝てば降格圏の脱出、及びトッテナムをもしかすると争いに巻き込めるかもしれないという両面でおいしい一戦となる。 

 ホームのトッテナムは台所事情が火の車。特に前線は控えのシニア選手がおらず、交代の目途が立たない状況だ。ということでプレスは封印し、構える布陣でトッテナムはレスターにある程度ボール保持を許す展開に。

 ただ、ここまでスタイル的にあまりやってこなかったこともありトッテナムはそこまで構える守備の精度は高くはない。特に鬼門なのはSB。ソンがジャスティンを逃がしてしまったところから運ばれたり、クリスチャンセンの前線への飛び出しからチャンスを作ったりなど、彼らを捕まえられないところから危ういシーンを作られてしまう。

 保持でもトッテナムは苦しいところ。左サイドをメインにボールを動かしていくが、揃っている利き足や、慣れない組み合わせもあり、人数をかけたサイド攻撃は不発。カットインからソンが強引にシュートを狙っていくなど、個人の資質マターでの勝負に行く。

 うまくいかないトッテナムにとって助かったのはレスターがお付き合いしてくれたことだろう。構えた時に捕まえどころがない!というのは彼らも同じ。また、カウンターのシャープさが足りておらず、トッテナムのミスをチャンスに結びつけることが出来ていなかった。

 徐々に押し込む機会が増やしていくと、先制点はトッテナム。右サイドのクルゼフスキの仕掛けによって大外を開けると、そのスペースに入り込んだポロがクロスからインサイドのリシャルリソンへ。ファエスを見事に外し、2試合連続のゴールを叩き込む。

 リードを奪われたレスターだが、後半早々の仕掛けからいきなり同点に。ハイプレスで左サイドの高い位置から捕まえると、サイドの裏を取ったところから折り返しをヴァーディが仕留めて追いつく。

 さらに一気に勝負をかけるレスターはベンタンクールをスマレが捕まえるハイプレスから追加点。裏に抜ける選手を前にフリーズしたトッテナムのDFを前に、エル・カンヌスが豪快に振りぬいて勝ち越しゴールを決める。

 ハイプレスから畳みかけて一気に勝負をかけたいレスター。だが、バックラインから最前線にダイレクトにボールを送ることでトッテナムはレスターのバックラインに揺さぶりをかけていく。

 レスターのプレスを鎮静化させたことで、トッテナムは押しこむ機会を増やしていくが、肝心の崩しの精度が足りない状態は改善されず。中にアバウトにボールを放り込む以外は右サイドのポロの右足の精度と突破力への依存度が明るみに。そのポロも抜け出した後のプレー選択に難を抱えるなど、なかなか打開策が見つからなかった。

 最後は5バックにして、跳ね返しに専念したレスター。押し込むところから先に進めなかったトッテナムを退けて7連敗を食い止めての勝利をゲット。降格圏脱出に成功した。

ひとこと

 やばいよ、どうする、トッテナム。

試合結果

2025.1.26
プレミアリーグ 第23節
トッテナム 1-2 レスター
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:33‘ リシャルリソン
LEI:46’ ヴァーディ, 50‘ エル・カンヌス
主審:ロベルト・ジョーンズ

クリスタル・パレス【12位】×ブレントフォード【11位】

凡戦ムードにPKで風穴を開ける

 例年通り、残留争いとは無縁のシーズンを繰り広げているトーマス・フランクのブレントフォード。序盤戦は出遅れていたパレスも秋が深まるころには立て直し完了、勝ち星を重ねて降格圏とはだいぶ差が出てきている。そういう意味ではいつものシーズン通りに中位をがっちりとキープしている両チームによる穏やかなロンドンダービーという感じだろう。

 序盤から両軍は平常運転。ブレントフォードは4-4-2のミドルプレスが基本線。パレスはマテタへのロングボールをベースにしつつ、時折自陣に引き寄せるような守備をすることでライン間を広げに行く。

 ブレントフォードはよりショートパス志向が強い展開。左サイドにジャネルトが列落ちし、浮きつつルイス-ポッターを押し上げに行く。

 パレスは前進のルートには特に困っていなさそうではあったが、ボックス付近でもう一工夫ほしいというのが正直なところ。インサイドに刺しこむことが出来ない状態ではなかなか敵陣を切り拓くのは難しい。

 ブレントフォードはサイドから斜めにインサイドのパスを差し込んでいこうとするが、そこまでクリティカルに刺さる場面はなし。総じてパレス以上にブロック崩しには苦労していた印象だ。

 正直なことを言えばどちらも前進のルートは確保できてはいるものの、そこから相手を動かすことが出来ない状態が続いている。守備が安定していたという見方もできなくはないが、どちらも打開策が見つからない状態での凡戦と表現した方が正しいようにも思う。

 後半、パレスは左右の幅を積極的に使い、まずは押しこんでいくことにフォーカスするスタート。ブレントフォードはカウンターから少人数で壊していこう!というスタンスだ。

 時間の経過と共に少しずつ力を出してきたのはエゼ。ドリブルやプレースキックで少しずつ敵陣を切り拓くことに成功する。

 だが、そんな流れと裏腹にゴールを決めたのはブレントフォード。コリンズへの対応が一歩遅れてしまったラクロワがPKを献上する。一度はこのPKは外してしまっていたが、クリアした選手がペナルティアークに早く入りすぎてしまったということで蹴り直し。ムベウモがリベンジに成功する形で先行する。

 勢いに乗るブレントフォードは右サイドのダムズゴーからクロスで追加点をゲット。セーフティリードを確保する。

 最後は5バックで構えてブロックを組むブレントフォード。パレスは交代で入ったエッセがデビュー戦でワンタッチ目をゴールにするという目覚ましいデビューを飾ったが反撃はここまで。凡戦ムードの膠着に風穴を開けたブレントフォードが勝ち点3を手にした。

ひとこと

 PKが文字通りの分水嶺。それ以外ではなかなか試合が動く感じはしなかった。

試合結果

2025.1.26
プレミアリーグ 第23節
クリスタル・パレス 1-2 ブレントフォード
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:85′ エッセ
BRE:66′(PK) ムベウモ, 80′ シャーデ
主審:トニー・ハリントン

アストンビラ【8位】×ウェストハム【14位】

シンプルなサイドの攻め筋から盛り返した後半

 ウェストハムは直近で採用された3バックを継続。シャドーにソーチェクが入った前節からは人自体は入れ替わっているが、片方がMF寄り、もう片方がアタッカー寄りというカラーは依然として変更がない。

 3バックという慣れないフォーメーションで保持に臨むウェストハムに対して、アストンビラはプレス主体でテンポアップを促していく意識が高かった。そんなビラは早々に先制ゴール。ラムジーがワトキンスとのワンツーで抜け出し、一気に突き抜けてゴールをもぎ取る。

 以降もビラはサイドに流れるワトキンスからチャンスメイク。ロジャースがネットを揺らしたシーンはオフサイドとはなったが、一方的に攻める局面を続けていく。

 ウェストハムは幅を使いたそうな雰囲気はあるものの、対角を蹴った先にどうする?というところがあまり見えてこない様子。結局パケタへの放り込みという何とも言い難い着地点にたどり着いていた。パケタは結構体の使い方がうまいので、こういう無茶ぶりでも割と形になっていたのは興味深かった。

 15分が過ぎると少しずつウェストハムも保持の時間が増えていく。ビラはきっちりと跳ね返していくが、ミングスが負傷交代になってしまい、少し強度に不安が残るように。

 だが、終盤は特に両チームともチャンスはない状態。ハーフタイムは早い時間帯のアストンビラの得点のみで迎えることとなった。

 後半、ボールを持つ側になったのはウェストハム。左右に大きく振りながらシンプルなクロスでパケタが決定機を迎える。

 一方のアストンビラは縦に速い展開。アストンビラとウェストハムは前後半で攻め筋がまるっきり入れ替わったような印象を受けた。

 スコアを動かすことに成功したのはウェストハム。左右のクロスからゴールに向かうという後半から注力していた形から同点ゴールを生み出す。右サイドのアルバレスのクロスからゴールを決めたのはエメルソン。押し込んでいるからこそのWBの攻撃参加を生かし、ウェストハムが追いつく。

 以降もウェストハムはおせおせ。ソーチェクが空中戦で決定機を迎えたり、左右の揺さぶりが効いたりなど。ワイドのSBからクロスを入れるなど枚数を確保した状態でガンガン中にボールを入れていく。展開的には攻勢に出ているが、大外のサイドプレイヤーが効いている展開なので3バックはキープ。

 最終盤に迎えたオープンな展開ではどちらにも決定機がある状態だったが、スコアは動かないまま終了。互いに勝ち点1を分け合う結果となった。

ひとこと

 ウェストハム、割とシンプルな余る大外から解決策を図っていたのはポッターぽくなくて意外だった。

試合結果

2025.1.26
プレミアリーグ 第23節
アストンビラ 1-1 ウェストハム
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:8′ ラムジー
WHU:70′ エメルソン
主審:ピーター・バンクス

フラム【10位】×マンチェスター・ユナイテッド【13位】

サイドからの押し下げが奏功する

 苦戦が続くユナイテッド。今節はフラムのホームに見参。厄介な相手、厄介なスタジアムではあるが、そろそろポイントを拾いたいところだろう。

 ユナイテッドは珍しくハイプレスに出て行くスタート。フラムのバックラインに対して、前線から圧力をかけていき高い位置からミスを誘いに行く。前からのアプローチの成功率の高さはそこそこで、ミドルゾーンでのひっかけからカウンターに移行することが出来ることもあった。

 一方のフラムも高い位置からのアプローチでスタート。ユナイテッドはGKまで下げて広げてを繰り返していく。広げていく中でサイドの出口が見つかれば理想的なユナイテッド。それに対してフラムは徐々にバックラインに無理にプレスをかけに行くのではなく、サイドの封鎖を早めることで前進の元を断つことを優先した対応が見られた。

 前半の途中から試合はジリジリとした展開に。明確にどちらのペースということはなかったが、アタッキングサードとビルドアップを行き来するイウォビがいる分、フラムの方が優位か。

ユナイテッドはほんのりサイドからの押し下げができているものの、そこから出し抜くための一手がない。逆に言えば、フラムは縦に速い展開でスピード感がある状態からアタッキングサードに迫ることが出来ていた。

 スコアレスで迎えた後半、保持から動かしていくのはユナイテッド。左右に振ることでもう一度静的な状態で試合を制御する。

フラムはウィルソンが負傷交代とやや嫌な立ち上がり。ただ、構造で動かしていくというよりはトランジッションの精度という点でアダマ・トラオレが入ってきたことは悪くないことのように思えるのも確か。両チームとも起点が作れない苦しい展開の中で、トラオレの出力は確かな推進力をもたらしていた。まぁ、今季序盤とかトラオレが活躍する時はチームとしてほかの手段がない時になっている感もあるけども。

 ライン間で起点を作ることには最後まで手を焼いていたユナイテッド。だが、サイドからの押し下げが最後は奏功するように。ガルナチョの押し下げからリサンドロ・マルティネスのシュートが幸運な跳ね返りでネットを揺らす。

 終盤はフラムの猛攻を受けるが、交代で入ったコリア―がギリギリのところでファインセーブを見せるなど、綱渡りの対応でゴールを死守。なんとかゴールを防いだユナイテッドは勝ち点3を確保。難所で大きな勝利を手にした。

ひとこと

 苦しい内容ながら勝てたユナイテッド。もう少しインサイドからの攻め筋は増やしたいところだが。

試合結果

2025.1.26
プレミアリーグ 第23節
フラム 0-1 マンチェスター・ユナイテッド
クレイブン・コテージ
【得点者】
Man Utd:78′ リサンドロ・マルティネス
主審:アンソニー・テイラー

今節のベストイレブン

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