サウサンプトン【19位】×マンチェスター・ユナイテッド【14位】
内容の改善はスコアに反映されず
連敗で開幕3戦を終えたサウサンプトンは4-4-2にシフトチェンジ。再起を図ってユナイテッドの胸を借りる一戦に挑む。
総じて、この4-4-2は悪くなかった。序盤はユナイテッドの圧力に対して蹴っ飛ばすばかりだったが、ユナイテッドの圧力が弱まってからはスムーズな前進が可能に。3バックの際はやや目的化していてミスの引き金にもなっていたCBの複雑な移動もなくなり、かなりシンプルになった。
そうした中でウゴチュク、ダウンズのCHコンビが移動しながら互いにパスコースを作り、ユナイテッドの4-4-2の2トップを外すことができていた。SBも好調。菅原とウォーカー=ピータースは2トップの脇に立つことでビルドアップの出口になっていたし、アタッキングサードではWGを利用しての抜け出しから高い位置でフリーになることもしばしば。
もちろん、大外ではブレアトン、ディブリングのコンビが好調を維持。ディブリングはダロトを置いていくことでPKを獲得したが、アーチャーが仕留めきれず先制のチャンスを逃す。オナナは素晴らしい仕事をした。
ゆったりとしたポゼッションをしていたユナイテッドはサウサンプトンがペースを握ってからは押され気味。カウンターでWGを軸にした形から反撃を狙う時間が続く。だが、アーチャーがPKを外したタイミングでユナイテッドの攻撃は加速。ラッシュフォードとザークツィーの2人で敵陣に運ぶと、セットプレーからデ・リフトが仕留めて先制。ピンチの直後のチャンスを得点に変える。
サウサンプトンのサイド攻撃は相変わらず好調だったが、仕留めきれないとユナイテッドの反撃が飛んでくるというのがこの試合のお決まり。サイドからのクロスに中央でバタバタしたサウサンプトンのチャンスの直後に、セットプレーからラッシュフォードが技アリのシュートを決めて追加点。内容的には手応えあるサウサンプトンだったが、要所のセットプレーで揺さぶってくるユナイテッドに対して、失点を重ねる前半となった。
ビハインドとなった後半のサウサンプトン。前半の焼き直しをするかのように、ボール保持からリズムを整えていく。前半以上に目立っていたのは、鋭いグラウンダーのパスを中央に刺す意識を見せていたラムズデールであった。
しかし、ユナイテッドは2点のリードを得ている落ち着きを見せて反撃。自陣でゆったりとボールを持ち、余裕を持ってひっくり返す。より深い位置まで進撃していたのはユナイテッドの方。復活のエリクセンが高い位置で確実性の高いカウンターに導いていく素晴らしいパフォーマンスを見せていた。
勝負に出たラッセル・マーティンの4枚替えもボール保持からユナイテッドが平定。サウサンプトンは徐々にパフォーマンスが萎んでいく。
追い討ちとなったのはステーフェンスの退場。これで試合は完全に決着。ユナイテッドの保持を追いかけ回すモチベーションがなくなったサウサンプトンは以降の時間無抵抗に。ユナイテッドは仕上げにガルナチョが3点目を仕留めて難なく逃げ切り勝利を挙げた。
ひとこと
サウサンプトン、前節に比べれば抜群に良くなっているけども、スコアにはその改善は反映されなかった。まずはこのパフォーマンスを継続することだろう。
試合結果
2024.9.15
プレミアリーグ 第4節
サウサンプトン 0-3 マンチェスター・ユナイテッド
セント・メリーズ・スタジアム
【得点者】
Man Utd:35‘ デ・リフト, 41‘ ラッシュフォード, 90+6′ ガルナチョ
主審:スチュアート:アットウェル
リバプール【2位】×ノッティンガム・フォレスト【9位】
三段変化をやり切ったフォレストがアンフィールドを攻略
開幕3連勝と好調が続くスロットのリバプール。中断明けの初戦はこちらも無敗のフォレストとの一戦。隠れた好調チームをホームに迎えて4連勝を狙う。
MFタイプを2列目に並べたフォレストのプランは非常にはっきりしていた。バックスにプレスはいかず、外はある程度捨ててインサイドをケア。SHは下がることも多く、6バックのような布陣を流れの中で敷くこともしばしばという形であった。
リバプールは中央を閉められたことによりサイドからの前進を伺っていくスタート。2トップの脇からサイドを覗きつつ攻略法を探っていく。インサイドを閉じられてしまっても外でなんとかできる力技があるのが今のリバプールの強み。ディアスのゴリゴリとしたドリブルやサラーの対角へのクロスなどからゴールに迫っていく。インサイドで少しでも隙ができれば、マック=アリスターのワンタッチプレーから変化をつけるように。ブロックの外からゴールを狙っていく手段はいくつかある様子だった。
ただ、一方的に押し込んではいるものの優勢かと言われると微妙なところ。ここに名前が出てこなかった選手たちはやや存在感が薄め。特にこの数試合でいいパフォーマンスが目立ったグラフェンベルフとソボスライはこの試合では締め出された感があった。
フォレストの対応もリバプールの流れを寸断したと言えるだろう。前線に攻め切る手段がないというのもあるが、ボールを奪った後は自陣でのパスから一旦リズムを整えることは欠かさず。リバプールが即時奪回を狙うがクリーンに奪えずにファウルを犯すことで流れが切れてしまうことが多かった。ただ、フォレストもフォレストでシュートまで辿り着けずにもがく前半となった。
後半も保持から壊しにいくリバプール。しかしながら、ボールサイドをクローズするフォレストの守備を上回れずに苦戦する。
フォレストはカウンターからチャンスを狙うが、リバプールの戻りの遅さが徐々に目につくように。特にWGとCHの間にできるギャップを使って徐々にフォレストが敵陣に脅威を持って侵入できるように。
準備が整ったところでフォレストは満を辞してハドソン=オドイを投入。続いて、エランガとカウンターを完結できる選手を入れることで徐々にリバプールの守備陣に牙を剥いていく。
リバプールもアレクサンダー=アーノルドをIHに移動する4-3-3でフォーメーションを組み直すが、より効いたのはフォレストの選手交代。交代で入ったハドソン=オドイが見事なミドルを仕留めてアンフィールドでリードを奪う。
リバプールはなりふり構わずスクランブルな3バックに移行するが、フォレストは5バックで自陣を固める形に素早くシフト。リバプールの攻撃をきっちり跳ね返し続ける。
中央封鎖、カウンターを仕留めるフェーズ、そして塹壕戦。3つの異なる段階をそれぞれ高次元でやり切ったフォレストがリバプールを止めて無敗継続。アンフィールドでの金星をあげた。
ひとこと
後から出てきたWGが刺さったところ、フォレストファンは脳汁やばかっただろうな。
試合結果
2024.9.15
プレミアリーグ 第4節
リバプール 0-1 ノッティンガム・フォレスト
アンフィールド
【得点者】
NFO:72′ ハドソン=オドイ
主審:マイケル・オリバー
マンチェスター・シティ【1位】×ブレントフォード【6位】
上に乗せるものを弾き飛ばしたハーランド
電光石火のゴールを決めたのはブレントフォード。両WB同士の繋ぎからゴールを決めて1分も経たないうちにスコアを動かす。ストーンズがインサイドでの処理をもたついたところをウィサが見逃さずにネットを揺らす。
このゴールシーンのように両WBの攻撃参加がブレントフォードの肝。中盤でのパス交換で前を向く選手を作ると、縦に長いボールをつけて一気に攻撃を加速させる。この攻め上がりのスイッチの入り方がブレントフォードは恐ろしいくらい意思統一されていた。
さらにパスワークでのフリーマン作りも秀逸。ウィサが降りるアクションに対して、シティの対応が非常に曖昧。中盤に+1となるウィサが攻撃の原動力となる。開始10分のシティのバタバタ感を考えれば、ブレントフォードは2-3点は欲しかったところだろう。
ブレントフォードは敵陣からのオールコートマンツーと自陣での5-3-2ブロックを併用。シティはこの移行のギャップを突いて速攻を決めるか、あるいは押し込んでの解決策を探すかの二択で勝負。少しずつ、ブレントフォードを押し込みながら攻撃の機会を増やす。
シティはあっという間に同点ゴール。ウォーカーの目先を変えたライン間のパスをデ・ブライネ→ハーランドと繋いでゴールを決める。
ブレントフォードのスタンスはブレない。結局のところ、敵陣に人を送り込むためにはやることは一緒。虎穴に入らずんば虎子を得ずである。姿勢の継続は見事ではあるが、ポゼッションからの縦への進撃が刺さる頻度と刺さった時の鋭さは少しずつ目減りしていく印象だった。
さらにはハイプレスをシティに咎められる形で勝ち越しゴールを献上してしまう。マンツーで来る相手をエデルソンのアシストでハーランドが決めるという光景はお馴染みのもの。ブレントフォードは終盤にウィサが負傷するなど散々な前半の終わりぎわだった。
後半も試合の展開は同じ。ブレントフォードは引き続き虎穴に入り続ける。ウィサがやっていた中盤に降りる役割をシャーデが担うのはしんどそうであったが、その分ムベウモがその役割を引き継ぐことで前半のプランを継続していた。
シティは後半立ち上がりに入ったロドリの精度がまだ試運転モード。インテル、アーセナルが続く週でチューニングはもう少し上げておきたいところだろう。
それでもシティは60分から攻め立てると、少しずつ惜しい場面が出てくるように。フレッケンのファインセーブと体を張って止めまくりのFPの奮闘でシティの追加点はギリギリのところで防がれた。
カルバーリョが入ったことで終盤までブレントフォードの攻撃は死んでいなかった。欲を入れば、アイエルと交代で入ったローアスリウのクロスの精度が低く、攻撃の仕上げとして機能しなかったのは痛かったが、終盤まで食いつき続けたというべきだろう。
シティは3点目を決められないものの、ブレントフォードの追撃を振り切って逃げ切り勝利を達成。同時間にKOしていたリバプールが敗戦したため、プレミア唯一の全勝クラブとして単独首位に立つこととなった。
ひとこと
体を投げ打って守り切る強固な守備の上に何かのプランを乗っけるトライができるのだから、トーマス・フランクは優秀。
試合結果
2024.9.15
プレミアリーグ 第4節
マンチェスター・シティ 2-1 ブレントフォード
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:19′ 32′ ハーランド
BRE:1′ ウィサ
主審:ダレン・ボンド
フラム【12位】×ウェストハム【13位】
間近で逃げた勝ち点3
ウェストハムはアントニオに長いボールを当てるスタート。フラムは横断から右のトラオレで突破を図る立ち上がり。どちらも好調をキープする前線の選手を活かすような形から始まる序盤戦となった。
より勢いを感じるのはフラムだろうか。中盤でのパスワークはスムーズ。ややペレイラと役割が被り気味だった感のあるスミス・ロウも少しずつバランスを考えながらプレーできている。
押し込んだら流れの中からのプレッシングに出ていくことも。ウェストハムのプレス隊を苦しめる。ウェストハムも対抗するようにフラムのバックラインにプレスをかけにいくが、フラムはむしろこのウェストハムの動きを利用。プレス隊を引きつけて中盤に穴を開けて一気に前進する形を狙っていく。
トラオレのドリブルからの仕掛けはPKを得ることができなかったが、フラムは前半のうちに先制点を確保。左サイドから抜け出したスミス・ロウの折り返しをヒメネスが仕留めてゴールを奪い取る。
優勢をきっちりリードに結びつけたフラムが前半は主導権を握る展開。ハーフタイムはフラムの1点のリードで折り返すこととなった。
ビハインドとなったウェストハムはハーフタイムに選手交代を敢行。サマーフィルとパケタを投入し、前線のキャラクターをガラッと変更した。
後半もフラムが幅を使いながら押し込むスタートとなったが、ウェストハムはカウンターから交代で入ったアタッカー陣が躍動。サマーフィルは切れ味抜群のドリブルからのチャンスメイクで前半苦しんでいたウェストハムに攻撃のきっかけを作る。
カウンターからリズムを作ったウェストハムは少しずつ積極的にプレスに出ていく。フラムのポゼッションを阻害し、前半のような一方的に押し込んで攻撃するテンポを寸断する。
だが、フラムも徐々にウェストハムのプレスを見切るように。ポゼッションでプレスを外すことにフォーカスしたフラムはウェストハムのプレスを空転させることでまたしても主導権を取り返す。1点差ながらフラムがボール保持から余裕を持って時計の針を進めていくという流れにより、かなり得点の匂いは薄い終盤戦となった。
その状況をウェストハムは後半追加タイムにひっくり返すことに成功。スローインからの素早いリスタートで右サイドの奥を取ると、ボーウェンの折り返しをイングスが仕留めて同点に。完全に油断していたフラムの左サイドの隙をついての劇的同点ゴールで勝ち点1を確保することとなった。
ひとこと
フラム、あまりにももったいない勝ち点の落とし方。3ポイントはもう目の前だった。
試合結果
2024.9.15
プレミアリーグ 第4節
フラム 1-1 ウェストハム
クレイヴン・コテージ
【得点者】
FUL:24′ ヒメネス
WHU:90+5′ イングス
主審:ティム・ロビンソン
クリスタル・パレス【16位】×レスター【15位】
交代策が実って薄氷のドロー
今季ここまで勝ちがない両チーム。特にホームのパレスは期待が大きいシーズンだっただけに早く初勝利を手にしたいところである。
ボールを持つのはレスター。パレスはマテタが中盤をケアするなど、バックスには無理にプレスにいかないスタートとなった。レスターは左サイドのコンビネーションからサイドの奥を取りに行く。奪われるとすぐにハイプレスでボールを奪い返しにいくなど、立ち上がりはかなり積極的な姿勢が見えた。
序盤の流れが落ち着くとレスターも4-2-3-1のブロックを組み、ヴァーディを前残しすることでパレスとレスターはそれぞれ交互に保持から解決策を探る流れに。パレスの保持で少し気になったのはウォートン。中央で浮く機会が瞬間的に訪れるのだが、なかなかその機会に効果的な配球を見せることができない。周りとの連携の話もあるので、彼だけの責任ではないかもしれないけども。
流れの中から迎えた決定機は両チームに訪れたが、これを決めるか決めないかで明暗はくっきり。左サイドを壊したパレスは逆サイドに余ったムニョスが決定機を迎えるが、ファエスが体を張ってのセーブ。ゴールを許さない。
すると直後に中盤でのボール奪取からエンディディのラストパスを受けたヴァーディが裏抜けから先制。職人芸と言える一撃で試合を動かす。
先制点以降はパレスの方がややボールを持つ機会が多くなる。大外のWBを生かしつつニアの裏抜け、そして逆の大外など広く使いながらチャンスを狙っていくが、ネットを揺らせないままハーフタイムを迎える。
後半は立ち上がりにスコアが動く展開。先にゴールを奪ったのはマヴィディディ。クリアし損ねたところを仕留めて中押しのゴールを決める。
だが、すぐにパレスもやり返し。左サイドから精度抜群のクロスを入れたミッチェルに応えたマテタがネットを揺らして後半早々の失点を帳消しにする。
1ゴールずつを分け合った両チームは再びフラットな展開に。ボールを持ちながら解決策を探るのが多かったのはパレスなので前半の終盤の流れに戻ったといってもいいだろう。後半頭に入ったヒューズは左右に散らす展開力で存在感を発揮。レスターを押し下げることに貢献する。
押し切りたいパレスは鎌田の投入から4-4-2にシフト。一方のレスターはコーディを組み込んでの5バックで逃げ切り態勢を構築する。
方向性は打ち出された展開で成果を得たのはパレス。鎌田のスルーパスを収めたエンケティアの落としにサールが入り込んでPKを獲得。PKを与えてしまったのがコーディというのはなかなかに切ないところである。
土壇場のPKで追いついたパレス。レスターはすんでのところで今季初勝利を逃してしまうこととなった。
ひとこと
パレス、勝ち点を取れたことは良かったけども、昨季の良かった時期のフォームに全く戻ってこれない感じが気になるところ。
試合結果
2024.9.15
プレミアリーグ 第4節
クリスタル・パレス 2-2 レスター
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:47′ 90+2′(PK) マテタ
LEI:21′ ヴァーディ, 46′ マヴィディディ
主審:トニー・ハリントン
ブライトン【3位】×イプスウィッチ【17位】
またもブロック守備を崩しきれず
前節は10人のアーセナルを崩しきれなかったブライトン。ホームに戻っての一戦では昇格組相手に勝ち点3を積みたいところだろう。
ブライトンは中盤にアヤリとバレバ、2トップの一角にラターが入るなどキャスト変更を敢行。しかしながら、やりたい内容は大体いつもと同じという感じではあったので同じ方向性を異なるキャストで行う方向性なのだろう。
イプスウィッチは高い位置からのプレスで対抗。マンツーで枚数を合わせてというわけではないけども、前から奪いにくる意識は高く見えた。だが、クリーンにボールを奪いきれずに苦戦。ファウルが嵩んでしまい、攻撃に打って出ることができない。
GKを絡めたプレス回避でブライトンのビルドアップは安定。押し込んでからWGを軸とした崩しを狙っていく。だが、前節のアーセナル戦と同じく押し込んだ相手に対しての攻撃構築はもう一歩という感じであった。
自陣に押し下げられたイプスウィッチは自陣深くからライン間を狙うような鋭い縦パスからチャンスメイク。スモディクスやハッチンソンなど2列目の選手にボールを当てて前進のきっかけを掴みにいく。ロングボールは競り負けてしまいそうなので後方からパスを出すホルダーが前に当てる余裕を持てるかがイプスウィッチのポイントになる。
両チームは徐々に自分たちの形からチャンスを迎えるように。ブライトンは中央はウェルベックとラターのコンビネーションからのチャンスメイクが光る。この点は前節になかった崩しの新たな手札といった感じだろう。ラターの抜け出しからの三笘の決定機はムリッチのファインセーブに阻まれる。おそらくはこの試合で一番ゴールに近づいた展開だろう。
一方のイプスウィッチもデラップの抜け出しがオフサイド。それぞれのチャンスメイクが機能している展開だが、ゴールネットを揺らすことはできなかった。
後半も同じくブライトンが保持から動かしていく展開。サイドと中央にバランスよく配球を行いながらボールを動かしていく。一方のイプスウィッチも右サイドの直線的な抜け出しからデラップがゴールに迫る。角度のついた状況ではあるが、この角度からゴールを決めた実績もあるだけに怖いところだろう。
60分過ぎからボールを持てるようになったイプスウィッチだが、その保持が機能する時間はわずか。再びブライトンが保持で主導権を握り返し、交代した前線のメンバーからゴールを狙っていく。
だが最後までネットを揺らすことはできず。試合はスコアレスドロー。ブライトンは前節と同じくブロックを崩しきれないまま試合を終えることとなった。
ひとこと
ファーガソンの87分のシュート。ちょっとらしさが見えた。あと一息。
試合結果
2024.9.15
プレミアリーグ 第4節
ブライトン 0-0 イプスウィッチ
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
主審:サム・バロット
アストンビラ【7位】×エバートン【20位】
悪夢が過ぎるエバートンを絶好調のスーパーサブが仕留める
開幕3戦で3連敗。中でも前節はあっという間に2点のリードを溶かしてしまうというパンチのある負け方をしてしまったエバートン。ビラ・パークという難所ではあるが、なんとか勝ち点をもぎ取っていきたいところである。
前節の反省をしたのかエバートンは前からプレスに出ていかないプラン。トップの守備位置は中盤スタートであり、ガッチリとブロックを組む。
引きながらも人についていく形がメインのエバートン。ビラはいつもよりも細かくレーンを変える斜めのランを頻発して少しずつズレを作る。例えば、序盤のハーフスペースに突撃したラムジーがボールを持ちながらサイドに流れて、ハーフスペースに遅れて突撃したティーレマンスがフリーでクロスを挙げたシーンなどは一例と言える。
このように保持からブロック攻略を取り組むビラは優勢。エバートンは時折見せるハイプレスも空振りが続き苦戦する。しかし、先制点はエバートン。その空振り続きのハイプレスでオナナを咎めることに成功すると、マクニールがタイミングを外す技ありのシュートでマルティネスが守るゴールマウスを撃ち抜く。
さらには、エバートンはセットプレーから追加点まで手にする。自慢の打点の高さを発揮したキャルバート=ルーウィンがセットプレーからネットを揺らし、リードを広げる。ここまでは前節と同じシナリオだ。
追いかけるビラは前半のうちに1点を返す。左サイドからのふわっとしたクロスをワトキンスが叩き込み追撃。ようやくエースが目覚めてゴールを決めた。
後半、アストンビラはバークリーが登場。前節も登場とともに左右に動かしながらポゼッションの礎を取り戻したバークリーは今節もビラに安定をもたらす。オナナは前半に痛めるシーンもあったため、完全にタクティカルな交代とは言えないが、少なくとも実際の効果としてポゼッションの傾向に変化はあった。
押し下げられるのを嫌がるエバートンはプレスを強めるが、ここはアストンビラが一枚上手。押し込みながらエバートンのブロック攻略を狙っていく。それであればということでエバートンはキャルバート=ルーウィンのカウンターで少ない手数で押し下げにいく。エバートンが縦に速い選択をした結果、少しずつ展開はアップテンポになっていく。
オープンな状況でスコアを動かしたのはアストンビラ。左サイドからのクロスに反応したハリソンが不運な形でゴールをアシスト。前節に続いてエバートンは2点のリードを溶かしてしまう。
このゴールでエバートンのイレブンは完全に意気消沈。自陣から出ることができない状態が続き、ひたすら耐える展開に。そのエバートンとは対極であるノリに乗っているデュランがこの試合のマッチウィナー。衝撃のミドルを叩き込み、これで途中出場の3試合でゴールを決めたこととなった。
落ち着いて逆転勝利を引き寄せたアストンビラとまたしても2点差からの逆転負けを喫したエバートン。ダイチにとっては代表ウィーク明けも苦しい状況が続くこととなってしまった。
ひとこと
ビラの2点目でエバートンの心が折れる音が聞こえてきたような試合だった。
試合結果
2024.9.15
プレミアリーグ 第4節
アストンビラ 3-2 エバートン
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:36′ 58′ ワトキンス, 76′ デュラン
EVE:16′ マクニール, 27′ キャルバート=ルーウィン
主審:クレイグ・ポーソン
ボーンマス【8位】×チェルシー【11位】
エンクンクが苦しむチームを救う決勝点をもぎ取る
エンソが欠場となったチェルシーはスターターにヴェイガを抜擢。負傷者が目立つSBにはディザジを置くなど、チェルシーは少しスクランブルな人選でボーンマスのホームの乗り込むことに。
まずはコンパクトな中盤で様子を見る形の両チーム。チェルシーは繋いでの前進にトライ。2-2、もしくは3-2型のビルドアップから降りてくる前線にボールを当てる形。パーマーが低い位置に降りてからの反転から加速を狙うという形は前節のパレス戦を踏襲したものと言っていいだろう。ただし、ボーンマスは強気のプレスでこの保持を阻害にきており、序盤のポゼッションは安定しなかった。ディザシが低い位置をとり、3-2型が時間の経過とともに増えたのはこの影響だろう。
一方のボーンマスはドリブルのスペースを見つけてそこから加速するスタート。特に狙い目になっていたのはチェルシーの右サイドの守備の連携。明らかに統率が取れておらず、スピーディーな裏抜けからチャンスを作れる状況だった。
10分を過ぎるとチェルシーの保持で局面は安定していたが、やはりディザジやフォファナ、そしてサンチェスの連携は怪しく、互いに身振り手振りを交えて指示を出しているにもかかわらず、特に動きが見られない状況が続く。それでも前の方ではほんのりとパルマー、マドゥエケ、ジャクソンが右サイドを攻略できそうな空気もあった。
しかし、先に綻びが出たのはチェルシー。フォファナのバックパスミスを掻っ攫われてサンチェスがPKを献上。怪しかったGK-DF連携がついに爆発してしまったというワンプレーだった。だが、このPKはサンチェスがストップ。ボーンマスは絶好の先制のチャンスを逃すことに。
PKストップをしたものの、流れは変わらず前半はボーンマスがカウンターの鋭さからチャンスを作る展開だった。そのため、チェルシーはハーフタイムに選手交代でテコ入れを行う。左サイドに入ったサンチョは大外に張りながらインサイドに突撃するククレジャを使ってのチャンス創出に。本人のカットインも含めて、前半はかなり寂しかった左サイドを蘇らせた。
前半よりは失点の危険性が増えたボーンマスだが、攻め手は健在。ライン間に立つドリブラーに縦パスを入れることで攻撃を加速させると、チェルシーのバックスのシャープさの欠如が手伝い、危うい場面も作ることができるように。
オープンでフラットな後半を終盤に制したのはチェルシー。決め手になったのは交代で入ったエンクンク。左のハーフスペースからの反転からフィニッシュまで持っていく個人技で決勝点をゲット。なかなか活躍を見せられなかったエンクンクが苦しむチームを助けるゴールで勝ち点3をもたらした。
ひとこと
ボーンマスは優位に試合を進めていただけに、前半のPKは沈めておきたかったところだろう。
試合結果
2024.9.15
プレミアリーグ 第4節
ボーンマス 0-1 チェルシー
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
CHE:86′ エンクンク
主審:アンソニー・テイラー
トッテナム【10位】×アーセナル【4位】
アルテタのできること探し
レビューはこちら。
負傷者にあふれながら強度勝負に傾きやすいノース・ロンドン・ダービーに臨むアーセナル。この試合は明確に4-4-2。トーマスとジョルジーニョという2CHは欠場のライスと異なり自陣で持ち場を離れないことを明確にするプランだった。
そのためアーセナルの4-4-2はミドルブロックからローブロックに終始。トッテナムの保持を受けるプランとなった。トッテナムは2トップの脇に落ちるマディソンからトーマスに揺さぶりをかけると、同サイドではソンとソランケの連携からクロスに向かう。右サイドの攻略も含めてあと一歩のところまで手をかけることはできていたが、最後をマンツーマンで対応するアーセナルを外し切ることが出来ず、スコアを動かせない。
アーセナルは保持においても少ない人数での解決を余儀なくされる展開。サカとマルティネッリの両翼はその期待に応えた。SBのホワイトとティンバーを相棒にトッテナムのサイドの守備を壊しにいく。
押し込む手段を確保したアーセナルは高い位置からのプレスに出ていくように。序盤は4-4-2でのミドルブロックにフォーカスする展開となったが、だんだんと高い位置に出ていくなど普段着に回帰する形でアーセナルがいつも通りの姿を部分的に取り戻していく。
トッテナムは後半の頭から再びポゼッションでアーセナルのブロック守備にチャレンジ。右サイドのクルゼフスキとジョルジーニョのマッチアップからアーセナルのブロックに穴を開けていくように。
ただし、トッテナムの右サイドは仕上げの部分がやや単調。クルゼフスキはカットイン、ジョンソンは縦と選択肢が読みやすく、特にジョンソンの突破からの速いクロスは完全にガブリエウに見切られており、延々と跳ね返され続けることとなった。
3トップを軸に少ない人数での反撃を狙うアーセナル。それぞれの粘りからCKを勝ち取るとガブリエウがCKから先制点をゲット。セットプレーから試合を動かしていく。
先制点を得たことでアーセナルは前進の優先度を下げて、マルティネッリを大外のケアに回す。この移動によりインサイドに絞ったティンバーがジョルジーニョの背後のスペースを埋めることと、アーセナルの右サイド側からのクロスの対応に出ていけるようになった。
スターリング、ジェズスの投入以降はアーセナルはややバタバタしたが、トッテナムのボックス攻略を最後まで跳ね返し続けることに成功。苦しいやりくりの中でノースロンドンダービーをものにした。
ひとこと
キヴィオルを投入しての5バックではなく、ヌワネリを投入したアルテタにはとても驚かされた。
試合結果
2024.9.16
プレミアリーグ 第4節
トッテナム 0-1 アーセナル
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
ARS:65′ ガブリエウ
主審:ジャレット・ジレット
ウォルバーハンプトン【18位】×ニューカッスル【5位】
もどかしい展開をミドルで解決
スパーズを倒し、今季ここまで無敗のニューカッスルといまだに未勝利のウルブス。ここまでの道のりが対照的な2チームによる一戦だ。
4-4-2のウルブスに対して、ニューカッスルがボールを持って動かしながら勝負を仕掛ける立ち上がり。片側に制限をかけたいウルブスであったが、ニューカッスルの攻め手は多彩。サイドを変えながら2列目を食いつかせてその背後を使う形は基本。その上でイサクの降りるアクションの背後にマーフィーが飛び出したり、あるいはゴードンが大外から崩したりなどゴールに迫っていく。
ウルブスとしてはこの試合はローブロックからロングカウンターを打てるアタッカーが不在。ベンチにいるヒチャンだけという事情がある。それであれば高い位置から捕まえたくなるので、ニューカッスルとしては2列目を乱してその背後を使うというところが非常に楽にできた。
しかし、10分以降ウルブスは中盤でニューカッスルのビルドアップを引っ掛ける場面を作るように。それでも奪ってからのスピーディなカウンターに出て行ける場面は少なく、ニューカッスルとしては基本的には問題なく対応できる範疇だった。
だが、ボールを失うことでリズムを崩し、相手の守備ブロックを壊すことができない時間が続くと、ついにカウンターから失点。右サイドから抜け出したラーセンの折り返しを最後はレミナが叩き込んでウルブスが先制する。
いつでもいけなそうな状況のまま行くことができなかったニューカッスル。徐々に精度が落ちてきた上に相手のカウンターに沈むという最悪のしっぺ返しを食らった状態で前半を終える。
後半は前半の焼き直しでスタート。3枚交代でリフレッシュしたニューカッスルが再び4-3-3でウルブスの4-4-2ブロックに対して押し込みながら解決策を図っていく。前半同様にそれなりに解決策に辿り着きそうな感覚もあったニューカッスル。しかし、ウルブスはプレッシングとポゼッションからスムーズに立ち直り、こちらも前半同様にやり返すことで試合の主導権を取り戻していく。
前半と同じ展開に陥ってしまい、苦しくなるニューカッスル。その状況を解決したのは2つのスーパーなミドル。シェアの同点弾はドーソンに跳ね返ることですっぽりネットイン。これで手応えを掴み直すと、逆転の決勝弾となったバーンズの一撃は週末ナンバーワン候補の素晴らしいゴール。タイミングもコースもそこしかないミドルを威力十分で撃ち抜いて見せた。
主導権を握るもリードを許すもどかしい展開は2つのミドルで解決。無敗のニューカッスルがさらに勝ち点を伸ばす逆転勝利でウルブスを下した。
ひとこと
2つ目のゴールは理不尽。ウルブスもよく戦っていたので、未勝利が不思議なくらいなのだけども。
試合結果
2024.9.16
プレミアリーグ 第4節
ウォルバーハンプトン 1-2 ニューカッスル
モリニュー・スタジアム
【得点者】
WOL:36′ レミナ
NEW:75′ シェア, 80′ バーンズ
主審:クリス・カヴァナー