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「Catch up Premier League」~2022.10.22 プレミアリーグ 第13節 チェルシー×マンチェスター・ユナイテッド ハイライト

■ポッターの手当てでユナイテッド主導の展開をチャラに

 現段階ではCL出場権争いのボーダーにいる両チームの対戦である。ちなみにユナイテッドはこの試合が終われば、前半戦のビック6との直接対決を終えることになる。

 試合は順位が下のユナイテッドの方が明確にいい入りだったと言えるだろう。チェルシーはプレッシングにおいてはCBにもプレスをかけるのを諦めない。マウントはリサンドロ・マルティネスに対して、外切りでのプレスをかけるシーンもあった。

 ユナイテッドはバックラインでボールを動かしながらチャンスを伺う。バックラインは外を回しながら相手の中盤に穴が開くかを探っている。よくある動かし方はバックラインが左→右に展開。その移動に合わせてカゼミーロが右に流れる。空いた左側のスペースにエリクセンが降りてくると、横パスを受けてフリーに。そこからサイドの高い位置に大きな展開を見せる。

 仕上げとなった左サイドは、チェルシーのバックラインを動かしながらクロスを上げる形でPAに入っていく。ユナイテッドに得点があってもおかしくない場面もあり、好調な滑り出しと言えるだろう。

 明確な前進ルートを持っていたユナイテッドに比べるとチェルシーはやや前進の物足りなさが際立った。ユナイテッドは前からプレスにはきていたが、枚数は余らせる形。そのため、アスピリクエタのところが比較的余るのだが、大きな展開で素早くアスピリクエタまで動かすことができなかったりというチームの問題や、あるいは素早く持ち上がりにくいというアスピリクエタの性質でなかなか打開の決め手にはならなかった。

 前半のうちにコバチッチを入れて修正したポッターのアイデアは、ユナイテッドが有利な状況に風穴を開けるものだった。中盤の経由地を増やすことでユナイテッドはプレスで中盤を潰し切ることができなくなっていた。アスピリクエタ以外に起点を作ったことでチェルシーは前進にだいぶ兆しが見えてきた。

 中盤の枚数をチェルシーが増やした影響は非保持面でも。ユナイテッドの中盤を捕まえ切ることができるようになったことでサイドへの展開役であるエリクセンの潰しが間に合う場面が増えた。これでユナイテッドのサイド攻撃の機会は幾分か抑制されたと言えるだろう。

 ユナイテッドの優位をチェルシーの対策が打ち消した格好になった後半。チェルシーはワイドに人を置く4-3-3気味の形に陣形を修正する。明確な変更というよりはマウントとスターリングがやや外を気にするようになったという程度の調整と言えるだろう。

 中盤が捕まる状況が変わらないユナイテッドはフレッジの投入で4-2-3-1に移行。フォーメーションでどうこうというよりは、列移動しながらボールを受けられるフレッジが欲しくなるというのはわかる。サンチョとショーでなんともならなかった左サイド攻略の3人目の登場人物としてもフレッジは重要だ。

 交代で徐々にアスリート系の選手が増えてきたこともあり、試合は終盤に進むにつれてビルドアップの隙を探す展開から、ややダイレクトに縦に進む展開になっていた。しかし、どちらのチームもアタッキングサードにおける攻略に活路を見出せず。試合は膠着した展開に。

 そんな状況を変えたのがPK判定だ。マクトミネイがPA内でブロヤを抱え込みPK。こういうのどんどんPKとった方がいいよね。このPKをジョルジーニョが決めて87分にチェルシーが先制する。

 ここからやや小競り合いが増えたこの試合。ユナイテッドは守備陣を中心にやや空回りしているかのような振る舞いが続き、なかなか自陣から脱出することすらままならない。

 そんな状況を変えて敵陣までボールを運ぶことができたのは左サイドを進んだエランガ。その後のセットプレーでカゼミーロが同点弾を奪うきっかけを作ったのは彼である。

 カゼミーロのプレミア初ゴールは劇的であり、高い技術に裏打ちされたもの。あれだけ体が伸びているのに、逆サイドに正確にボールを落とせるヘッドができるのはすごい。場所甘ければケパが届いていた可能性もあった場面だったが、見事にコースを撃ち抜いたシュートで同点に追いついてみせた。

 トッテナム戦同様、ビックマッチをまたしても終了間際に落としてしまったチェルシー。展開としてドローは互角だが、終盤までリードをしていたということもあり悔しさは残る。ちなみにユナイテッドとのリーグ戦はこれで5試合連続のドローゲームとなった。

試合結果
2022.10.22
プレミアリーグ 第13節
チェルシー 1-1 マンチェスター・ユナイテッド
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:87′(PK) ジョルジーニョ
Man Utd:90+4′ カゼミーロ
主審:スチュアート・アットウェル

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