■テクノロジーが救世主に
レビューはこちら。
VARとGLTの通信トラブルという何とも今時な理由で40分弱の中断が発生したこの試合。そんなイレギュラーな状態にもかかわらず、両チームは普段通りにはつらつとプレーした立ち上がりとなった。
試合はまずアーセナルのボール保持から。SBがリーズのSHと駆け引きしながら2列目に穴を空けつつ前進する。アーセナルはリーズのSHが空けたスペースに前線の選手が入り込むことで縦パスのルートを確保する。リーズはバックラインからアーセナルの前線についていくことが多かったため、アーセナルは高い位置でパスを止められることが多かった。
そのため、多用したのはサイドチェンジである。トーマス、ウーデゴール、ジャカなどにフリーでボールを渡すことにより、逆サイドまでのスムーズな展開が約束されるアーセナル。これにより、前を向いた状態でより手薄なサイドでマルティネッリやサカが勝負できる状況が整うようになった。
一方のリーズはハイプレスからチャンスメイクする。狙い目としたのは冨安のところ。アーロンソンとハリソンが挟む形を作り、ショートカウンターの機会を確保する。アーセナルのバックラインに阻まれてしまい、決定機にまではたどり着くことが出来なかったリーズだが、十分アーセナルを脅かすことができていたといえるだろう。
リーズのアタッカーの中で目立っていたのは左サイドに入ったシニステラ。前でボールを持つ機会が最も多く、カットインからのシュートなど推進力のあるプレーでチームを牽引する。
アタッカーにどういい形で持たせるかを模索する両チームの一戦は意外なところからスコアが動くことに。右サイドの良い位置でボールを受けたサカにパスを出してしまったのはなんとロドリゴ。プレゼントパスを受けたサカはウーデゴールとワンツーで抜け出しからメリエのニア天井をぶち抜くゴールを決めて先制する。ロドリゴにとっては手痛い代償を払うミスになってしまった。
ビハインドのリーズは後半にバンフォードを投入しプレスを強化。サリバをはじめとするアーセナルのバックラインにさらなるプレッシャーをかけてパスミスを誘発する。加えて、アーロンソン、ロカ、シニステラを左サイドに集約。ここからクロスを上げることで決定機の創出に成功する。
リーズのプレスに対してあくまでボールをつなぐ形で解決を目指したアーセナル。だが、放った縦パスがことごとくリーズの餌食になってしまう。積極的に高い位置を取るホワイトのプレーも裏をシニステラとアーロンソンに取られまくるという副作用の方がむしろ大きいように見えた。
だが、リーズはバンフォードが仕上げで波に乗れない。サリバのハンドで得たPKを外すなど、この試合で何回かあった決定機を全て決めることが出来ず。9試合連続ノーゴールという肩書きが重くのしかかることになってしまう。
後半追加タイムにはバンフォードへの報復としてガブリエウの退場とリーズにPKが与えられかけたが、この場面はOFRで取り消しに。冷や汗をかいたアーセナルは何とかリードを守り切り辛勝。あわやの場面でアーセナルを救ったのは2時間前に故障していたテクノロジーであった。
試合結果
2022.10.16
プレミアリーグ 第11節
リーズ 0-1 アーセナル
エランド・ロード
【得点者】
ARS:35‘ サカ
主審:クリス・カバナフ