Fixture
プレミアリーグ 第8節
2024.10.20
ボーンマス(13位/2勝2分3敗/勝ち点8/得点8 失点10)
×
アーセナル(3位/5勝2分0敗/勝ち点17/得点15 失点6)
@ヴァイタリティ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績
過去10回の対戦でボーンマスの1勝、アーセナルの8勝、引き分けが1つ。
ボーンマスのホームでの成績
過去8回の対戦でボーンマスの1勝、アーセナルの5勝、引き分けが2つ。
Head-to-head from BBC sport
- 16回のプレミアの対戦でボーンマスがアーセナルに勝利したのは2018年1月のホームゲーム1回だけ。
- アーセナルは直近9回のボーンマス戦で8勝、残り1つは引き分け。
- 昨季のプレミアリーグにおいて、アーセナルはボーンマスにホームで3-0、アウェイで4-0で勝利している。
スカッド情報
- タイラー・アダムスがフィットが懸念される唯一の選手。背中の負傷を克服できれば今季初のスカッド入りの可能性もある。
- カイ・ハヴァーツ、ベン・ホワイト、ユリエン・ティンバー、オレクサンドル・ジンチェンコに関しては「いい知らせを待っている」
- ブカヨ・サカは起用ができる可能性がある。ガブリエル・マルティネッリは評価の必要あり。トーマス・パーティはフィット。
Match facts from BBC sport
- 直近15試合のプレミアリーグにおいて4勝。
- しかし、直近17試合のホームでのリーグ戦では4敗だけ。
- 115本のシュートをここまで放っており、これより多いのはトッテナム(123)とマンチェスター・シティ(136)だけ。
- アントワン・セメンヨは31本のシュートを放っており、これより多いのはエーリング・ハーランド(35)だけ。
- アンドニ・イラオラとミケル・アルテタはユース時代のチームメイト。
- 4月のCLバイエルン戦の敗戦以降、公式戦16試合無敗。
- 16試合の無敗記録は2018年のウナイ・エメリ時代の22試合無敗以来のラン。
- 勝てばリバプールに次いで2チーム目のトップリーグ2000勝。
- 7試合を終えて5勝2分、15得点と6失点は昨季の自身の7試合終了時点の数字と全く同じ。
- ミケル・アルテタ政権で初めての14試合連続のリーグ戦無敗となる可能性。
- 引き分け以上でアウェイでの無敗記録は13となり、達成すればこの15年で初めてのこと。
- カイ・ハヴァーツは今季のホームでの公式戦6試合で全てネットを揺らしているが、アウェイの4試合では1つもゴールを決めていない。
- ラヒーム・スターリングはボーンマス相手に10得点を挙げており、プレミアリーグにおいて最もゴールを決めている選手。
予習
第5節 リバプール戦
第6節 サウサンプトン戦
第7節 レスター戦
今季ここまでの道のり
予想スタメン
展望
CFの入れ替わりの影響は感じられる
9月シリーズでウーデゴールを失ったこともあり、冷や冷やしながら代表ウィークを迎えることとなったアーセナルファン。この2週間の間にもサカ、マルティネッリ、冨安など多くの名前がメディアを賑わせていたが、実際のところどうなのだろう。その辺りの真偽はこの展望部分を書いている時点(火曜日です)では不明である。
そんなアーセナルが代表ウィーク明けに対峙するのはボーンマスとのアウェイゲーム。アルテタがアーセナルの監督としてキャリアを踏み出した地でもあるヴァイタリティ・スタジアムでの一戦である。
ボーンマスの監督はアルテタと同じくバスク出身のイラオラ。昨季の開幕から就任し、今季で2シーズン目を迎えている。降格争いに絡むことのない状態からの監督交代だったため、ギャンブル性の高い招聘かと思われたが、前年のオニールと同じく無事に無風でシーズンを終えている。
ボーンマスの特徴は何といっても攻撃時の火力だろう。多士済々な2列目の人員は単独での突破を図れるメンバーがベンチにまでズラリ。相手を剥がすだけでなく、長いレンジからでもゴールを陥れることができるセメンヨがこのポジションの第一人者だ。
右サイドに入るセメンヨは単騎性能を押し出すようなアイソレーションが多めだが、逆サイドはコンビネーションが主体。CHから列を上げて攻撃に絡むことが出来るクリスティ、そして高い位置まで攻撃に参加する形で顔を出すケルケズなどのサポートキャストが多い。なお、クリスティと相棒のクックは左右を試合によって変えるため、どちらサイドにどちらが配置されるかは注視をしておきたいところだ。
攻撃面ではやはりソランケの退団の影響は感じられるところ。ボックス内での屈強な体幹とカウンターの起点としての使い勝手の良さはやはりなかなか埋めるのは簡単ではない。かわりに9番に君臨するエヴァニウソンも悪くはないが、早々に前任者と同等の働きをしなさい!というのは荷が重いだろう。すでにゴールを生み出してはいるが、チェルシー戦で試合を分けるPKを外す場面もあるなど流れに乗り切れているとは言い難い。
基本的にはソランケよりも機動力を生かしてスペースメイクするタイプなので相互理解が重要そう。ポルトのようにワイドアタッカーと組んで前線のレーン分けを縦横無尽にするような成功のイメージはしやすい。実際のところ前節のレスター戦ではそのようなイメージの攻撃はほんのりみられている。
守備においてはオニール時代よりも高い位置からのチェイシングを強化してはいるが、前節のレスター戦では無理に奪いに行かないシーンも見られるなど緩急は意識している様子。勢いを打ち出していた昨シーズンに比べれば、少し抑える方も意識している戦い方なのかもしれない。
クック周辺を手軽に使えれば・・・
アーセナルとしてはまずはボーンマスの出方をうかがいたいところ。ボーンマスがアーセナルにボールを持たせるスタンスになるのか、それとも強気のプレスに出てくるかで出方は変わる。個人的にはプレスに出てきてくれた方がやりやすいかなと思う。まず確認しておきたいのはロングボールの効果。このうち何人がスタメンかはわからないが、ハヴァーツ、サカ、マルティネッリのような長いボールのターゲットになる選手がどれだけ後方からのボールを収めることが出来るかはチェックしておきたいところ。
前節のレスター戦では非常にあっさりとレスターが長いボールを収められており、攻撃のルートを長いボールから構築することが出来た。長いボール→セカンド回収→サイドへの展開から仕掛けとシームレスな攻撃を仕掛けることが出来れば、アーセナルとしては結構楽。ボーンマスが背走するような対応になれば、サイドにダブルチームをつけるようなセットした守備は難しくなる。そうなれば、攻略は比較的容易になるだろう。
前から出てこない場合はなるべくは釣りだすような配置をして駆け引きをしたいところ。最近の基本線である3-2-5でもいいし、そのうえでカラフィオーリを上下動させる形でもいいが、2トップ以外の選手を釣りだす形から相手のズレを作りたい。おそらくはサイドから人を釣りだすか、中盤のクリスティを手前に引き出してクックの守るスペースを広げることが有効打になるはずだ。
サイドのズレはトランジッションの局面においても狙えるだろう。攻めあがることの多いケルケズの背後は狙い目になる。ハヴァーツをここに流すことでロングボールの成功率はさらに高まるだろう。
守備においてはエヴァニウソンのオフザボールの動きに釣られることでCBがインサイドを空けるパターンが怖い。まだ、連携としては成熟しきっている感じはしないが、サイドの攻撃には枚数をかけているし、カットインから仕事ができるWGもボーンマスには多くいる。エヴァニウソンを囮にサリバがいなくなったところからという形がボーンマスからすると現実的な狙える得点の形になるのではないか。
ストロングであるセメンヨ周りのマッチアップも注目。正対すると少し怖い感じがする相手に対してカラフィオーリは読みを効かせて受ける前になんとかしようとする傾向がある。もちろん、成功すればいいのだが、この形は失敗すると一気にピンチになるパターンでもある。
正対して敵わない相手に対して、受ける前にアプローチをする方向性自体は悪くはないと思うので、周囲と連携して狙いを絞るような守備ができるかどうか。ボールを受けて正対した時の守備とそれを防ぐための守備。対面するセメンヨは間違いなくボーンマスの最重要人物の1人。そういう相手に対して個人やチームでカラフィオーリの弱点とどのように付き合うかが問われる一戦になるかもしれない。