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「鬼が出るか、蛇が出るか」~2024.10.1 AFC Champions League Elite リーグステージ 第2節 川崎フロンターレ×光州FC マッチプレビュー

目次

Fixture

2024.10.1
AFC Champions League Elite
リーグステージ 第2節
川崎フロンターレ
×
光州FC
@等々力陸上競技場

Match facts

Match facts
  • 年明けの山東戦の敗戦でACLでのホームでの12試合の無敗記録が途切れた。
  • 川崎のACLにおける直近4試合の敗戦のうち、3試合は韓国勢。
    • 全て蔚山相手。
  • 光州はACL初出場。初戦の横浜FM戦では7-3の勝利。
  • 光州はKリーグにおいては直近6戦で5敗。

予習

第30節 浦項スティーラース戦

ACLE LS 第1節 横浜FM戦

第31節 済州ユナイテッドFC戦

第32節 金泉尚武戦

予想スタメン

展望

中盤でズレを作り、サイドで仕上げる

 クラブ史上初めてアウェイの蔚山戦で勝利を挙げた川崎。迎える第2節は同じく韓国勢でありACL初出場である光州とのホームゲームに臨む。

 光州が横浜FM戦で見せたのは保持から相手のプレスを破壊し、前進していくという形。中盤の形は3センター。上の図では4-4-2になっているがこれは非保持のフォーメーションだ。

 30番のギョンロクが中盤に降りることで3枚になることが保持のスタンダード。これにSBが4人目の中盤として加勢すべく、絞るアクションを入れてくる。横浜FMはこの中盤の増員に対して耐えられなかった印象だ。後方の陣形はフレキシブルに枚数調整をかけており、4枚の場合も3枚の場合もある。ビルドアップには力を入れているチームという印象だ。

 中盤でズレを作ると、そこからはサイドにボールをつけて勝負に出てくる。右のアサニからのカットイン、そして縦への抜け出しの使い分けが特に横浜FMでは効いていた。

 逆サイドのWGはMF型の選手を起用することが多いが、11番のティグロンが出てくると少しテイストが変わる。単騎でカウンターを完結することができる馬力がある選手。直近ではスターターとしての起用は多くないが、試合を変えるジョーカーとして活用されている。

 まとめると中盤でギャップを作り、フリーマンのところから前進し、サイドに展開してWGで仕上げるというのが狙いとなる。

蔚山戦のリピートを推奨する理由

 横浜FMに7-3という衝撃的なスコアで勝利した光州だが、リーグ戦での成績は芳しくない。31試合で勝ち点40という成績は川崎とほぼ同じ。直近の試合に至ってはリーグ戦6試合で5敗を喫しており調子を落としている。

 横浜FM戦のように保持でテンポを掴み、自分たちの土俵に乗せることができれば一気にリズムに乗ることができる。その一方で、保持で主導権を掴むことができなければ、非保持で流れを掴むことは難しい。ハイプレスでスイッチを入れるシーンは見られず、同サイドに追い込む粘り強いプランをはめる必要がある。

 総じて、攻守に手数をかけない形で主導権を握るのはあまり得意ではない。攻撃においても他の韓国勢や中国勢と比べると、CFに一発でボールを収めて前進するという手段を取ることはできず、きっちりポゼッションからズレを作る必要がある。

 フィジカル面でも他の韓国勢と比較してあまり強みになっていない。保持にこだわる一方で、相手に捕まると潰されてしまうケースが多く、直近の2試合ではいずれも相手のハイプレスを起因とした形で失点を喫している。

 すなわち、川崎からすればまずは非保持で不用意なズレを作らないこと。3センターもしくはSBとして4人目が登場する光州の保持のプランを成立させないことが重要になる。

 そのためには川崎は蔚山戦のリピートが手っ取り早いだろう。バックスにプレスをかけすぎず、ミドルゾーンからハイプレスに出ていく形を探るというスタンスがベター。小林を旗頭としたトップに、河原と橘田の中盤でボールハントを狙う形でカウンターに出ていくことを狙っていきたい。ただし、光州のDFは強靭なCFがいるとかなり苦労するので、重要する部分を別に置くのであればエリソンや山田を活用することもあるだろう。

 試合の展開として押さえておきたいのは光州は直近3試合いずれも戦術的な理由で前半に交代を行っている事。非常に早く手を打つのがイ・ジョンヒョ監督の特徴でもある。すなわち、仮に初手でプランを嵌めてもすぐにプランを変えてくる可能性があるということだ。具体的には左のWGのティグロンを入れて単騎での陣地回復を可能にするプランへのスイッチなどが挙げられる。

 両サイドのWGは個人で打開する能力がある一方で、直近のリーグ戦では不振が目立つ。特に横浜FM戦で大暴れしたアサニはカットインからシュートがほぼミートしておらず、ドリブルでのキレが悪い。もちろん、川崎戦ではどのようになるかはわからないが、少なくとも横浜FM戦以降は活躍が見られていない。

 ただ、アサニは足元でボールを受けるわけではなく上下動をしながら対面のマークを外す動きを仕掛けてくる。ボールが入る手前で勝負してくることもあるため、仮に不調でも初手をズレを作られないように注意をする必要がある。

 川崎側としては保持でズレを作らせるところの阻害とWGへの対処法がポイントになる。特にWG起点からの人数をかけたハーフスペースアタックはリズムを作らせると厄介。WGと対面するSBはもちろんのこと、MFと連携したハーフスペース封鎖のプランを練る必要がある。

 光州側のコンディションも当然キーになる。リーグ戦の似た水準のコンディションであれば、正直楽に勝利をする展開もなくはない。もちろん、横浜FM戦のように展開がはまれば極端に苦しい展開もあるだろう。鬼が出るか、蛇が出るか。今季は川崎側の内容もそんな試合が続いているが、この試合に関しては相手側にも同じことが言えそうだ。

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