Fixture
2024.12.4
AFC Champions League Elite
リーグステージ 第6節
川崎フロンターレ(4位/3勝0分2敗/勝ち点9/得点7 失点4)
×
山東泰山(7位/2勝1分2敗/勝ち点7/得点9 失点9)
@等々力陸上競技場
Match facts
- 山東泰山はアウェイでのACL3連敗中。
- 最後の勝利が2月の等々力。
- 山東泰山は日本勢直近4試合未勝利。
- こちらも直近の勝利が川崎。
- 川崎はACLでのホームゲーム連敗を前節の上海海港戦でストップ。
- 川崎は中国勢との連敗も前節の上海海港戦でストップ。
予習
ACLE LS 第3節 横浜F・マリノス戦
ACLE LS 第4節 浦項スティーラース戦
ACLE LS 第5節 ジョホール・ダルル・タクジム戦
中国FAカップ決勝 上海海港戦
ACLE LS 第5節 ジョホール・ダルル・タクジム戦
予想スタメン
展望
前輪駆動型のスタイルは変わらず
年またぎでグループリーグが行われるACL-Eもいよいよ年内最終戦。川崎からすればあと1勝を手にすれば突破を視野に入れた形で年越しを迎えることが出来る。来季は新しい体制で迎えることが確定している川崎としては年明けに仕上げを急ぐ展開は避けたいところだろう。
そのために必要な1勝を前に立ちはだかるのは山東泰山。2月のACLのRound-16でホーム逆転負けを喫し、敗退を余儀なくされた因縁の相手である。
チームとしての印象はあまり変わっていない。基本的には前線のアタッカーの個人技でごり押しができるのが最大の特徴であり、これといった前進の手段はなし。フォーメーションも4バックも5バックもあるという試合ごとにばらばらで、特に形にこだわっている様子はない。
前線の外国籍選手は3人。クリサン、ゼカ、そしてカザイシュヴィリである。このうち、2月に苦しめられたクリサンは今回の試合では出場停止。今回は入れ替わるように2月の対戦時には大怪我で不在だったゼカが前線に入ることになる。
戦線復帰は9月の最終週。中国超級リーグの最終節である第30節にようやく今季初ゴールを決めた選手だ。ACLでも前節のジョホール戦では後半頭から出場。カウンターからの抜け出しを沈めて、決勝点を手にしている。
大まかには彼もクリサンと同じ。パワーとスピードを兼ね備えているアタッカーであり、得点力もある。クリサンよりは中国リーグでの実績があるわけではないが、間違いなく侮れない存在となるだろう。
そして、蔚山時代からおなじみのカザイシュヴィリに関してはもはや説明不要だろう。2人のCFタイプよりは2列目寄りのキャラクターであり、中盤からのキャリーもこなすことが出来る。
ちなみに、2月の対戦で川崎を苦しめたジョーカーであるフェルナンジーニョはすでに上海申花に移籍済み。川崎もすでにACLで対戦を果たしている。
こういった前線の外国籍選手に中盤から中国籍の選手たちがどこまで絡んでいくことが出来るかで厚みが決まる。だが、そうした連携を生かすケースはどちらかといえば稀で特に川崎のような保持で押し込んでくることが想定できる相手であれば、基本的には外国籍選手たちがカウンターでやり切ってしまうイメージだ。
非保持は中盤から後ろは枚数を余らせながらマンツーの受け渡しを行っていく。2月の等々力での対戦ではハイプレスから得点を許してしまったが、前からの守備に関してはかなりルーズな部類に入るチーム。前線はハードなプレスを免除されることで攻撃に全振りすることを許されているいわば攻守分業型のチームである。
国内リーグの失点数で言えば第3節で負けた上海申花が20、第4節で勝利した上海海港が30。そして山東泰山が40と上記の2チームに比べると自陣での守備の強度は高くないことが想定される。この辺りは攻守分業で前線のタレントを生かす形の弊害といえるだろう。
CBに求められるプラスアルファの意識
まずはボール保持から相手のプレスを外すことが重要になる。どういうフォーメーションでくるかは少し読みにくいが、ゼカの起用が確実視される前線は1stプレスラインを綺麗に回避するのがマスト。ハイプレスで失点しないことは当たり前に超えてほしいノルマであり、CBは保持でバリューを出すことが求められる。
スターターは佐々木、高井、ジェジエウ、丸山の内の2枚だろうが、上手い下手以上に運ぶ意識を持っている前の3人から選んでほしいというのが本音。ゼカにぶつけるという観点であれば、ジェジエウが満を持して頭からという選択になってもおかしくはない。
中盤より後ろはマンツーがベースなので、細かな列移動ができる山本は効きやすいように思う。後方からのキャリーを組み合わせることが出来れば、さらに威力は増すことになるだろう。中盤でフリーマンを作ったところで背後を取るアクションを絡めることが出来れば、マルシーニョの裏抜けはさらに威力を増す。中盤でのフリーマンの話で言えば、東京V戦で印象的なパフォーマンスを見せた遠野も面白い存在になるだろう。
カウンターに特徴のあるチームだけにボールの失い方は重要。東京V戦の前半くらい押し込むことが出来れば、相手のチームもカウンターに労力を要することになる。
推進力という意味では東京Vのアタッカー以上にゼカは無理が効く存在なので、やはりCBのデュエルの強度は確保したいところ。仮にジェジエウでここのイニシアチブをとれてしまえば、試合運びはぐっと楽になる。
逆に週末のように乱打戦のような展開になれば、相手の得意な土俵で戦うことになる。2月の対戦もそうだったが、ワンチャンスをゴリ押しで決め切る力はあるチームなので、試合を保持でコントロールすることはこれまで以上に意識したいところ。勝ったからといって終盤の4失点の反省をないがしろにしてしまえば、2月の悲劇を繰り返すことになる。
相手はすでにリーグ戦を終えており、1週間と休養期間はたっぷり。ただ、プレスをハードにやってくるチームではないので、試合を保持でコントロールする意識は忘れないようにしたい。