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「依然、相性抜群?」~2020.7.18 J1 第5節 横浜FC×川崎フロンターレ BBC風オカルトプレビュー

 このプレビューは対戦カードの過去の因縁やジンクスを掘り起こして、試合をより一層楽しむための物です。

目次

Fixture

明治安田生命 J1リーグ 第5節
2020.7.18
横浜FC(10位/勝ち点5/1勝2分1敗/得点6 失点5)
×
川崎フロンターレ(1位/勝ち点10/3勝1分0敗/得点9 失点2)
@ニッパツ三ツ沢球技場

戦績

近年の対戦成績

図2

直近10回の対戦で川崎の9勝、引き分けが1つ。

横浜FCホームでの対戦成績

図1

直近10回の対戦で川崎が10勝。

Head-to-Head

<Head-to-Head①>
・2010年10月の天皇杯以来、およそ10年ぶりの対戦。
・通算22回の対戦で横浜FCが勝利したのは一度だけ(D2L19)

 横浜FCのファンの皆様、遅くなりましたが久しぶりのJ1昇格おめでとうございます。お祝いの言葉は述べたものの、川崎との対戦成績においては全く持ってポジティブなデータが見つからなかったため、悲しい気持ちになりたくない方は「展望」まで読み飛ばしてください。。ちゃんと言ったからね。

 というわけで川崎にとって横浜FCは20試合以上対戦しているチームの中で最も勝率が高いチーム。勝率86%である。前回対戦の10年前の天皇杯(自分がファンになる前の話である)は88分に同点ゴールを決めたジュニーニョが、延長後半5分に楠神順平にアシストを決めて逆転勝利と競った試合になっている。しかし、基本的には過去の戦績は川崎がダントツに圧倒的優位である。

<Head-to-Head②>
・直近6回のリーグでの対戦のうち、横浜FCは5回無得点。
・J1での対戦においては横浜FCは川崎から得点を奪ったことがない。

 横浜FCが戦績が伸び悩んでいる理由は得点力不足。直近6試合の対戦で5試合は無得点。最後に川崎相手に得点を取ったのは16年前。マシュー・ブーツと早川知伸がゴールを決めた2004年。前回の昇格時にはゴールを決められなかった川崎相手に得点を奪えるだろうか。

    ちなみに横浜FCが直近で川崎相手に得点を奪った2試合はどちらも2-5で川崎が勝利という謎ジンクス。さらにいずれも横浜FCホームでの試合で、2-2のスコアからジュニーニョがハットトリックで突き放すという謎の再現性である。ちなみにジュニーニョは対横浜FC戦11試合で15ゴール、このカードのトップスコアラーである。

<Head-to-Head③>
・過去11回の横浜FCホームでの対戦成績は川崎の全勝。
・11回のホームゲームのうち横浜FCが川崎を1得点に抑えたのは2回だけ。

 横浜FCホームになるとより川崎の優勢が強まる。横浜FCはホームで川崎相手に勝利どころか勝ち点を取ったこともない。得点もバカスカ決められており、複数失点が9試合でそのうち4失点以上が4試合である。ここまで読んだ横浜FCサポいるのだろうか。いるとしたらすごく修業を積んだ方だといえそうである。

スカッド情報

【横浜FC】

・六反勇治は鼻骨骨折により出場不可。南雄太が12年ぶりにJ1での先発出場の予定。
・マギーニョは契約上の事由で出場不可。

【川崎フロンターレ】

・左ひざの手術をした小林悠は練習合流済み。
・ジェジエウは筋肉系のトラブルで週末は起用を見送る方針。
・中村憲剛は8月中の実戦復帰を目指すとのこと。

Match Facts

【横浜FC】

<横浜FCのMatch Facts①>
・今季の公式戦5試合でクリーンシートなし。
・ホームでの公式戦は未勝利(D1L2)

 シーズンのスタートは悪くない横浜FC。しかし、今季まだ達成できていないこともある。それがクリーンシートとホームゲームでの勝利である。この2つを前回J1で達成したのは2007年12月の浦和戦。どちらも達成すれば1-0で浦和にシャットアウト勝利したあの日以来の記録となる。

<横浜FCのMatch Facts②>
・勝てば今季2勝目。前回昇格時には2勝あげるのに11節かかった。
・今季リーグ戦での得点は6。前回昇格時は開幕10節で得点4のみ。

    前回昇格時にはどうやら得点力不足が大いに足を引っ張ったようである。11節の広島戦でようやく2勝目かつシーズン初めての複数得点を挙げたという状況。

   今年はすでに6得点を挙げており、得点力に関しては問題ない予感がしている。後はどこまで勝利がついてくるかだ。

<横浜FCのMatch Facts③>
・一美和成は今季ここまで2得点を挙げており、いずれもホームゲームで記録したもの。
・下平監督はキャリア7回の川崎戦において、1回も無得点に終わったことがない。

 その得点力でチームを牽引しているのが一美和成。彼がボックスで勝負できればある程度の得点は見込めそうである。そんな彼は昨年の京都では年間17ゴール。複数得点は2回だけと年間を通して非常にコンスタントにゴールを決めている。この試合も決めれば3試合連続のホームゲームでの得点になる。

 コンスタントに点を決めているデータでいうと、下平監督の対川崎戦での成績もあてはまる。キャリア7回の対戦で戦績は五分(W3D1L3)も川崎相手に得点を挙げられなかったことはない。一美同様、コンスタントに川崎相手の得点を重ねてきた指揮官は今季も川崎を苦しめることになるだろうか。

【川崎フロンターレ】

<川崎のMatch Facts①>
・勝てば昨年5月以来のリーグ戦4連勝。
・3試合連続の3得点を達成すれば2017年10月以来のこと。

 好調である。勝てば昨季は一度だけ達成できた4連勝に並ぶし、3試合連続の3得点となれば実に3年ぶり。やたら点が取れなくて苦しんでいた昨季はともかく、連覇した2018年にも達成していない記録ということで、ここでも得点を重ねることができれば序盤戦は勢いに乗れそうだ。

<川崎のMatch Facts②>
・アウェイでのリーグ戦は直近6試合無敗
・直近14試合の昇格組との対戦は負けなし(W11D3)

 直近6試合のアウェイゲームはいずれも複数得点で5勝1分。さらに直近14試合の昇格組との試合は負けなし。ということで相性は引くほどいい。逆に怖いやつである。

<川崎のMatch Facts③>
・レアンドロ・ダミアンは来日2度目のリーグ戦連発。3試合連続になれば初めてのこと。
・リーグ戦において、今季は未だ途中交代の選手がゴールを決めていない。

 家長と共に去年エンジンがどうもかからなかったレアンドロ・ダミアンが今季は活躍中。すでに2ゴール2アシストを決めて大暴れである。狙うは初のリーグ戦3試合連続得点。同じ国の先輩であるジュニーニョのように横浜FC相手に固め取りを狙いたいところだ。

 好調のチームの中で唯一の気がかりを挙げるとすれば、交代選手がノーゴールという状況であろうか。アシストまで範囲を広げてみても前節前半に入った登里のみ。齋藤学や旗手怜央など、攻撃的なポジションに入る交代選手がここまで結果を見せていない。先発組に比べて出場時間時間が短いことや、攻撃が必要なタイミングでの投入ではないことは考慮しなければいけないとはいえ、レギュラー組が結果を出している以上は、結果を出さない限りは序列は覆らない。焦りは不要だが、気になる点があるとすればここだ。

予想スタメン

画像3

展望

■CFのポストを許さずに押し返せ

 今週はミッドウィークがなかったのでちょっぴり仙台戦を見て敵情視察。その感想をつらつら書いていく。仙台の陣形は4-3-3だったので多少は参考になりそうだったし。ビルドアップは3バックとGKでひし形を形成するイメージ。両脇は開いて、中央は少し上がり目になるイメージだ。最近の川崎はおそらくこういう相手にはダミアンで中央を消しつつ、WGが外を切りながらプレッシャーをかけてきそうという予想がつく。

画像4

 横浜FCはこうなるとアンカーの佐藤が中央でCBと並ぶように立ち五角形に変形する。こうなると、ダミアンが背中でパスコースを消しきることは難しい。川崎は中盤を押し上げてここまでプレスに行くかどうか?という判断をすることになる。

画像5

 川崎のこれまでのプレスを考えれば、WBが横浜FCのビルドアップの安全地帯になるはず。ビルドアップの引き出しは豊富な下平監督。川崎がプレスに全振りしても空振りになる可能性はある。仮に川崎がうまくプレッシャーをかけられたらどうなるか。おそらくCFのポストプレーが次の前進の手段である。2トップの一美も斉藤もCB相手に背負う意識は強く、中央での起点として振る舞う。

 川崎がプレスをかけた際に横浜FCがどこまで押し返せるか?はこの横浜FCのCFと川崎のCBのマッチアップが大きな要素になると予想。ここで川崎が跳ね返せれば、高い位置で止めてハーフコートゲームに持ち込める可能性は高まるし、失敗すれば横浜FCは進撃していくことになる。

 横浜FCの最後の部分の崩しはサイドから。ワイドプレイヤーの単騎突破ではなく、コンビネーションで崩してくる傾向が強い。特に左から作ってくる頻度が高く、こちらのユニットの方が完成度も高かった。2トップの片方がハーフスペースに流れる動きも多く、ポジションチェンジを繰り返しながら多角形を維持してパスコースを作る仕組みである。

画像6

 ボックス内にはCFに加えて右サイドからWBが飛び込む頻度が高い。特に一美はボックス内では脅威。ここで勝負をしたい相手ではなく、できればサイドからフリーでクロスを上げられることは少なく抑えたいところである。

 ちなみに右サイドのマギーニョはこの試合には出られない。先発が予想される中山の役割も彼と同じエリア内にアタックをかけるものなのかは気になるところである。

■家長起点の得意パターンに持ち込みたい

 非保持では前からプレスに来る横浜FC。2トップに加えてWBもサイドに蓋をするために前に出てくる頻度が高い。川崎としては鹿島戦の後半以来のボールホルダーへのプレッシャーの強い中でプレーする機会となりそうである。鹿島戦ではここで縦に急ぎすぎたために、ゲームをコントロールすることが難しくなってしまった。ここ2試合とは違う状況の中で蹴る部分と落ち着ける部分のバランスをどこに見出すかがポイントになりそうだ。

画像7

 撤退守備のフェーズになると、5バックはフラットになる。浅い位置のサイドの守備はインサイドハーフが出てくることが多く、時間を与えてもらえる印象。仙台は蜂須賀がここからファーのDFラインの裏にポンポンボールを蹴りだしてチャンスを量産していた。エリア内での守備はタイトとは言えないので、ここからのクロスには活路を見出そうである。対応怪しかったマギーニョはいないけども。

画像8

 おそらく家長にも浅い位置からのクロッサーとしての役割は期待できるはず。今季継続しているファーへのダミアンor長谷川へのクロスは引き続き大事な武器になりそうだ。

    対戦成績でいえば得意な相手だが、プレスもビルドアップも試される部分が多そう。10年経っても依然相性は抜群かどうか、力試しの一戦だ。

参考
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
SANSPO.COM(https://www.sanspo.com/)

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