11連勝で指揮官の旅立ちを飾る
すでに正式にマンチェスター・ユナイテッド行きが決まっているアモリムのラストマッチ。ブラガとのアウェイゲームに勝利すれば、リーグ開幕11連勝をキープしたままイギリスに去ることになる。
共にフォーメーションは3-4-3。いわゆるミラーでの噛み合わせといっていいだろう。より、マンツーの意識が強かったのはスポルティング。バックスから相手のポゼッションを咎めに行く。
一方のブラガは相対的にバックスへのプレスは消極的。きっちりと受けてからカウンターに移行する形でスポルティングの保持を受け止める。
両チームのスタンスの違いから試合はスポルティングの保持ベースで進む。よりフリーになりやすい両ワイドのCBから組み立てを狙うスポルティング。シャドー、CHでブロックの切れ目になる位置で受けることを探りつつ、シンプルに外につける形や逆サイドへの対角など外循環になる保持からもチャンスを狙っていく。
スポルティングの保持における選択肢の分岐のさせ方は悪くなかったように思うが、先制点を取ったのはブラガ。カウンターからの右サイドからのクロスに対して、フリーになったエル・ウアザニがシュート。このシュートはゴールにはならないが、全体的に後手に回っていたデバストが甘いクリアをプレゼント。これをオルタに沈められてしまう。
このゴールでブラガは流れを掴む。やや高めのラインを維持しつつ、ライン間と背後の両面をケアする見事な対応でより能動的にスポルティングの攻撃を防げるように。
前半終了間際にはカウンターから追加点。CHのブラガンサを潰したところからの速攻で味方を追い越したオルタが2点目をゲット。またしても足を埋められてしまったデバストにとってはしんどい前半となった。
後半もベースは同じ。ハイラインとコンパクトさを両立するブラガのブロックにスポルティングが挑んでいく形だ。やや低い位置を取る大外と連動するようなハーフスペースの突撃など、味方を意識した位置取りから少しずつきっかけをつくりにいく。一発で裏取りを狙ったギェケレシュも決定機まであと一歩という感じ。見事なGKのカバーがなければ追撃弾のチャンスだった。
60分の交代で守田が登場。日本代表でもおなじみの3-2-5→3-1-6への移行から少しずつ変化をもたらしていく。同時にセットプレーから得点でも貢献した守田。目に見えてチームの反撃のきっかけとなる働きをすることとなる。
前半は縦方向の揺さぶりが多かったスポルティングだが、徐々に横ドリブルが増加。クリティカルなサイドチェンジでブラガの対応は少しずつ後手に回っていく。
すると、ライン間にパスを呼び込んだヒュルマンドの一撃で試合は振り出しに。守田の登場以降はワンサイドで試合を進めていたスポルティングが同点に追いつく。
そして終盤の仕上げ役となったのはハーダー。ヒュルマンドと同じく、ライン間からのミドルで逆転ゴールを決めると、終盤にはカウンターから4点目をゲット。これで試合は完全に決着した。
45分で2点のビハインドを一掃したスポルティング。指揮官の門出として十分すぎる逆転勝利で開幕11連勝を飾った。
ひとこと
結果は出なかったけども、スポルティングは前半もそんなに悪くない運びだったと思う。
試合結果
2024.11.10
プリメイラ・リーガ
第11節
ブラガ 2-4 スポルティング
エスタディオ・ムニシパル・デ・ブラガ
【得点者】
BRA:20‘ 45+2‘ オルタ
SPO:58’ 守田英正, 81‘ ヒュルマンド, 89’ 90+4‘ ハーダー
主審:ルイス・ゴディーニョ