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最高ではないが最悪でもない
共に順位は中位。残り3試合で現実的な目標は24位以内ということを踏まえると、両チームのこの試合の狙いはなかなか悩ましいところ。3ポイントを取れればもちろん大きいが、1ポイントでも悪くはない。最も避けないのは勝ち点をみすみす逃して順位争いのライバルに3ポイントを渡すことだろう。
後ろに重い守備を意識しているのはディナモ・ザグレブ。2トップは縦関係となり、中盤の枚数を増やすことで同数で対抗する形の4-2-3-1で守る。セルティックは必ず1トップを外すことを意識するポゼッション。ショートパスをベースに左右に揺さぶりつつ、時折サイドフローなど保持型チームの素養を見せる。
セルティックが守備に回った際にはワンサイドカットをベースとする圧縮が基本線。同サイドに追い込むような守り方を強烈に意識する前線の守り方であった。
優位なのはより保持と非保持の両面での設計が優秀だったセルティック。ただ、チャンスのが数がおおかったわけではなく仕上げのフェーズでは苦戦。武器にしたかったのは両サイドのスピード勝負。前田とキューンのWGを生かした形だろう。
だが、この点では特にピエール・ガブリエルが奮闘。キューンと互角に渡り合うことでサイドからの折り返しを許さない。逆サイドの前田は終盤にはチャンスを作れていたが、彼のポテンシャルを考えればもう少しやれてもおかしくなさそうというのが感想である。
押し込むセルティックだが、仕上げを見せることはできず。試合はスコアレスのままハーフタイムを迎える。
後半も引き続き主導権を握るのはセルティック。インサイドへの強引な侵入を織り交ぜながら内側からも勝負を仕掛けていく。ターンで強引に切り拓く旗手のような攻め筋は跳ね返された感があったが、少ないタッチでのポストで細かく方向を変えるプレーを増やせば、特に問題なく侵入することはできていた。
ディナモ・ザグレブはラインを下げての5バックでの守備に移行することでまずはきっちり受ける。保持においては4-4-2変形するセルティックの圧縮が後半弱まったこともあり、CBからの縦パスを入れることが出来ていた。ベルナウアーからのインサイドへのパスから一気に前進するなど前半に見せなかったボールの動かし方から進んでいく。
なかなかゴールが生まれない状況となったが、終了間際にディナモ・ザグレブとセルティックそれぞれに押し込む時間が生まれる。だが、どちらも決め切ることができずに試合は終了。勝ち点1を分け合う結果となった。
ひとこと
最高ではないが、最悪ではない結果であった。
試合結果
2024.12.10
UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第6節
ディナモ・ザグレブ 0-0 セルティック
スタディオン・マクシミール
主審:フェリックス・ツバイヤー